2 琉生(るい)の発明
琉生はケーキを食べている無邪気な洋梨子に笑顔で話しかけた。
「洋梨子さん、実は今日は僕の2つの発明を見て欲しいんだ。もちろん、これを見せるのは君が初めてだよ。君はこういうものにはあんまり興味が無いと思うけど、ちょっとつきあってほしいんだ」
「もちろん、いいわよ。それに興味が無いわけないでしょ。琉生君が発明したものなら、興味津々(しんしん)よ」
「そんな風に言ってくれると嬉しいね。じゃあ、ひとつ目の発明」
琉生が取り出したのは一本のバナナの形をしたものだった。
洋梨子は奇妙な表情をして
「何、これ?ただのバナナのおもちゃじゃない。しかも食べられないでしょ。これ、何するものなの?」
「洋梨子さん、左を向いて」
洋梨子が左を向くと、2メートルほどのところに水槽があり、一匹のメダカが泳いでいる。
「よーく見ててね」
言うやいなや、琉生はバナナをメダカの方へ向けた。
小さなボタンを押すと、ちょうど拳銃のように引き金が出てきて、彼はその引き金を引いた。すると全然音はしないでバナナの先から黄色い光線が発射され、水草を通り抜けてメダカに当たり、メダカは底に横になってしまった。
洋梨子は驚いて
「えっ、すごい!でもメダカさんがかわいそう」
琉生は笑いながら
「ははは、メダカは一時的に気を失っているだけで、10分もすればまた元気になるよ」
「あーよかった。それにしても、これって何のマシンなの?どんな目的で作ったの?」
「これは催眠光線銃さ。光線の強度はこの目盛で自由自在に変えられるんだ。今の実験では対象が小さなメダカだからかなり弱い光線になっているし、例えば対象が人の場合はもう少し強くして使うんだ」
「対象が人ってどういうこと?」
「例えば女性が悪い奴に襲われそうになった時、例えばスタンガンだと相手に相当接近してうまく相手の体に当てないと効力を発揮できないでしょ。けれどもこのバナナカノンは5メートル離れていても相手の気を失わせることができるんだ。あっ、さっきの水槽を見てごらん」




