第十三話二人だけの秘密
第十三話二人だけの秘密
「ちょっと白本さん、せっかく二人きりにしてあげたのにどうして私を呼ぶのよ!」
「そのお礼なんだけど」
私がそういうと橘さんは溜息を一つついて
「そういうことなら彩那様の笑顔が見られれば十分よ。そういうことだから今回だけは白本さんに任せたからね、そこだけ理解してよね」
そういって去っていった。
「穂乃果ちゃん、ありがとねー!!」
彩那がお礼を告げると橘さんはぺこりとお辞儀をした。
「さて愛海どこから行く?」
「そうだね、まるまる部屋って場所からにしようかな」
よくわからない場所から先に行って楽しそうな場所を後で行けば後味が悪くはならないよね。
まあそれも私的には彩那との思い出として残るから全然良いんだけどね。
私が彩那と二人でいられること自体はすごく幸せだけど、私たち恋人らしいこと出来てない。
分かっていてもやっぱり私でよかったのかと不安になる。
私は部屋に向かう最中不安をなくすことを考えながら彩那と話していた。
そしてまるまる部屋という場所がどういう場所なのかを理解した私は部屋に入ることを躊躇った。
なぜならその部屋は『出されたお題の行動をしないと出られない部屋』だったからだ。
私が躊躇っているとホテルスタッフに入れられてしまった。
「お二人様ごゆっくりとお楽しみくださいね〜」
「えっ、ちょっと待っ……」
ガシャン
「楽しそうだしいいじゃん。ね、愛海」
「……彩那がそう言うなら」
部屋に入ってすぐのところには大きな白い箱があった。
「ここに手を入れればいいのかな?」
「多分。だから私が手を入れるよ」
ガサゴソ
「紙みたいなのが入ってる」
私が手に掴んだものを取り出すとそれはお題が書いてある紙だった。
「なんかこれって借り物競走みたいでドキドキするね」
「……私は不安しかないよ」
部屋には不安で苦笑いの私とワクワクの満面の笑みの彩那で希望と絶望が入り混じったような混沌とした空気が漂っていた。
そしてお題はというと。
「「濃厚なキッス!?」」
「いやいやなにこれ、出ようよ彩那……えっ、本気なの」
部屋から出ようとドアノブに触れたのだが。
ガチャ……ガチャガチャ
「開かない」
「私は……してもいいけど、愛海は嫌なの?」
「嫌ってわけじゃないけど」
言ってもいいのかな、せっかくキスするなら良い雰囲気でしたいって。
でも言って彩那に嫌われたらどうしよう。
私がそう考えていたら彩那が箱からお題を取り出していた。
「キスは楽しみに待ってるからね愛海。お題は『全てを曝け出して本音で語り合え!!』だって」
それが出来たら困らないよって言いたいけど彩那との今後を考えれば……。
「無理に言わなくてもいいからね。言える時で……」
彩那はそう言ってくれた。
私は彩那には知っててほしいと決意して話すことにした。
「話してくれてありがとう愛海。私のも聞いてくれると嬉しいな」
彩那は私を受け入れてくれた。
それだけで、後悔も何もかもなくなりそうで
「……聞くに決まってるでしょ彩那」
涙が止まらない。
そしてお互いの本音を曝け出して話した時扉の鍵が開く音が聞こえてきた。
「涙が止まってから出てもいい?」
「おいで愛海」
私は彩那の胸を借りた。
「……ありがとう彩那、もう大丈夫」
彩那に話してから心がものすごく軽くなった。
「それじゃあ出よっか」
「うん」
私は彩那の手を強く握りしめて部屋から出た。
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