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 5-5 落ちこぼれの花嫁



*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀٭*❀



その日、弦はいつものように、律から書類を受け取るため屋敷を訪ねた。


「失礼。首長殿、本日王宮に提出する経理報告書ですが…」


仕事部屋の襖を開け、弦が入って来る。


「ああ、もう仕上げてそこに置いてある。」


「ええ、ええ、そうでしょうとも、お待ち申し…へ?今、何と仰いましたかな」


襖の前で、弦は目を見開いたまま、固まってしまったようだ。


律は訝し気に首を傾げながらも、書類を取って弦に手渡してやる。


我に返った弦は、ぱらぱらと内容を確認し。


「た、確かに…素晴らしい、こんなに早く書類が出来上がっているとは。お見逸れいたしましたぞ」


「いや、俺の力ではない。紅悠が手を貸してくれたお陰だ」


「ほう、紅悠殿が…」


言われてよくよく見てみると、確かに資料の途中から、律のものではない筆跡が混じっている。


「…弦、その報告書を見て、どう思う?」


訊かれて、今度は弦の方が首を傾げた。


「どう、とは?項目ごとに丁寧にまとめられていて、非の打ちどころはないかと」


「やはり、其方が見てもそう思うか…」


弦はますます分からない顔をするが、律は気を取り直したように。


「いや、何でもない。じゃあ、後はよろしく頼む」


「承知。…と、そうじゃ、首長殿。ひとつお耳に入れておきたいことが」


弦は律の隣に屈み込むと、声を低めて。


「近頃、赤龍族の一部が活発に動いているようですぞ。…どうやら、この村の領土も、標的にされているようじゃ」


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