表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
指紋  作者: kazu
7/16

警視庁刑事課

 その時、後ろで全ての話を聞いていた竹下が、刑事達の前に歩いて行くと、

「この三件の事件の共通点が、全ての現場から検出された指紋。それが一致したと言う事です。つまり…… 犯人が同じなのですよ」

 三件の事件の現場写真を指差しながらそう叫んでいた。

 その話を聞いていた管理官が、いきなり立ち上がると、

「いいかお前らっ! 竹下鑑識員が衝きとめた証拠だ。俺達はそれを元に、この犯人を必ず逮捕する。その為に、これから各班に別れて捜査を開始する」

 目の前の刑事達の士気を高める様にそう叫んだ。そして、

「大島班は、公園で殺された事件を担当しろ。先ずは目撃者が居ないかを聞き込みして、とにかく物的証拠を探し出せ。

 次に大林班だが、アパートの近隣からの聞き込み捜査を開始しろ。

昼間の犯行だから、必ず声を聴いた者達が居る筈だ。それに、怪しい男がうろついていなかったか、もう一度調べ直すんだ。

 もう一つの事件は、桐谷班が引き続き捜査を始めろ。クラブの同僚達にも、その後に怪しい男が店に来ていないかなどを聞きこめ。

 最後に、指紋から前科が無いか? そして、靴の付着物などからの追尾を徹底してやれ。それが『松野幸三』警部補の班の仕事だ」

 管理官の叫び声に、部屋に居た刑事達全員が、大きな声で返事をしていたのである。

 こうして、連続婦女暴行殺人事件としての捜査が、警視庁から開始したのである。

 各班の班長達は、自分達の班でこの事件を解決させようと躍起になった。

「行くぞ。俺達が初めの事件を担当していたんだ。俺達が容疑者を捕まえないと、みんなに笑われてしまうからな」

 桐谷は、後ろを歩く平塚にそう言った。その言葉に、

「はい。そうですね」

 と、元気よく返事をする平塚だったのだ。

 一方、大林の方はと言うと、

「このヤマは…… 犯人の指紋が解っているとなれば、解決は早くなるな。他の事件もあるし、早めの逮捕にしたいものじゃな」

 腕組みをして思考錯誤しながら、後ろから歩いてきた相沢にそう言った、

 そして、先日の公園での事件を担当していた大島は、

「田辺、この警視庁に来ての初仕事だ。お前の歓迎祝いに、手柄を取るぞ。わかったな…… 返事はッ!」

 そう叫ぶと、

「は、はいッ!」

 強面の顔を更に怖そうにした大島の怒鳴り声に、身体を縮ませて返事をした田辺だったのだ。

 そして、最後の班である松野は、黙って部屋を出て行ったのである。いや…… 一言だけ、

「容疑者は、死を持って償うべきだ。それだけ、人の命は重いからな」

 そう呟いていた。

 警視庁の玄関口からは、走り出す数台のパトカーのエンジン音が響いていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ