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指紋  作者: kazu
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婦女強姦殺人(1)

そして目の前の所轄の刑事達の方に顔を向けると、大きな声で話し始めた。

「今回の公園での事件。その犯人だが…… 数週間前の五反田駅付近の強姦殺人と、その十日ほど前に起きた前橋の公衆トイレでの強姦殺人。その時の犯人と同一人物だと言う事が解った。

 何故そうなったのか? それは、指紋じゃよ。全ての現場には、同じ指紋が検出されていた」

 そう語る竹下の言葉に一番驚いていたのが、前に居た警部だったのだ。

その警部が、ぴくぴくと眉を動かしながら立ち上がると、

「言いたい事は解った。それでは、別の犯件を調べていた者達は、その捜査の途中経過を話してくれ」

 そう言いながら、目前の刑事達に指を差していた。

そして、その指が止まった先には『大林源吾』警部補が座っていた。その大林は、指示を受けた事で立ち上がると、

「我々、大林班は、五反田駅付近のアパートで起きた婦女暴行殺人を調べていました」

 そう言いながら、後ろに居る刑事に何か指示を出していた。すると、その刑事が鞄から大きな封筒を取り出して、目の前の警部達の方に歩み寄って行った。そして、その紙袋を差し出すと、再び自分の席に戻って行った。それを見た大林は、再び話を始めたのである。

「今、相沢警部補が配った書類は、被害者の写真と現場の写真です。

他には、その現場に落ちていた被害者が持っていたと思われる物です」

 大林がそう言うと、

「それじゃ、この事件の事をみんなに説明しろ」

 警部がそう指示を出していた。その言葉に胸のポケットから手帳を出した相沢が、説明を始めた。

「写真の女性は、被害者の琴野幸恵。年齢は三十三歳。二十八歳の時に、工場に勤めている琴野昭義と結婚。その後、その一年後に男の子を出産しています」

 その説明を受けながら、警部の横に置いてあるホワイトボードには、その写真が貼られていた。

「現場には、幸恵の死体と息子の昭弘君の死体が横たわっていて、部屋の中は荒らされていました。タンスの中からの物色された跡から、そこに入っていたと思われる現金が盗まれていました。殺された幸恵さんは、強姦された後に台所にあった包丁で刺された事が死因となっています。横に居た昭弘君も、同じ凶器で刺されています」

 相沢の話している最中も、現場の写真や、凶器となった血塗れの包丁の写真が貼られていた。


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