Nutral.35 新種なのです!――海底タワマン、甘味の揺れが変わる時
海底2.2NkQ階。
温泉源の奥で、微かな揺れが続いていた。
リュオ
「……揺れが……変わった」
シェル
「熱の流れ……甘味の流れ……どちらでもない……第三の揺れ」
新平
「第三……?」
咲姫は、湯気の向こうを見つめていた。
咲姫
「にゃうにゃ……これは“概念の揺れ”なのです」
雷電
「どすこい。ただ事ではござらぬ」
餡子熊王
「……甘味の気配ではない」
猫二
「にゃ……。なんか……嫌な予感がするにゃ……」
海底温泉の“異常反応”
温泉源の表面が、ぷるぷる……ではなく、とろりと揺れた。
新平
「とろ……?いつものぷるぷると違う……!」
咲姫
「にゃうにゃ!これは“概念変体”の前兆なのです!」
リュオ
「概念……変体……?」
シェル
「温泉が……別の概念を取り込んでいる……?」
咲姫
「にゃうにゃ!海底には“甘味以外”の概念もあるのです!」
新平
「甘味以外……?」
咲姫
「にゃうにゃ!例えば――海流、静寂、深度、圧力、光、影……海底は概念の宝庫なのです!」
猫二
「にゃ……(=またややこしいことにゃ……)」
魚人が感じた“未知の動き”
リュオは、温泉源に手をかざした。
リュオ
「……これは……海の動きではない」
シェル
「潮でも……熱でも……生物の気配でもない」
新平
「じゃあ……何なんですか?」
リュオ
「“止まらぬ動き”……だが……甘味ではない」
シェル
「動きの質が……違う。もっと……静かで……深い」
咲姫
「にゃうにゃ!それは“深海の概念”なのです!」
雷電
「深海……」
餡子熊王
「……甘味とは別の……静の世界」
概念温泉、新種の誕生
温泉源が、淡い青色に光り始めた。
新平
「色が……変わってる……!」
咲姫
「にゃうにゃ!新しい概念が混ざったのです!」
光が収まり、湯面に新しい名前が浮かび上がった。
【温泉・深海ゼリー】
猫二
「にゃ……?ゼリー……?」
咲姫
「にゃうにゃ!“ぷるぷる”ではなく“とろぷる”なのです!」
新平
「とろぷる……?」
咲姫
「にゃうにゃ!深海の静けさと、海流のとろみが混ざった湯なのです!」
リュオ
「……深海の動き……確かに……静かで……重い」
シェル
「だが……止まってはいない……ゆっくり……確実に……動いている」
雷電
「どすこい。静の動きでござる」
餡子熊王
「……甘味ではないが……悪くない」
新種温泉の“効果”
咲姫が、湯に手を入れた。
咲姫
「にゃうにゃ!この温泉の効果は――“深度安定”なのです!」
新平
「深度安定……?」
咲姫
「にゃうにゃ!入った人の“心の深さ”が安定するのです!」
猫二
「にゃ……(=どういうことにゃ……)」
リュオ
「深海の動きは……揺れず……乱れず……ただ、深く……続く」
シェル
「心の揺れを……静かに沈める」
雷電
「どすこい。精神統一に良さそうでござる」
餡子熊王
「……静寂の湯……」
咲姫
「にゃうにゃ!これで旅館は、もっと面白くなるのです!」
身体の揺れの後は精神の揺れ。
精神を安定化=精神統一することでもっと自律芯がよくなる。




