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海繋がる  作者: 加藤無理
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返り討ちと殺害

 私達は怪我人を手当てをすると休んだ。夕日が沈んで夜になる。激しい戦闘の後でもあり、腹は減った。しかし皆、食欲はなかった。二百人中、三十人は怪我したが、死者は一人も出なかった。


 翌朝。砂浜から死臭がするが私達は食事を摂った。吐気を催す者がいたので私は無理に食べさせなかった。


 動ける者は下船する。私達に死者はいなかったが、敵は全滅していた。私達は周りを見渡し遺体を観察した。軍医が検死する。私達海風列島やまほろば帝国とも違う服装だ。鉄で出来た鎧を着ている。全員、男の様だ。百人ほど倒れている。手前は大きく丈夫な刀剣が投げ出されており、奥には機械仕掛けの弓が遺体の近くに投げ出されている。刀剣も弓矢も見るからに殺傷能力が高いと分かる。特に弓矢は銃が無ければ対抗できなかったほどだ。


 私達は沖から離れた所に遺体を運んで埋葬していく。


 その間にイロ提督が残りの二十三隻を率いて上陸してきた。血糊と投げ出された沢山の武器を見て、皆は狼狽している。他に敵が潜伏していないか身構えながら周りを見渡す。私はイロ提督に戦闘について報告した。イロ提督とロイとまほろば帝国の鞘が青白い顔でそれを聴いている。


 私の報告の後、イロは説明した。昨日、私達の軍艦を襲った兵器は長くて大きい金属製のものであった。高速で飛んでたが、イロは後方で望遠鏡で観察していた。機械仕掛けの弓を見て、イロは敵が巨大な弓で大きな矢で射たのだろうと推測する。その物体は海に勢い良く沈んだまま浮かんで来ない。


 私達は遺体を埋葬し終えると船に戻って見張りをすることになった。他の半分も襲撃に備えて船に残る。イロは残り半分を率いて武装しながら砂浜やその周りを探索する。


 五日ほど経つと探索隊は色々な物を発見した。岩石や土で出来た要塞と巨大な機械仕掛けの弓と書物。木でできた大小様々な船と武器や鎧。私達が撃った砲弾は要塞に直撃しており、散乱した瓦礫の中、十数人が死亡していた。その遺体を埋葬しながら更に奥に行くと広く整備された道が何本もある。遠くで田畑の様な空間と森林が見渡せる。川も流れている。塩田らしき所も見つけた。


 文明が確実に存在している。私達は困ってしまった。防戦とはいえ、こちらは百人以上も殺戮してしまった。


 イロ提督は撤退を決めた。向こうが更なる報復を仕掛けてくるはずだ。私達はそれを支持してその準備を始める。幸い浄水装置も無事だし食糧は残っている。


 しかし、砂浜から離脱したところで南北双方から船影が見えた。左右からの挟み撃ちに遭った。私達はなるべく速度を上げていく。逃げ切れそうにないので戦闘態勢に入る。北側から五隻、南側から七隻、先頭の船が射程距離に入ると私達は威嚇攻撃した。それでも双方は避けずに近付いてくる。私達は本格的に砲弾を発射させた。手応えがあった。北側も南側も一隻ずつ着弾して大破したようだ。


 それでも暫く戦闘は続く。重低音を轟かせる長い何かが残りの敵船から何本も発射された。私達は散り散りになりながら避けた。私達の隣の軍艦が二隻、刺さったが、撃沈は免れたようだ。私達は反撃する。更に敵船に着弾した。


 敵船十二隻のうち五隻は撃沈か航行不能になっている。それを仲間が助けている。私達も壊れた軍艦に近付いて救助する。人ほどの大きく長い鉄製の矢みたいな物が刺さっている。それを引き抜いて海に放り投げる。怪我人の手当てもする。


 それが済んだら急いで逃げる。敵も戦意を喪失したようで離れていく。しかしまほろば帝国の四隻から合図が出された。人を沢山殺したので謝罪をしてみないかと提案したのだ。確かに私達は殺される恐怖で抵抗したが、こちらから勝手に来た上に実際に殺したのは私達だ。また、武力は私達の方が有利なようだ。


 イロは考えた挙句、また引き返すことにした。先程の十二隻は去って行った。

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