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海繋がる  作者: 加藤無理
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大陸との摩擦

 海流は西に進んでいるが風は東に進んでいる。私達は帆を広げて東に進んで行く。途中で何度も時化に遭遇したが一人も死傷者も出さずに進む。途中で魚介類や海藻を捕獲し食糧にしていく。


 一ヶ月ほど航海を続けると、南北に広がる巨大な陸地が見えてきた。望遠鏡で確認すると中央部に山が聳えている。まほろば帝国では奥に霊山・富嶽が鎮座していたが、こちらの山は手前に位置しているようだ。


 文明が存在しているかもしれない。まほろば帝国の人達は遥か西側に行った時、攻撃を受けた。私達は砲弾の射程距離よりも先に行かないようにした。帆の張り方を調節して速度を緩め、海上で停止する。


 三日ほど様子をうかがうが、攻撃の気配はない。イロ提督は一隻が代表して陸地に行って確かめるべきだと判断した。私は乗組員と話し合い、私の軍艦に行かせるように提案した。イロは承諾する。


 私は艦長として指揮しながら陸地に向かう。文明も無く誰も住んでいないかもしれないし、逆に強敵に急襲されるかもしれない。私は攻撃の準備をさせながら面舵も取舵もとれるようにしていた。


ウオォンブォン。低音が轟く。攻撃だと察知した私は音の方向を推測しながら思い切り取舵をとった。船は急停止出来ない。そのまま勢い良く進む。ブォンウォン。また低音が轟く。次は急いで面舵をとった。


 バジャン、ブァン、ブォン、ドオン。四つの何かが海水を叩きながら沈んでいった。私達の軍艦は命中せずに済んだが、海面が激しく揺れ、飛沫が飛んだ。軍艦が揺れて私達は手摺や柱にしがみつく。


 軍艦は転覆せずに尚も進む。ウオォン。また何かが飛んで来る。私達は足を踏ん張りながらも操舵する。これも命中しなかった。バアアン、と後ろの海面を叩き、更に私達の軍艦を揺らす。私達は転覆しないように耐える。


 少し揺れが収まったので私は進路方向を正しながら砲弾の装填そうてんをさせる。幸か不幸か低音の轟は来ない。海面は落ち着きを取り戻す。私は攻撃した方向目掛けて二発発射させる。ドオン、ドン。


 発射後も臨戦態勢を続けながら離脱も想定する。バアアン、ガアアン。陸地に着弾した。船は止められなかったし、破壊力の有る兵器を使う場合、こちらが近付きすぎると相手も自滅するので攻撃しづらい。接近戦になる。私は乗組員達を最後まで軍艦を操舵する者と武装して備える者とに分けて準備させた。


 座礁せずに砂浜に到着した。私達は弓矢と銃をかまえる。


 ウオオオ。と雄叫びの声が轟く。黒い髪をした人間が沢山突進してくる。数百歩手前で立ち止まると矢を放つ。水平にした弓をかまえて射てくる。それらが私達の船まで届く。私達は物影に隠れながら応戦する。銃弾には限りが有るが向こうの矢は遠くから届いているので私達は撃ち返す。ドオンドドドドン。耳栓をしているが轟音が耳の奥を痛めつける。硝煙が霧のように広がっていく。むせる匂いが鼻を襲う。


 こちらの弾薬が尽きる前に攻撃が止んだ。私達は弓矢を用意してかまえる。黒髪の人間達が武器を持って突進してくる。私達は射る。人が目を剥いて倒れていく。血が流れて砂浜を濡らす。人を殺して良い気持ちがするわけがない。しかし、そうしないとこちらは全滅する。生きて捕虜になってもなぶり殺されるだろう。反撃するしかない。


 それでも生き残った人間達が刀剣で攻撃を仕掛けてくる。私達は痺れ薬を塗った吹き矢と剣術で応戦する。私達は女ばかりで、向こうは男ばかりのようだ。体格差はあったが、向こうの方が疲弊しているようだ。私達が死に物狂いで戦うと、向こうは絶命していく。


 気が付くと私達は勝利していた。砂浜には生きた人間の気配はしない。

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