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海繋がる  作者: 加藤無理
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娯楽化する男達

 笑国の男達に私は益々幻滅した。私の同僚達を大広間の窓際に待機させて見世物にするだけでも忌々しいのに、男達は同僚達を容姿や体型で判断するのだ。祭国でも男達は美人を好んだが、ここまで露骨ではなかった。


 男達は美人に対して灯りに群がる虫の様に集まって熱心に交渉し、ブスに対して冷たい目で蔑み避ける。不美人達は男達に怒り今回の交渉を諦めた。美人も男達を害虫を見るかのように蔑んだ。私達がこちらに来てから一ヶ月ほどで男達はやっとそれに気付いて我に返った。交渉を諦める者もいれば不美人に謝って交渉を新たに始める者もいる。


 子育てに対する責任も無い上に無料で性行為が出来る。痴話喧嘩が日常茶飯事で沢山の金銭が必要な遊郭とは違う。そんな愚かな勘違いをする男達が多いのだ。


 祭国でも遊郭は存在していたが目立たなかったし、貴族や金持ちが少し楽しむ程度だった。しかしこちら笑国では私達の切実な交渉を無料な遊郭だと勘違いする男達が多いのだ。


 遊郭は生殖に不可欠な性行為を娯楽にする上に女達の心身を消費する。実に穢らわしい仕組みだ。貧しい家の女を文字通りに買って無茶な性行為を沢山させて心と身体を壊す。しかも若さと美しさが価値があるものとされ、そうでない女を徹底的に排除する。


 こんな下劣な仕組みを男達が作ったのだ。性行為を楽しむだけならば男同士で楽しめば良い。か弱いのに命懸けの出産する女を何故、男達はここまで貶めるのだろう。女しかいない私達花国でも女同士の恋愛を楽しむ者はいるが、金銭のやり取りは下品だと見なされているし、むしろ互いに心身を気遣っている。女が人間の半分しかいない男の社会で何故、遊郭が存在しているのか私には分からない。しかも遊女は避妊するし妊娠すれば排除される。


 私は笑国の軍人達に何度か男同士の遊郭を創るべきだと提案したが、何故か苦い顔をされる。何故、彼等が嫌がるのか私には理解出来ない。


 私が悶々としていると私の同僚が適切な男を見つけた。私の同僚は非常に美人でそれを理由に交渉してくる男達に同僚は辟易していたが、その男は思い詰めていた。青白い顔で同僚に交渉して欲しいと頼み込んだ。その男は四十歳ほどで不細工で服装からして貧しい。身体は鍛えられている様だが労働で疲弊している様でもある。同僚が訳を尋ねると男は甲斐性なしだと皆から見下され、女達からも避けられ、今までに性行為をしたことがなかった。父親の跡目を継いだ兄からは酷使されて希望もない。死ぬ前にせめて何かしたかったのだ。


 泣きながら説明する男が嘘を言っているようには見えなかったし、悪い男には見えなかった。同僚は承諾した。軍医は男が性病になってないか確かめたが、確かに童貞で疲労しているが何も病気もなかった。


 同僚達が宿泊所にいる時はその子ども達は軍艦で待機しているので、宿泊所で性行為をする。同僚は妊娠するまでその男と交際することにした。


 悪くない男は笑国にもいるのだ。私は同僚が適切な男を見つけられて良かったと安堵した。

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