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貞操逆転世界でも俺には関係ない!〜自分らしく生きてたら、どこに行っても愛される〜  作者: ビーム


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12/23

外の世界


ついにこっちにきてから初めての外出。

男の支度は5分もあれば十分だが、母さんはやたらと時間をかけているようだ。

朝食の後、母さんが支度をするといって自室に戻ってから2時間以上は経過している。


「母さんまだ〜?」


「優くんもう少し待って〜!お洋服が決まらないの〜!」


息子と出かけるのに随分としっかり準備するんだな。まあ、俺がデートと称して焚き付けたんだけどね。

母さんよ、申し訳ないけど、準備が30分だろうが2時間だろうが男には分からないぞ。

もちろん口には出さない。女の支度に口を出して良いことなどないのは前世の姉に仕込まれている。

生まれた時からスパルタの英才教育を受けているのだ。


「優くんお待たせ〜。」


メイクも服装もバッチリだ。可愛い。

母さんはブラウンのトップスとロングスカートのセットアップに白のコートを羽織っている。

まさに初デートにぴったりの格好だ。

一方俺はというとクローゼットにあったパーカーの上にアウター、下はデニム。まるで、中学生だ。

まあ春までは中学生だけども。

これではデートには見えないだろう。まるで親子だ。親子だけどな。


「ママ可愛い〜!」


「みなちゃんありがと〜♡ 優くんはど〜お?」


この手の質問って困るよね。素直に可愛いねって言えばいいのはわかるけどさ。

みんなも照れるよね?そこのメンズ諸君は母親に言えるかい?かわいいねって。

前世の母には絶対に言えない。思春期男子の俺には無理だった。

しかし、この世界なら俺にも言える!母さんは出会って2日目のレディーなのだ。

記憶喪失が初めていい方に働いてくれている。


「か、か、可愛いよ。」


「っ!///」


スッと出てくるとは言っていない。どもってしまうのは許して欲しい。

母さんは自分で言わせたくせに赤面している。頬が攣りそうなくらいニヤニヤもしている。

やはり、デート相手をちゃんと褒めてあげることは大事なようだ。これからはスッと出てくるように訓練しよう。

また一つ男をあげたぜ!


家を出る頃にはお昼過ぎになっていた。

車に乗って大きな駅の繁華街へと向かう。15分くらいで到着した。

街の様子は新宿駅に近い。確かにここならデートするにはぴったりだろう。


「まずお昼にしましょ!」


車を降りるなり母さんは俺に腕を絡めてきた。大きな胸がしっかりと腕に当たっている。

安心して欲しい。母さんが支度しているうちにトイレに行ったから。

何をしたかって?それ以上は聞いてくれるな。想像の通りだよ!!

仕方がなかったのだ。これはデート前の紳士のマナーだぞ諸君。


お店を探すためコインパーキングから駅前に出る。土曜日のお昼時だから異常に人が多い。

しかも、本当に女性しかいない。わかってはいたが、目の当たりにすると圧巻である。

そして、何よりも俺と母さんが歩いていると必ず二度見される。少女からおばあちゃんまで。


「優くん!母さんから離れないちゃだめよ!」


母さんは先ほどよりもさらに体を密着させてきた。心配してくれているのだろう。

ん?あれ?なんでそんな得意げな顔してるの?心配している表情ではない。


ああ。そういうことか。自分だけ男連れだもんね?わからんでもないよ?

前世でも彼女持ちの同級生が同じ顔していたし。綺麗な女性を連れている親父なんかも肩で風を切って歩いていたな。

この世界だったら尚更スゴいことなのだろう。


「母さんなんだか嬉しそうだね?心配してくれてるんじゃないの〜?(ニヤニヤ)」


「あ、ご、ごめんなさい!だって、自慢の息子なんだもの!初デートだし・・。」


うむ。可愛い。意地悪をしてしまった。年上の美人が俺の発言であたふたしている状況がたまらない。

癖になりそうだ。嫌われない程度に続けていきたい。


ランチ時のため、どこの店も混んでいる。お店探しに難航していると、母さんが誰かに電話をしたようだった。


「母さんお友達のお店があるから向かいましょ!」


さすがは社長。電話一本で状況を打開した。


「母さんスマートだねえ。惚れちゃいそうだよ。」


「ほ、ほれ!?でへへ・・ふふふ」


あー母さん揶揄うのたのしー!

俺が調子に乗り過ぎている感は否めないが、母さんは赤面させながら超嬉しそうにしているので問題ない。誰も不幸になってないのだからこの調子で行くことにするよ。デートなのだから浮かれてなんぼだ。


数分歩いて、駅前から少し離れたビルの中にあるお店に到着する。


「いらっしゃいm・・・!?!?」


ウエイトレスのお姉さんが俺を見ながら固まっている。やはり男は相当珍しいのだろう。


「予約した東海林です。個室に案内してくれるかしら?真由美(まゆみ)には電話しているわ。」


「かかか、かしこまりました!お、オーナーのお知り合いの方ですね!」


割とお高めのイタリアンといったところだ。

母さんは俺のために個室のあるお店を選んでくれたようだ。

確かに、周りの反応からするに個室じゃなければ落ち着いて食事は出来なさそうだ。俺も、周りも。

注文を決め料理を待つ。


「優くんと外食なんていつぶりだろう〜。」


「前も外食はしていたの?」


「小学生くらいの頃までは家族でよく外食したわよ?2人では初めてだけどね?」


「そっか。これからはみんなでも外食しようね!」


母さんと楽しく会話をしていると料理が運ばれてきた。

母さんに挨拶するためにオーナーが自ら来てくれたようだった。

これまた綺麗な人だ。茶髪のショートカットの明るいお姉さん。この世界は綺麗な人が本当に多い。


「直〜!久しぶり!優くんも大きくなったわね〜。」


「真由美久しぶり〜!急にごめんなさいね〜。今日は優くんとデートだったから!でへへ」


「あら羨ましい〜!優くんたらかっこよくなっちゃって〜!」


口ぶりからするに俺も会ったことのある人らしい。でも、記憶喪失なのを伝えるのは色々面倒なので話を合わせておくことにする。


「お、お久しぶりです。母さんがお世話になってます。」


「え!?・・・こ、こちらこそ〜。何よ直!優くん本当にいい男じゃない!もらっていいかしら!?」


「だ、だめに決まってるじゃない!真由美でも優くんに手を出したら許さないんだから!」


「え〜。そんなこと言わないでよ〜。連絡先だけでも!ね?お願い?」


「優くんスマホ持ってないから。残念だったわね。さっさと仕事に戻りなさい。」


母さんがむすっとし始めた。察した真由美さんも渋々引き下がってくれた。

俺がスマホを持っていたら喧嘩になっていた可能性もあるぞ。買う前でよかった〜!

それにしても真由美さんも綺麗だったな。俺としては連絡先を交換できるなら望むところだったのに。


頼んだピザやパスタは本当に美味しかった。良い店を知ったな。みー姉とのデートにも使えそうだな。

おっと、デートしている途中に別の女性のことを考えるとは。いけないいけない。

母さんは本当に楽しそうにしている。こんなに喜んでくれるなら定期的にお出かけしよう。


食事を終えて、母さんが会計を呼ぶと再び真由美さんが来た。


「ごちそうさま〜。相変わらず美味しかったわ〜。」


「ありがとうね〜。ゆ、優くんはどうだった?」


「ほんと美味しかったです!素敵なお店ですね!」


「ックハ!・・・直!やっぱり頂戴!こんないい男を見せつけておいて何も無しなんて酷いわよ!」


「だめよ。私の優くんなんだから。」


「息子でしょ!?悪い女に見つかる前に私がもらってあげるわ!」


「真由美いい加減にして。ワ・タ・シの優くんなの。怒るわよ?」


また始まった。モテる男は辛いぜ。母さんよ、気持ちは大変嬉しいけどさ、その調子だと俺には一生彼女ができないぞ?いいのか?息子に一生彼女ができないんだぞ?

普通の母親は「あんたいい加減彼女の1人でも連れてきなさい」というところではないだろうか。

いや、でも、母親と同じ年代の人を連れてきたら心配されるか。


「か、母さん・・・。その辺にしてもう行こう?スマホ買いに行くんでしょ?」


「ちょっと直!スマホ買いに行くんじゃない!ゆ、優君、ちょっと待ってね。今私の電話番号渡すから!メモ!メモ持ってきて誰か〜!」


「ちょっ!優くん何いってるの!母さんは黙ってたのに!」


「あ、ごめん。二人が揉めてるから早く出たほうがいいかなって・・。わざとじゃないんだ。」


真由美さんからメモを渡された。真由美さんが母さんに睨まれている。真由美さんは我関せずと言わんばかりににこやかな表情だ。流石に友人だからかメモを破られることはなかった。


「あ、あんた達戻りなさい!」


「先輩こそ!」


「注文が入ってるわよ!あなたはキッチンに戻りなさい!」


「あなたはホールでしょ!?できている料理早く出しなさいよ!」


4人の店員が出口付近で揉めている様子だ。

そこを通り過ぎようとすると、店員全員が俺に向けてメモを差し出してきた。


「れ、連絡先です。う、受け取ってください。」


それを受け取ったのは母さんだった。俺は察した。母さんのこの後の行動を。

母さんはその紙を粉々に破り捨てて俺の腕を引っ張った。やっぱりね。


「全く!真由美に後で文句言わなきゃ!優くんはああいうのに気をつけなさい!」


なんかぷんぷんしている。可愛い。普通の四十路がそれをやったら痛々しいが、母さんであればはちゃめちゃに可愛い。だって、見た目は20代なのだから。


騒がしいお店を後にしてスマホを買いにショップへ向かう。

母さんは先ほどよりもさらに密着してくる。密着し過ぎて、もはや、腕を組んでいるというより腕にしがみついている感じだ。

こっちを見てくる人には睨みをきかせていた。うん。スマホ買ってとっとと帰ろう。

本当は洋服とかも見たいと思っていたが、女性もののお店しかなかったので諦めることにした。


スマホのショップに着いた。

すると、店員もお客さんももれなく全員が入り口に立っているこちらを見た。


「お!男!?」


「このスマホ一旦無しで!あの子と同じのを買います!」


「わ、私が接客するわ!」


「いいえ!失礼があってはいけないわ!店長である私が!」


なるほど。母さんが外出を渋るのも理解できる。まあ俺としては悪い気はしていないけどね。

学校に行くとなると慣れる必要があるな。


母さんがすごい顔をしている。般若のような表情で睨みを効かせた。ものすごい覇気だ。

うわすごい!睨まれた数人がバタバタと倒れていく。富・名声・力を持っている母さんは海賊王だったようだ。


その姿を見て我を取り戻した店長が案内してくれた。

スマホは最新型のものを選んだ。母さんが好きなものをなんでもといってくれたからね。

お金を気にしなくていいというのは良いものだ。

手続きが終わり、携帯を確認すると、知らない番号が入っている。

店長が目配せをしてきた。なるほどね。ちゃっかりしてるわ。

でもね、それは普通に怖いわ。帰ったらすぐ消そう。



日も暮れ始め、母さんとのデートも終わりを迎えた。車に戻って今日のことを振り返る。


「優くん!今日は楽しかったわ〜!」


「そうだね。でも、大変でもあったね笑」


「そうね〜。優くんもどれくらい外が危険かわかったでしょ?」


「流石に理解したよ。でも、母さんと出かけられるなら気にならないかな!」


「でへへへ 優君ったら!もうっ!///私もよ!///」


車の中の母さんはずっと笑顔だ。会話の声色でかなり機嫌がいいのがわかる。

喜んでくれて何より。これからも母さんには笑顔でいてもらいたいものだ。

母さんとはもとより関係は良かったが、今日一日でかなり仲良くなれたと思う。

とても良い休日になったな。


しかし、スマホを手にした俺には1つの悩みが増えた。

そう。司だ。彼女とどうやって連絡先を交換しよう。家族なのに連絡先を知らないのは絶対におかしい。

が、教えてくれるのだろうか。今朝も空気は最悪だったし、まともに会話を交せていない。

俺としては家族なのだから仲良くしたい。諦めたくない。

よし!まずは、俺が司となぜ関係が良くないのかを解明するのが先かな!母さんやみー姉に聞いてみよう!


「「ただいま〜」」


「お、おかえりなさい。」


あれ・・・?司が出迎えてくれた。なんだ?何が起こってるんだ?

最後まで読んでくださりありがとうございます。

ブックマークやリアクションが大変励みになっております。今後ともよろしくお願いします。


キャラクター紹介

●竹内 真由美 39歳 茶髪ショートカット。Cカップ。直の高校から友達。イタリアンのお店を経営している。料理に生きてきたため、子供はいない。実は小さい頃から優には目をつけていた。

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