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貞操逆転世界でも俺には関係ない!〜自分らしく生きてたら、どこに行っても愛される〜  作者: ビーム


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11/23

マシーンにはなりたくない

「おはよ〜う。」


「ママおはよお。ご飯食べるでしょ〜?」


「みなちゃんありがと〜。先にシャワー浴びてくるわ〜。」


時刻は9時過ぎ。母さんが起きてきたようだ。司は朝食を終えるなり、部屋から出て行っているので、すでに不在だ。


「ママ!おはよお!みてみて!お兄ちゃんがぽちもん描いてくれたの!」


「おはよめいちゃん。あら〜、仲良くなったのねえ(にこにこ)。」


俺と明はポチモンを見終わるなり、一緒にお絵描きをして遊んでいた。

ちなみに、前世の俺には全く絵心はなかった。通知表における美術の評価は5段階中の2だった。武田には令和のピ⚪︎ソという称号をもらったことを覚えている。ピ⚪︎ソさんすんません。

しかし、不思議なことにこの体は絵が上手いのだ。

明がお絵描きをしている様子を眺めている時に『あれ、なんか俺にも描けそう』と直感した。

試しに描いてみるとペンが思い通りに動いてくれる感覚がした。

体が覚えているとはこのことなのだろうか?自分が自分じゃないような気がした。



母さんがシャワーから戻ってきた。俺はその姿をみて激しく動揺した。

下着の上から緩めのTシャツを着ただけの格好なのだ。

ストライクな美人のそれは思春期男子には刺激が強すぎた。息子もおはようと挨拶したがっている。

しかし、隣に明がいる。お兄ちゃんとしての沽券に関わってくる。なんとかせねば。

必死で息子に命令する。『お座り!シッダウン!』

・・・俺の息子は犬よりもバカだったようだ。しばらくは立ち上がれない事が確定した。


「か、母さん・・・。服着てよ・・・。」


「?? きてるけど?」


何いってるの?と言わんばかりの表情だ。

いやいや着てるけど。まともな服を着て欲しいのだ。あなたの格好は風呂上がりの親父にしか許されない。前世の母が同じ格好をしていたら俺は普通に文句を言っているだろう。もちろん息子は無視をかますけどな。いや、むしろ落ち込むこともあったような。


「お、俺が、恥ずかしいから///」


顔があっつい!真っ赤なのが自分でもわかる。こんなことを言わせないで欲しい。マイエンジェルの前なんだぞ!


「えっ!?・・・・わ、わ、わかったわ!」


俺の表情で察してくれたのだろうか?母さんは驚きながらも少し頬を紅く染めていた。

みー姉も驚いている表情で俺をみていた。

なんで驚くのさ!こっちは思春期ぞ!思春期!あんたらボインでバインなんだぞ!自覚あんのか!?

明よ。不思議そうな顔でこっちをみるのはやめてくれ。お前にはまだ早いぞ。

不幸中の幸いはここに司がいないことだ。司に見られるのはマジで洒落にならん。


「ゆ、ゆう?・・・そそ、それってどういう意味?」


みー姉!それだけは聞いてくれるなあ!答えられるわけなかろうが!母さんの姿でマイソンがグッドモーニングしちゃうからなんて言えるかあ!セクハラだぞ!セクハラ!


「ど、どういうも何も・・・。」


ちなみに今はみー姉のことも見れない。みー姉も薄着だからだ。昨日は緊張感があったため大丈夫だったが、息子の影響で変に意識してしまった。


みー姉も自分の格好に視線を落とし、何かに気づいたようだった。顔を伏せたが、頬が染まっているのがわかる。若干嬉しそうにニヤついてるのはなに??


母さんとみー姉は着替えてきてくれた。助かった。マイエンジェルよお前は何も見ていない。わかったな?


気を取り直して、俺は母さんにスマホが欲しいと頼むことにした。


「新しいスマホって買ってもらえるかな?」


「あ!そうだったわね!今日買ってくるわ。」


「俺もついて行きたいんだけど。」


「え?どうして?今日は土曜日よ?」


「ん??だからこそじゃない?」


「お外に人がたくさんいるのよ?危ないじゃないの。」


「危ない?そんなに治安悪いの?この街。」


「そんなことはないけど・・・。でも、男の子が週末に外にお出かけなんて・・・。」


会話がすれ違っている気がする。しかも、露骨に渋られている。

まるで男だからダメと言われているような感じだ。俺の感覚と母さんの感覚が完全にズレている。

そして、この場合ズレているのは俺の方なのだろうとわかる。なぜなら、俺は記憶喪失なのだから。


「平日なら外に出てもいいの?そういえば俺って学校は?」


「学校にはもう行く必要ないわよ。」


「行く必要ないってどういうこと!?卒業したってこと?」


会話をすればするほど謎が生まれる。どこから解決すべきかも分からない。


「ママ。優には色々説明しないとダメそう。」


「・・・そうねえ。」


みー姉と母さんは深刻そうな顔をした。そこから俺と2人の問答が始まった。


前世と今世には多くの違いがあることがわかった。ただ、その違いはたった1つの原因に帰着する。

それはこの世界の男性が極端に少ないということだ。その数は女性の20分の1らしい。

そのせいで男性は女性に狙われる立場になっている。だから男性は家に引きこもっている場合が多いらしく、家族もそれを良しとしている。むしろ、そうして欲しいと思っている。


しかし、国としては引きこもりを良しとはしていない。理由は単純で子種を残すために女性と交流して欲しいからだ。なので、義務教育である小学校、中学校には1年間で30回出席することを義務付けているらしい。もちろん女性は前世と同じような教育形態だ。

義務教育を終えたほとんどの男性は進学も就職もしないらしい。収入はどうしているかというと、月に2回、国に精子を提供して、その見返りに収入を得る。さながら在宅ワークの公務員である。男性の精子は貴重なものなのでかなりの額がもらえるらしい。


多くの違和感が解消された。病院やニュースで女性しか見なかったこと、看護師からのナンパ、男性議員が40年ぶりだったこと、男性専用駐車場のこと、母さんとの会話、風呂場での司のリアクションなど。


単に前世と比較して男と女の貞操が入れ替わっているというレベルでもない。男性が少なすぎるため、女性の性に対する本能も20倍なのだ。考えてみて欲しい。君たちの生きる世界で男達の性欲が20倍になった状況を。それはもうカオスだ。


しかし、思春期異世界転生系男子の俺としてはこの世界は悪くない。うん。ウェルカムだ。


話を聞いて余計に外に出てみたくなった。攫われる可能性があるのは重々承知した。

だがしかし、外の世界にえっちな女の子がたくさん歩いているというのはロマンである。

それに今まで出会った人はみんないい人だったし、心配しすぎるのも俺の人生の選択肢を狭めるだけだ。


さあ、ここからは交渉の時間だ。


「なるほどね・・・。じゃあ、俺はもうほとんど外に出れないってこと?」


「出れないというか・・・。優くんが出る必要はないわよ?必要なものは私たちがなんとかするから安心して。」


うむ。母さんの口ぶりから察するに、外に出て欲しくないというのがわかる。

しかも、俺の外に出たいですアピール自体が届いていない感じがする。


仮に高校にも行かず、家に引き篭もるとなると・・・。俺の将来は・・・。

うんそうだな。名付けるならば、引きこもりオナ⚪︎ーマシーン。


最悪だ。絶対に嫌だ。想像もしたくない。

ここははっきりと俺の意思を表明しなければならない。


「母さん。記憶を失う前がどうだったかは分からないけど、今の俺としては普通に外出したいし、高校にも通いたいと思ってる。」


「え!?なんで?男の子が外に出るのは危険なのよ?欲しいものは買ってきてあげるし、お家にいればいいじゃ無い!」


いーや、ここだけは譲れない。家の中でマスをかいて死んでいく生涯など断固として拒否だ。

これは交渉。母さんが納得できるように説得せねば。しかし、常識がないことを言っているのは俺だ。

どうしたものか・・・・。

・・・っピコン!!そうだ!


「俺は外に出て、家族で旅行とか行きたいのにな〜。それに高校に通って、勉強頑張って、母さんに親孝行もしたいよ・・・(うるうる)」


ここは、あざとくいかせてもらう。この世界の女性には効くだろう。そして、俺は知っている。母さんが俺のことをめちゃくちゃ可愛がっていることを。


「りょっ、旅行!?優君と旅行!?デ、デへへ・・。そ、それに、お、親孝行だなんて・・・(泣)」


母さんがニヤついているんだか泣いてるんだか分からないスゴい顔をしている。


「で、でも・・・。こ、高校に通う必要はないでしょ?お勉強はお家でもできるわ。母さんは優君が生きていてくれたらそれでいいのよ。それが親孝行なの。」


っく。確かに、俺は前世の母より先に死んでいるから返す言葉もない。

しかし、諦めるのはまだ早い。


「母さんは高校楽しくなかったの?」


「それは・・・とても楽しかったけど・・・。」


「俺もちゃんと勉強して、友達も作って、母さんみたいな立派な人になりたいよ。」


「・・・。」


母さんは考え込んでいる様子だ。なんとなく手応えを感じる。


「・・・そうね。そう言われてしまうと、優くんだけ学校に通っちゃダメとは言えないけど。でも・・・。」


「ママ。優は前とは違うのよ?優が行きたいなら行かせてあげてもいいんじゃない?優の意思を無視してしまったら、それは軟禁と変わらないわよ。」


みー姉からのナイスアシストが入った。司との事と違って頼もしい。


「・・・。わかったわ。でも学校は母さんが決めるわ。優くんもそれで納得してちょうだい。」


「ありがとう!母さん!」


よっしゃああ!勝ち取った!脱オナマシ!そして、花の男子高校生!俺の未来は明るい。

あとはだめ押しといこう。


「外出の練習もしたいし、今日ついていってもいいかな?」


「・・・。それは、流石に急じゃないかしら・・・。」


「そっかあ。母さんとデートしたかったな〜(うるうる)」


「デ、デ、デッ、デート!?!? 優君と・・でへへh・・デート・・・。行きましょ!」


いっちょあがりい!今日の外出も高校生活もスマホも全部を手に入れた。

メンタンピンドラドラ満貫8000点です。あざっす。


「ふーん。ママばっかりいいなあ。」


「みー姉も来ればいいじゃん。」


「だっダメよ!デートなんだから!初デートなの!みなちゃんでもダメ!」


可愛い。そうだね初デートだもんね。二人がいいよね。

みー姉がすごくムスッとしている。可愛い。


「みー姉も今度デートしようね?(渾身のはにかみ)」


「ッッグハ!・・・するっ!忘れないでね優!」


忘れませんとも。女の子とデートなんて俺には経験ないからね。


それにしても、昨日の夜、あんなに対応が難しかった2人に対してこの状況は大健闘である。

俺が手のひらの上で転がすことになるとは。


男子、三日会わざれば刮目してみよとは俺のための言葉だな。

まあ、記憶ないし、本当に別人みたいなもんだけど。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

リアクションや評価が大変励みになっています。


下ネタが多くなってしまいましたが、まあ、貞操逆転ものの醍醐味みたいなものだと思っていただければと。

ようやく優が貞操逆転世界だと認識しましたね。設定を文章に落とし込むのはこんなに大変なのかと勉強になりました。変なところあったら教えてください。

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