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貞操逆転世界でも俺には関係ない!〜自分らしく生きてたら、どこに行っても愛される〜  作者: ビーム


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10/23

写真

転生してから初めての朝になります。


異世界に来てから初めての朝を迎えた。カーテンを開けると外はまだ少し薄暗い様子だった。

ベッドはすごくふかふかだったけど、慣れない環境だからか早めに目が覚めてしまったみたいだ。


まだ早い時間なので静かに自分の部屋を物色してみることにする。

部屋は10畳くらい大きさ。セミダブルのベッド、ローテーブル、大きめのデスク、その上にはデスクトップのPCがある。ウォークインクローゼットも付いているようだ。


一言言わせてもらいたい。つまんねー部屋。マージつまらん。なんかすげー広く感じる。ローテーブルに至っては空間を埋めるためだけに置かれているように感じる。


この歳の男の子ってさ、余計なもので部屋がガチャガチャになるもんじゃない?

俺の実家はそうだったよ?漫画とか、UFOキャッチャーで取ったいらないぬいぐるみとかあったし。作りかけのプラモデルとか。途中で飽きちゃったやつ。捨てるのも勿体無いから箱がずっと机の上にあったよ?あとモデルガンとか、3日で飽きたダーツとか。諦めたギターとか。

え?みんなもそうだよね?お金持ちは違うのかな?


まあいいでしょう!ここからが本番です!

それでは、これより、思春期男子恒例!エロ本大捜索大会を開催したいと思います!

はい!拍手ぱちぱちぱち!


エントリーナンバーワアンヌ!ベッドの下!・・・ハズレ。

エントリーナンバーツウゥ!マットレスの下!・・・ハズレ。

エントリーナンバースリィ!デスクの中!・・・・・・・おや?これは?


ペンやノートが入っている引き出し。そこにはくしゃくしゃになった硬めの紙。開いてみると、破ろうとした痕跡の残る写真。真ん中くらいまで裂けている。

写っていたのは東海林家の面々。いわゆる、家族写真。背景には母さんの会社がある。察するに、このマンションの屋上で撮られたものだ。

俺の年齢は・・・10歳?11歳?くらい。みー姉と司の真ん中に俺がいる。3、4歳くらいの明は母さんに抱っこされている。

俺含め全員が笑顔で、とても幸せそうで素敵な写真である。破られているという要素を除けばね。

特に俺が楽しそうしている。一人だけ両手をあげて変なポーズをとっている。わんぱく小僧にしか見えない。


ここから何があったのだろうか。家族との関係も悪くなさそうだし、数年後に自殺を試みるようには全く見えない。


それに、途中まで破られてはいるが、机の中にしまってあったのも不思議だ。気に入らない写真なら捨てればいい。

これはあくまで予想でしかないが、完全に破くことも捨てることもできなかったんだろうと思う。なぜなら、この何もない部屋で唯一彼の痕跡と言えるものだから。

これは大事にしまっておこう。でも、裂けたままにしておくのは嫌だな。


あと調べられることはPCとウォークインクローゼットの中くらい。寝起きでPCを触るのはなんとなく面倒なので、クローゼット見て終わりかな。


クローゼットを開ける。服はそこまで多くない。パーカーやトレーナーなどのカジュアルなもの、綺麗目のシャツ、デニムにスラックス、そして、制服。

無地のものが多い。あまりオシャレとかには興味がなさそうなのがわかった。


趣味とかはなかったのだろうか?好きなものは?

部屋を物色しても謎は深まるばかりだ。しかし、焦る必要はない。第2の人生はまだ2日目なのだ。


正直、この部屋は俺にとって好都合だ。これから好きなように改造できる。

殺風景すぎるから早く外に出て買い物でもしたいところだ。

そういえばスマホも持っていない。この歳であれば持っていそうなものだけど。聞いてみよう。


部屋を調べるのは10分くらいで終わった。

もうエロ本とか言っている気分ではない。今大会は中止とさせていただきます。


自分の部屋を出てリビングに入る。カーテンが閉まっていて、間接照明が点いていた。

リビングの時計は朝の5時30分を示している。

テレビをつけたままL字のソファでみー姉が眠っている。昨日は遅くまで飲んでいたのだろう。

まあ、今日は土曜日だ。そんな日もある。何も問題ない。

薄着で寒そうだったので、何かかけるものはないかと辺りを見渡す。整理されている部屋なので、見当たらない。自分の家であることは理解しているが、勝手に棚を開けて物色するのは気が引けた。自室に戻り、毛布を持ってきてみー姉にかける。


スマホもないので、テレビでニュースでも見ながら時間を潰すことにする。今の俺相当世間知らずだし。


ニュースの内容に俺は驚いた。

強盗の犯人も、殺人犯も、挙がる名前は全員女性。男性が女性のグループに監禁され襲われるという事件なんかもあったりした。

この世界の女性は男勝りにも程があると思う。そういえば病院の先生もスタッフも女性ばかりだったな。

あれ?俺まだこの世界で男の人見てない?

長谷川先生からあらかじめ家族構成を聞いていたから、父がいないことにも何も感じていなかった。

しかし、テレビのコメンテーターもキャスターも芸人も全員が女性。違和感が止まらない。


そして次のニュースが最も驚愕すべきものだった。その内容は、40年振りに男性議員が誕生したというもの。

40年振り?いやいやいや、何してんの男。それってさ、男がほとんど社会に参加していないと同義じゃない?危機感持てって。厳しいって。

15になる前の中学生が危機感を覚える社会ってほんとに大丈夫?ちゃんと成り立ってんの?


朝からパンク寸前だ。自室もテレビも家族との関係も全てが謎。記憶喪失ってめっちゃ大変なのね。知らなかったわ。誰かとこの気持ちを共有したい。記憶喪失仲間が欲しい。

謎が謎を呼んでいる。誰かさんは「真実はいつも一つ!」とか言っていたけど、なんか胡散臭いセリフに思えてきたぞ。少年。


うむ。これは家族に質問コーナーの開催を要求しましょう。そうしましょう。


「んん〜。・・・優?」


みー姉が目をこすりながら眠そうに声をかけてきた。


「おはよう。みー姉」


みー姉は自分にかかっている毛布見て、困惑した表情でキョロキョロ辺りを見渡した。


「お、おはよう・・・。これ、優が??」


「うん。かけるものどこにあるか分からなかったから俺の部屋から持ってきた。」


みー姉はギョッとした表情を見せたが、すぐに納得したような表情に変わった。まあ、何を思ったのかは予想がついた。さしずめ、俺が記憶喪失であることを思い出したのだろう。寝起きだから情報の処理に時間がかかったのだと思う。

そして、ニヤニヤし始めた。うん。まあ、嬉しそう。喜んでいるなら何よりです。

突然、みー姉がバサっと毛布を被った。

うわ、なんか匂い嗅いでるんですけど。ふんふん言ってる。あの、やめてもらえませんか?怖いんですけど。


「みー姉それやめて??寝るなら部屋で寝なよ。」


「んー。や〜。」


「はい。じゃあそれ没収。」


ブーブー言っているみー姉から毛布を取り上げ、自室に片す。

リビングに戻ったら、みー姉はもう起き上がってキッチンに立っていた。


「あれ?寝ないの?あんまり寝てないんじゃない?」


「ううん。大丈夫よ〜。いつも朝ごはん作ってるからね〜。今日はお休みだから、お昼寝するし。」


そういってみー姉は昨日の飲み会の残骸を片して、朝食を作り始めた。


「体調は大丈夫そう?ご飯すぐ食べちゃう?」


「大丈夫だよ。ご飯はいただこうかな。」


みー姉は慣れた手つきで料理している。これなんかいいな。

朝食を美人のお姉さんが作ってくれているというこの状況で白米が食えそうだ。俺におかずは必要ないのかもしれない。


みー姉と二人で朝食を食べ始める。今日は休日なので朝食はそれぞれ起きたタイミングでとるようだ。


「俺ってスマホ持ってないの?」


「持ってたけど、壊れてたのよ。部屋にバキバキのスマホが落ちてたわ笑」


「そうなんだ。新しいの買ってもらえるかな?」


「ママにいえば用意してくれると思うよ〜。」


「やった。買いに行くならついて行ってもいいかな?」


「ん〜どうだろ。ママに聞いてみないと。」


え、なんで?外に出るの結構楽しみにしてたんだけど。てっきり了承されると思っていた。

休みの日に行けないならいつ外に出れるの?


そんな話をしていると司がリビングに入ってきた。パジャマだ可愛い。そんなこと口にはできないけどね。ひとまず、挨拶や。ふー。司に話しかけるの緊張する。


「お、おはよう。」


「・・・・うん。」


うん。だってさ。


「司ちゃんおはよ〜。ご飯もう食べる?」


「おはよ。食べる。」


あれ?みー姉には挨拶返すんだ。そかそか。そういう感じか。きまじ〜。

俺はどうしたらいい?ねえ、みー姉助けてよ。昨日手伝うって言ってたのに。なんとか言ってよ。


ドドドッ!バンっ!


気まずい時間を壊してくれたのは明だった。メシアだ。それに可愛い。天使だ。おはようマイエンジェル。


「メイちゃんおはよう。起きるの早いんだね。」


「・・・お兄様おはよう。ポチモン始まっちゃうから・・・。」


「明おはよう。ご飯は?」


「みーちゃんおはよお!いい!ポチモンが先!つーちゃんもおはよ!」


土曜日でも朝が早いのは観たいアニメがあったようだ。明は挨拶するなり、テレビの前に直行する。

それにしてもポチモンね。観なくてもわかる。絶対ポチモンマスターを目指す物語だ。


俺は朝食を食べ終わったので食器を片付けた。みー姉には片付けてるのを初めてみたと言われた。

知らんがな。記憶ないんだもん。

俺は明と仲良くなりたいので一緒にアニメを観ることにした。主人公の名前はサトミだって。

明とはアニメを通じて、多少会話できた。色々説明してくれる。可愛い。この調子なら仲良くなれそうだ。でもごめんよ。説明されなくてもストーリーは大方わかるんだ。


「お兄様じゃなくてお兄ちゃんと呼んでよ。仲良くしようよ?」


「だって、急に怒ったじゃん。なれなれしいって。」


なぁにぃ!けしからんぞ昔の俺!馴れ馴れしいとはなんだ!相手は天使ぞ!?仲良くさせていただけるだけでありがたいだろうが!


「ご、ごめんね?もう怒らないからさ?お願い。」


「・・・・。わかった。お、お兄ちゃん。」


よし!よし!ガッツポーズが出そうだ。ポチモンよくやった。この功績はでかいぞ。次回作の売り上げに貢献してあげようと思う。

これは進化だ。お兄様からお兄ちゃんに進化したのだ。ピカチ⚪︎ウからライチ⚪︎ウになったのだ。

これで全国制覇も夢じゃない。


あとは司だ。こっちにきてからの最大の悩みと言っていい。

ほとんど目も合わせてくれないし、会話もない。

そもそもなんと呼べば良いかも分からない。以前の俺は司をなんと呼んでいたのだろう。


正直ここまで関係が拗れていてどうしたらいいか分からない。本当に取りつく島もない。

みー姉を頼りにしていたが、ノータッチといった感じだ。

自分でなんとかするしかない。まずは昨日のことを弁明しよう。


「あ、あの。つ、つかささん?」


「・・・・。その呼び方キモいから」


「」

ワタシ モウ ココロ オレタ。

美人だから余計に怖い。

変に話しかけようとするのはやめよう。嫌われているなら関わらないようにしてあげるべきなのかもしれない。

家族だから仲良くしたい気持ちは変わらない。でも、俺に過失があるなら押し付けるべきではない。


「司。そんな言い方ないでしょ。」


「・・・・。」


みー姉が司に注意したようだが、司は口を開かなかった。

果たして俺は家族として認められるのだろうか。


気まずすぎるので明と遊んでいよう。

俺を癒してマイエンジェル。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

評価やリアクションがあると励みになります。


距離の縮め方って難しいですよね。エンジェルがピュアな小学生でよかったですね。

司ちゃんは司ちゃんで色々葛藤がありますので、嫌いにならないでくださいね。

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