優勝とプレーオフ
「やったー!」
十月の上旬。僕たち北信越ロケッツは、東京アローズとの激しいデッドヒートとなったペナントレースで、念願の優勝を決めた。
ピッチャーは町田投手、バッターは新人だというのに茂木選手が中心となり、他のメンバーも非常に頑張ってくれたおかげで、最終的には二位のアローズに一・五ゲーム差をつけて、リーグ制覇を成し遂げたのだった。
やりましたよ、大野先生!
ただ、嬉しい反面、この結果はピンチを背負う状況を生みだす効果も持ち合わせているのだ。去年はうちがそうであったように、プレーオフの一回戦を勝ち上がってきたチームのほうが、勢いと、負けて元々といった楽な気持ちで挑めるので、戦いやすくて有利と言えるのである。
そのプレーオフの一回戦で、レギュラーシーズン二位のアローズが、三位だった大阪ベアーズを、十一対二と八対〇という、ともに大差の二連勝で退け、予想通りファイナルステージで僕らと対戦する相手となった。
我がチームには、リーグ優勝したことによって、一勝のアドバンテージが与えられている。なので、初戦をものにできれば、二勝〇敗とかなり優位に立てるうえに、向こうの勢いを止めて反対に波に乗れるゆえ、是が非でも取りたい。
うちの先発ピッチャーは、今年最多勝のタイトルを獲得し、もう誰もがエースと認める、町田投手だ。一方アローズは、一回戦で百球近く投げて、僕らとの試合は間隔を置かずすぐに始まるため、エースの鷲本投手を送り込めない。彼の登板は、早くても三戦目になるはずだ。
というわけで、第一戦で勝利をつかめる確率は高いが、もし落とすようなことになれば、追い込まれたというくらいに一気に雰囲気は変わってしまうだろう。
「うーん……」
どういう戦い方をするのが良いか、オーソドックスにいくか、それとも奇襲的な手を打つか、僕は頭を悩ませた。
そして、ファイナルステージ初戦の日を迎えたのだった。




