就任三年目の開幕
GMの僕にとって成績が結果として表れる三年目である、今年のロケッツの前評判は高く、評論家による順位予想で、下位三チームのBクラスに入れる人は皆無だったのではないかというくらい目にしなかった。
ファンの方々からのリーグ優勝や日本一を実現してくれるんじゃないかとのたくさんの声もこちらの耳に届いてきたし、その期待通りに、開幕から他のチームとの対戦が一回りする十五試合を終了した時点で、十一勝四敗というスタートダッシュに成功し、目下のところ首位である。
中原、最上、ウォッシュバーン投手といった面々に、町田投手を今シーズンから先発で起用することが決まって、ローテーションに四人も安定した投球ができるピッチャーがいるのが大きく、町田選手が抜けた中継ぎには入団四年目の関根投手が穴を埋めてくれそうな良いピッチングをしている。
野手陣は、長谷さんを一軍の打撃コーチに戻し、山口さんとの二人体制のもと、オープン戦で結果を残した馬場選手が六番に打順が上がって、ペナントレースに突入した後も好調を維持して早くも三本のホームランを放ち、新人キャッチャーの茂木選手も、控えで出番は限られながら、守備も打つほうももう他の一軍のプレイヤーたちと遜色ない働きを見せている。
しかし、優勝への視界は良好かというと、そうではないのだ。
というのは、現在二位につけている、東京アローズの存在だ。評論家の予想で、ロケッツの順位はみんな良かったと述べたが、実は優勝とした人も覚えがない。彼らが揃って一位に挙げたのがアローズなのだ。それは、元々のメンバーが強力なのに加え、フリーエージェントによる移籍で西園寺捕手までもがその一員となったからである。
「あー……」
本日のロケッツ対アローズの一戦で、たった今、四番の西園寺選手が二打席連続となるホームランを右中間スタンドの深い位置に叩き込んだ。
FAのなかでも、ものすごく注目されて別のチームに移り、最初からここまで活躍するケースは珍しい。気迫が伝わってくるし、それで空回りしないのは、さすが超一流ゆえだろう。
茂木選手も思っていた以上に素晴らしい選手だったし、僕は後悔はしていない、していないけれども、こんな話を耳にしたのだから、「失敗したかな」との考えも頭をちらついた。
西園寺選手は、やはり生まれ育った土地の球団ということで、ロケッツが獲得に動いていれば選んでいた可能性は非常に高く、なのに手を挙げてくれなかった悔しさで、うちとの対戦では「必ず勝つ」と並々ならぬ闘志を燃やしている——。




