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僕はゼネラルマネージャーになって、プロ野球の世界で夢を叶える  作者: 柿井優嬉


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日本シリーズと驚きのニュース

 日本シリーズの相手は、神戸スピアーズという球団だ。

 このチームは、現在の日本のプロ野球界で敵なしというくらいの強さを誇り、一昨年と去年の二年連続で日本一になっているのである。

 そして始まった対戦は、我らがロケッツが、プレーオフをリーグ三位からの下剋上で勝ち上がった勢いや、短期決戦用に揃えたと言えるメンタルコーチたちのサポートなどをもってしても、一つの白星を手に入れるのがやっとで、一勝四敗とほぼワンサイドでスピアーズに日本一三連覇を献上する結果に終わったのだった。

「ごめんねー」

 肩を落とした大野監督からそう言われたが、もちろん責める気持ちなど微塵もない。

「謝る必要なんてありませんよ。本当に今年はお疲れさまでした。日本一は来年の楽しみに取っておいたと思いましょう」

 さすがに今回に関しては、僕も大野監督も進退が問題になることはまったくなかった。

 とはいえ、日本一を目指していた以上は満足となるわけにはいかず、藤野オーナーと会った際は頭を下げた。

「すみませんでした」

「いや、よくやった。ただなー、神戸に負けるのだけはよ。来年こそはやっつけてくれよな」

 スピアーズの親会社もIT企業で、ピエロとライバル関係にあるのだ。

「はい。スピアーズは非常に強いですが、どうにか勝てるように努めます」


 それから、驚きのこんな情報が耳に入ってきた。東城さんがドルフィンズのゼネラルマネージャーを辞任したというのである。

 いったいどうして? 最下位からリーグ優勝なんてすごいことをやってのけたし、それができたのはあの人なしではあり得なかったと言っていいくらいだというのに。

 本人と顔を合わせる機会があって、僕は単刀直入に尋ねた。

「だって、うちがプレーオフで負けたのは、僕が、町田くんをきみたちのところにやって、馬場くんをトレードで獲得できなかったのが原因だからさ」

 相変わらず余裕を感じさせる笑みを浮かべた表情で、東城さんは答えた。

「いや、でも、それは……」

「なーんて。ほんとは自分から辞めたんだよ。まあ、今言ったようなことをオーナーから軽く口にされてムカッときたのもあるけれど、それよりも、僕がもっとなりたい気持ちがあるのがメジャーリーグのGMだからなんだ。そのための実績作りとしては、今シーズンの結果だけで十分でしょ。で、さっそくメジャーの各球団に売り込んだら、当然まだ下の役職だけれど、興味を持って、受け入れてもらえた、ってわけ」

「へー……そうですか」

 日本のプロ野球のゼネラルマネージャーになれただけでも相当なことなのに、それを捨ててメジャーリーグでの就任まで目指すとは、すごい行動力だな、この人。

「あと何年かしたら、向こうで優秀なGMになってると思うから、楽しみにしててよ」

「あ、はい」

 本当になっていそうな気がする。

「そんで、きみは、僕がいないんだから、チームを日本一にしろよ。それも来年にだぞ」

「はあ、頑張ります」

「んじゃ」

 そうして、彼は陽気な態度のまま、手を振って去っていった。

 また、仁科監督もわずか一年での退任となったのだ。それは、元々もう高齢ということもあって監督を受ける気持ちはなかったのを、東城さんに泣きつかれてしまい、短期間ならとの約束で仕方なしに受諾したらしく、その彼が辞めるからという理由みたいだ。

 ほんと東城GMはやりたい放題だったな。でも、いなくなると思うとちょっぴり寂しいし、ロケッツとしては強敵が去ってラッキーだ。

 よし、オーナーにも東城さんにも言われたし、来年こそは日本一を成し遂げてみせるぞ!



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