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僕はゼネラルマネージャーになって、プロ野球の世界で夢を叶える  作者: 柿井優嬉


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ヘッドコーチ 高岡翔真の話

 メンタルコーチを用意したのは、ペナントレースよりも勢いといった精神面の影響が大きいプレーオフや日本シリーズで勝てるようにという意味合いが大きいのだと、ずっと以前に桜井GMから聞いていた。

「もちろんそんなにうまく運ぶわけがないことは承知しておりますが」

 そう付け加えて。

 確かに、メンタルコーチがいるから力を発揮して勝利できるなんて単純なものではないし、ちょっとでも相手より優勢な状態になれるかすら定かではない。

 しかし、考えが甘いよりもむしろ、まともに戦うだけでは厳しい現状のロケッツの力量や、実力通りにはいかない短期決戦の難しさをしっかり認識しているからこその行いであって、常にチームのために一生懸命働いてくれているし、大野さんを監督に選んだことをはじめとして、発想が面白いなとよく思う。

 ただ、少し真面目すぎるかなと心配になる。

 去年といい今年といい、トレードの件を重く受けとめているようだけれども、例えば昨年でいえば、獲得できたのにしなかった牛込くんがその後に大活躍したにしても、じゃあロケッツに来ていれば同じくらい打てたかというとそれはわからないのだし、森崎はレギュラーを失わずに試合に出続けたことで今のレベルまで達したはずであり、何より交換要員だった最上が抜けていたら痛手だったのは間違いなく、良かったか悪かったか正確に判断できるものではない。

 それに、トレード一つですべてが決まるわけもなく、選手もコーチもみんなそんなに気にしていないのに、自分がやったことに対して過剰に責任を背負い込むきらいがある。

 さすがはあの人格者の桜井弘満さんのご子息だと感じるが、健康にも良くないだろうから、はっきり「深刻に考えるのはやめにしましょう」と言っておかなければな。

 それから、肝心のプレーオフはというと、全三試合で二勝したほうが勝ち上がる東京アローズとの一回戦の、初戦は、一対三で五イニングまでが終了し、六回もワンアウトから二塁にランナーを許すピンチになったところで、本来はリードしている場面で任せる町田をマウンドへ送ると、後続のバッター二人と七回に迎えた三人の、打者計五人を完全に封じる圧巻の投球でこちらに流れを引き寄せて、八回にうちの打線がつながり、四対三で逆転勝ちを収めた。

 勢いに乗った翌日の第二戦は、二対一とずっとリードする展開で七回が終わるまで進行し、またしても終盤の大事な八イニング目に、七番の馬場が特大のスリーランホームランをかっ飛ばして三点を取り、勝負あり。二連勝で、次に待つ北九州ドルフィンズとの日本シリーズ行きを決める戦いへとコマを進めたのだった。

 町田も馬場も、シーズン中を含めて活躍できたのは、桜井ゼネラルマネージャーのおかげと言っても決して大げさではない。

 どうか自信を持って、これからもお願いします。頼りにしていますよ、GM。


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