閑話 貞操逆転学園2
クラスで集まって、みんなが近くの人と話しているときに担任の先生がやってきた。
「皆さんこんにちは!これから担任を務める泉翔子です!」
彼女は身長が小さくて教卓より少し大きいくらいだった。
「みんな仲良くっ充実した毎日を過ごせるように私、泉頑張ります」
彼女はかわいらしく小さなこぶしを突き上げた。
「おー!」「おー!」「おー」
俺は榊原怜と一緒に声を出した。
「これからみんなに自己紹介をしてもらって、クラスの仲を深めたいと思います!」
自己紹介という言葉で、少し、みんなに緊張感が走る。
「では!出席番号順にお願いします!」
少し時間が経った後に自己紹介が始まった。
「藍野之愛です!よろしくお願いします。趣味はテニスとピアノです。以上です」
「浅井美亜です!趣味は読書とイラストを描くことです!よろしくお願いします」
自己紹介が続いていき、神崎瑠璃の番になった。
「私は神崎瑠璃です。まだ互いのことを何も知らないので、もっと皆さんのことを知りたいと思ってます。よろしくお願いします」
神崎さんの言う通り、互いのことをもっとたくさん知って理解しあうべきだ。
そのあと、榊原怜の番になった。クラスで数少ない男子なので、視線が集まる。
「榊原怜です…特に言うことはないです。よろしくお願いします」
怜の自己紹介のあとは特に拍手の音が大きかった。
今度は俺の番だ。
「松本幸四郎です。みんなと仲良くなりたいと思っています。よろしくお願いします」
言い終えた瞬間、クラスの視線が一斉にこちらに集まった。
(うわ見られてる……)
男子がほとんどいないこのクラスでは、自己紹介をするだけで注目の的になる。
「よろしくねー!」「幸四郎くんって言うんだ〜」「声かわいい……」「怜くんと同じで男子なんだよね……!」
ざわざわと、女子たちの小さな声が広がる。
怜のときと同じように、いや、それ以上に拍手が大きかった。
(こんなに注目されるの、慣れないな……)
前の世界では、自己紹介なんて誰も気にしなかったのに。
泉先生がぱんっと手を叩いた。
「はい、ありがとう幸四郎くん!みんな、これからよろしくね!」
先生は小柄な体で元気いっぱいに笑っている。
その笑顔につられて、クラスの空気も少し柔らかくなった。
「では次の人〜!」
自己紹介は続いていくが、女子たちの視線がときどきこちらに向く。
(…やっぱり、この世界は前の世界とは違う)
怜が小声で話しかけてきた。
「幸四郎、緊張してた?」
「まあ…ちょっとね」
「だよな。僕もだよ……男子、少ないし」
怜は苦笑いしながら前を向いた。
(でも……悪くないかもしれない)
新しいクラス、新しい環境。
そして、前の世界では味わえなかった“注目される”という感覚。
胸の奥が、少しだけ高鳴った。




