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男女比偏極社会  作者: 綾汰


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18話 揺れる心

アパートに着いて、エレベーターで上がった。

毎度のことのように小百合さんが小塀によりかかって夜の街を見つめていた。


「小百合さん、こんばんは」


「こ、こんばんは」


小百合さんはこちらを向いて固まっている。

話しかけられるとは思っていなかったようだ。


「今夜、配信するらしいですね」


「そうです…見てくれるんですか?」


「はい」


「それはうれしいです!」


小百合さんは笑顔になってうれしそうな表情をする。


「質問があるんですが、男の人で配信する人はいるんですか?」


「まさか! いるわけないですよ〜」


「そうなんですね」


この世界では男性配信者は本当にいないようだ。


「霧崎さん、もしかして興味あるんですか?」


「はい…小百合さんの動画を見ていると自然と…」


「そうなんですね…私の動画がきっかけ…」


「はい…」


小百合さんは口角が上がって、喜びを隠しきれない様子だ。


「じゃあ、今日の配信絶対見てくださいね!」


「はい。楽しみにしてますね…あと、これから配信のことで相談したいので連絡先交換しませんか?」


「いいんですか!? お願いします!」


「はい」


小百合さんと連絡先を交換した。

スカスカだったプライベート用の連絡先が埋まっていくのが嬉しかった。


小百合さんと別れて部屋に入った。

配信まで少し時間があるのでメッセージを返すことにした。


「春樹さん今日はありがとうございました!」


「こちらこそどうもありがとう」


「ぬいぐるみとてもかわいいです!」


橋本さんからぬいぐるみの写真が送られてくる。

橋本さんのシンプルで清潔感のある部屋に、一つの“かわいい”が存在していた。


「とてもかわいらしいですね」


「はい!」


野々花さんからもメッセージが来ていた。


「霧崎さん、また遊びに行きましょうね!」


野々花さんとのデートはとても充実していた。

それを思い出すと、また彼女に会いたくなる。


「はい。もちろんです」


メッセージを終えて、小百合さんの配信を見に行った。

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