85「やるようになったねあの子。」
夜一人で出歩くことをサフィアに禁じられてから4日。
「今日はここまでにしましょ。こんなに順調に進むなんて珍しいわ。これなら予定通り王都に向かえるわね。」
アデナでの滞在予定は一週間。何事もなければ明後日には王都に向けて発つことになる。
この4日の間ノイレンは体と心が疼いていた。どう言葉巧みに誘ってもサフィアは「うん」と言わない。だからダンスはもちろん酒場のあの雰囲気すら味わうことができずにいた。王都に行く前にできればもう一度あの酒場で踊りたいという欲求が止まない。
順調に仕事が進んで気分の良いサフィアは椅子の背にもたれたまま腕を上げて伸びをしている。もう二人の視界を遮る書類の山はない。わずかに残っているだけだ。だからジトっと見つめるノイレンの視線がもろに襲ってきていた。
「そんな目で見てもダメよ。酒場に行く時間があるならスワンバンの練習でもしなさい。」
サフィアはノイレンと目を合わせることもしないであしらった。
「サフィアって実は飲めないんでしょ。だから嫌なんだ。なんだかんだと理由つけて拒否してるもんな。」
ノイレンが半目のまま口を尖らせると、サフィアは顎の下で指を組み、テーブルに肘をついてノイレンに微笑みかけた。
「残念、私ワインなら好きよ。ただ無駄遣いしたくないだけ。」
それを聞いたノイレンはニカっと笑顔になった。
「じゃあわたしが奢ってやるよ。ダンスすればチップ稼げるからそれで好きなだけ飲んでいいよ。」
こう言われるとサフィアとしては反論しづらい。その場で稼いだあぶく銭、しかもノイレンの金だ。それならその場で使い切ったところでサフィアの懐は痛まない。半目でふうとため息をつき、渋々了承した。
「もうしかたないわね。じゃあ今夜は付き合ってあげる。ただし、お店は私が選ぶわ。」
「えー、こないだの店じゃダメ?」
「どうせなら行きたいお店があるの。敵情視察も兼ねてね。」
「敵って誰?」
サフィアはテーブルの上に身を乗り出してぬぅっと顔を近づけると話し始めた。
「この街にはうちが支部を開くずっと前からドゥーク商会て厄介なライバルがあるのよ。地元のお貴族様を後ろ盾に付けてるから手強いのなんのって。父がここに支部を出すときはそれは大変だったって話よ。」
「へえ、商会てあちこちにあるんだな。」
「当たり前よ。どこにだって商人はいるもの。商人がいれば自然と商会も出来上がるわ。」
ノイレンはアニンの実家が大きな商家だと聞いたのを思い出した。
「3年くらい前にそのドゥーク商会が酒場を作ったの。行ったことないからどんな感じか知らないけど、上手くいけば酒場経営のノウハウが知れるわよ。なんて言ったっけ、あなたが働いてる店、そこの経営に活かせるかもしれないわ。」
転んでもただでは起きないしたたかさは父親譲りか。ノイレンがその場で稼いだ金で飲み食いしながら敵の情報を手に入れ、自らの血肉にしようとはちゃっかりしている。
「でもそこじゃダンスさせてもらえるかわかんないじゃん。」
ノイレンが指摘するとサフィアはニヤリと口角を上げて挑発してきた。
「あら、どんな相手でもそれを交渉するのが”デキる”商人てものよ。まさかノイレンはできないっていうのかしら?」
「わたしは商人じゃない。」
ノイレンはぷうと頬をリスのように膨らませた。
「私の相棒でしょ? なら少なくとも半分は商人よ。」
ノイレンの頬がさらに膨らんだ。他の人なら「それは詭弁だ」と反論するところだが、あいにくノイレンの語彙力にはそれが含まれていない。上手い言葉が見つからないから言い返せない。
「またすぐそうやってフグになるんだから。その子供っぽい癖直しなさいな。」
かくして二人はノイレンの馬さんに乗って出かけた。目当ての酒場はドゥーク商会の目と鼻の先にある。カーツォ商会支部からだと歩いて2時間程だろうか。
「ここよ。ドゥーク商会の酒場、その名もカディンズタバン。」
店構えはちょっと高そうだなと感じさせる、大衆酒場とは一線を画した造り。カバレやこないだの酒場にやってくる人たちなら店構えだけ見て入るのをやめてしまいそうだ。
「カディンズタバン? なんか聞いたことあるような名前だな。」
店名のその響きにノイレンは記憶の底をくすぐられた。店の前に馬をつなぐと二人は中へ入っていった。
ノイレンは中に入るやぐるっと店内を見渡した。この店も盛況でほぼ満席。ぱっと見では大半が金持ちや身分の高そうな人たち、もしくはハイソを気取っている奴が占めている。だが残りは店構えに似つかわしくない、ノイレンがよく知っている雰囲気の連中が席を埋めていた。
「なんだああいう連中もいるんじゃん。これならいけるかも。」
ノイレンは心が軽くなった。そして肝心のステージがあるかどうかさらに見回した。
「あった!」
店の一角に一段高くなったステージがある。しかも今まで見たことのない豪華な造形のステージ。緞帳まである。まるでどこかの劇場のような雰囲気だ。
「よかったじゃない。これならダンスできるでしょ。」
サフィアはなぜかドヤ顔でノイレンに笑いかけた。
「ああ、店主に訊いてみるよ。」
そうしてまた店内を見渡して店主らしき人物を探すととんでもないものを見つけてしまった。
「げっ、アニン!」
「おばさん? ノイレンの親戚? どこ?」
サフィアはノイレンの視線の先を探した。
「違う、親戚とかじゃない。あれ、あの絵。」
ノイレンは店のカウンターのうしろの壁の中央に飾られている一枚の大きな絵を指さした。金で装飾された豪華な額縁に納められている女性のバストアップの肖像画。綺麗な金髪で、真ん中で分けた前髪に特徴的な4本の三つ編み。2つは耳のうしろから胸元へ垂らし、残りの2本はうしろ髪を大きく2つに分けたもの。そしてその瞳の色と同じ紫のビキニアーマーを装着した女性騎士が凛々しい表情でこちらを見ている。アデナ騎士団指南役カディンの肖像画。
「カディンズタバンて・・・」
ノイレンは足早にカウンターへ向かった。そして中にいるカバレのチーフみたいにぱりっとした服装のおっさんに声をかけた。
「いらっしゃい。お嬢さん初めて見る顔ですね。」
「うん。とりあえずビールもらえるかな。あっちにはワインを。」
ベストのポケットから銀貨を取り出してカウンターに置いた。おっさんはこなれた手つきでビールを注ぐとジョッキをスっと差し出した。
「ありがとう。わたしはノイレン。ところであんたが店主かい?」
「はい、店主のバオナーです。なにか?」
「訊きたいことが3つある。」
「何ですか?」
そこにサフィアも追いついてきてワインの注がれたジョッキを手にした。二人はジョッキをコツンとぶつけた。
「まず、あそこのステージでダンスしたいんだけどいいかな?」
ノイレンはビールを一口含んでから話し始めた。
「あなたが? 見たところ剣士のようですが。」
「ダンサーでもあるんだ。」
店主はノイレンの姿を上から下までじろりと見た。
「なるほど、それで2つ目はなんですか?」
踊っていいかどうかは答えず残りの質問を訊いてきた。ノイレンはバオナーの表情から、回答を得るのを焦ってはならないと判断した。
「2つ目はダンスのあとお客さんたちにあいさつ回りしたいんだけど、いいかな?」
バオナーの視線が一瞬鋭くなった。ノイレンが小遣い稼ぎしようとしているのを見抜いたらしい。
「それで最後の質問は?」
バオナーはノイレンの目をじっと見ている。
「3つ目はあれだ。」
ノイレンはバオナーのうしろに飾ってあるカディンの肖像画を指さした。
「あれはアニ、いやカディンだろ。なんで彼女の絵が飾ってあんだ?」
ノイレンがカディンの名を口にした途端バオナーの目の奥が光った。カウンターの隅にいる、腰に剣を提げているゴツい体つきの青年に顎で指示した。その青年は静かに近づいてきた。ノイレンはその青年をちらと横目で見てすぐにバオナーに視線を戻した。
「わたしは楽しくダンスして、うまい酒と食い物を楽しみたいだけだ。」
青年がノイレンの隣まで来た。彼は右手を開いていつでも柄を握れるように備えている。ノイレンはそれを察しつつ目はバオナーに向けたまま彼の返事を待った。
「ダンスして稼ぎたいだけの奴がなぜ”お嬢様”のことを訊く? いや、どうしてお嬢様を知っている?」
バオナーの口調が変わった。
「4年前騎士団で一度だけカディンと手合わせしたことがある。」
バオナーの眉がぴくりと動いた。それに合わせて青年が横から口をはさんできた。
「おい、そのあたりでやめろ。今すぐ出ていかないと叩き出すぞ。」
ノイレンは少しだけ顔を動かして青年を一瞥した。
「叩き出せるもんならやってみろよ。」
青年はあからさまに怒りをその目に浮かべたが、一息おいて静かに続けた。
「女だと思っておとなしく言ってやっているんだ。怪我しないうちにさっさと出ていけ。」
「へっ、怪我をするのはそっちだぜ。あんたカディンに比べたら大したことないだろ。」
「なっ、こいつ、ふざけんじゃねえぞ。」
青年は怒りを隠すのをやめた。開いていた右手を伸ばしノイレンの胸ぐらを掴もうとしたところをバオナーに止められた。
「やめろ。他のお客様の迷惑になる。それにお前が敵う相手じゃない。」
「バオナー!」
青年は店主にまで格下扱いされてさらに怒った。その彼にバオナーは鋭い視線を向けた。青年はとても不服そうだが、バオナーに睨まれておとなしくなった。
バオナーはノイレンと目を合わせた。
「お嬢様と手合わせしたってのは本当のようだな。でなけりゃこいつの腕前がわかるわけがない。」
「ああカディンは強かったよ。ぜんぜん敵わなかった。でもこの兄ちゃんからは彼女のような気迫が感じられない。」
バオナーの表情が柔らかくなった。
「あなたのような美しい剣士とお嬢様の話ができるとは思いもしなかったよ。今夜はいい夜になりそうだ。」
青年はその会話を耳に挟みながら自分の定位置へすごすごと戻っていった。それを見届けるとそれまで黙っていたサフィアが口をはさんできた。
「その絵のお嬢様って大胆不敵で素敵。いくら絵だからって紫のアーマーなんて恐れ多いものよく平気ね。私も見習いたいわ。」
「あなたは?」
バオナーに訊かれてサフィアは言葉に詰まった。まさかカーツォ商会の者だとは口が裂けても言えない。
「え、あ、私は、そう! ノイレンのお目付け役よ。お目付け役。」
ノイレンがサフィアをジトっと睨んだ。サフィアはしどろもどろになりながらノイレンにウィンクして話を合わせろと目で言った。
「そうそう、彼女、サフィアってんだけど、わたしがダンスしたときのチップの回収とか任せてんだ。」
ノイレンも下手なウソを冷や汗交じりに口走った。バオナーは二人の顔を交互に何度も見ている。訝しんでいるようだ。
「ウソじゃないぜ。サフィアはこう見えてもソロバンが使えるんだ。チップをいくら稼いだかちゃんと計算してまとめてくれてるんだ。」
バオナーは半分呆れたように二人を見て小さくうなずいた。
「ま、いいでしょう。そういうことにしておきましょうか。せっかくお嬢様の話ができそうなんですからね。」
バオナーが折れたのを知るやサフィアは臆することもなく口を開いた。
「で、そのお嬢様ってどうしたの? なにかあまりいい感じの話じゃないみたい。」
バオナーは一瞬躊躇いを見せたあと話し始めた。
「詳しいことは省きますが、3年ほど前にお亡くなりになりました。別の街に出かけているときに流行り病で。この店とあの絵はお嬢様のお父上が亡き娘を偲んで作らせたんです。」
事の次第のすべてを知っているノイレンは気の毒ながらも後ろめたさを感じながら聞いていた。
「そうだ、ノイレンさん。お嬢様の供養のためにも一つ踊ってやってください。剣舞もできるでしょう?」
「まかせてくれ。」
ぽんと左手で腰のネオソードを叩いた。
バオナーはにこやかに微笑んだ。
緞帳のある立派なステージ。演奏係がリュートを奏でる。ノイレンはステージの端から曲に合わせて現れた。
紡ぎ出される音楽は初めはゆっくりと、これから物語が始まる予感を孕ませたリズム。次第に盛り上がり荒々しくなっていく旋律。
ノイレンはそれに合わせて剣を抜き踊った。心の中でノイレンはアニンではなく騎士団指南役だった頃のカディンとユニゾンしている。隣で肖像画と同じ紫のビキニアーマーに身を包んだカディンが踊っている姿を想像してノイレンは舞った。手首をひねりネオソードの刃が鋭く空を斬る。ランプの光に鈍色の輝きが照らされる。ノイレンの長いポニーテールが一歩遅れて付き従う。まるで生きているようだ。カディン(アニン)のうしろ髪の三つ編みはウエストまである。もしも彼女が踊ったら、その三つ編みはノイレンのポニーテールと同じで生きているように動きに華を添えただろう。
「まるでお嬢様が隣にいるようだ。」
カウンターでワインを片手にダンスを見ていたサフィアの耳にバオナーの小さなつぶやきが届いた。
「お嬢様もあんな感じだったの?」
「お嬢様はダンスはおやりになりませんでしたが、剣技は見事でした。あのお嬢さんの剣の振りの鋭さや舞うような動き、それにあのポニーテール。まるでお嬢様を見ているようです。お嬢様の三つ編みも剣を振るうと生きてるみたいに踊ってました。」
「へえ、そうなんだ。」
サフィアはワインを一口含んで微笑んだ。
「ところでバオナーさん。聞きたいことがあるんだけど。」
「ダンスが終わるまで待ってくれませんか。」
「もちろん。」
リュートが奏でる響きが最高潮に達する。カディンの幻影とユニゾンするノイレンはそれに合わせて動きをずらしていきカディンと相対すると激しく斬り合った。斬り結び、互いにその目を睨みつけて心も闘わせる。そして終局、ノイレンとカディンの幻影は再び動きを合わせてダンスを締め括った。
下々の客たちはやんややんやと囃し立てる。ハイソを気取る客たちは満足そうに笑っている。実際ハイソな客たちは普段見ない大衆文化にご満悦。
ノイレンは剣を鞘に納めるとカーテシーで挨拶をしステージを降りた。
その後珍しく挨拶回りをせずにバオナーの元へまっすぐにやってきた。するとそれと入れ替わりにサフィアがバオナーから借りた深めの皿を持って笑顔で投げ銭を要求して歩いた。
「素晴らしかったです。お嬢さんの隣に本当にカディンお嬢様がいるようでした。」
バオナーは目頭が熱くなってきた。
「ありがとう。実はわたしもおば、カディンと一緒に踊ってるつもりでやってたんだ。何度やってもあの人は手強いや。」
少し照れながら話すノイレンの前にビールがなみなみと注がれたジョッキがスっと差し出された。
「これは店からです。いいものを見せてもらったお礼です。このことは明日会長にお伝えします。きっと見られなかったことを残念がるでしょう。」
「アハハ・・・」
そこへ重くなった皿を抱えてサフィアが戻ってきた。思いがけずたんまり稼げてこちらもご満悦だ。
それから五日後。シェヒルにあるシャルキーズカバレ。
トレランスが死んでからは意気消沈したまま塞ぎ込むように暗〜くなっているアニンが久しぶりに明るい笑顔を見せていた。
「なんだいあたしに見せたいものって。」
シャルキーがアニンに呼ばれ彼女のそばへやってきた。
「これよ。」
アニンは一枚の使い古した紙を取り出して見せた。
「なんだいこれ? 何かの出納みたいだけど。」
「そっちじゃないわ裏を見て。」
「ん! この汚い字は、」
「そう、ノイレンよ。あの子が私に手紙をくれたのよ。」
カディンズタバンで楽しい夜を過ごした翌日ノイレンは手紙を書いていた。サフィアに手紙を書きたいと言ったら、廃棄処分になる紙を一枚分けてくれた。しかもカーツォ商会が卸している食品の価格が書かれているものをわざわざ選んで渡してくれた。
「シャルキーって人がそれを見て気に入ってくれるかもしれないじゃない。」ときたもんだ。ちゃっかりしている。
「で、何で書いてあるんだい。読んどくれ、ほれ。」
「もう、そんな急かさないでいただけます? 手紙は無くなったりしませんわ。」
カバレで扱っている品目しか読めないシャルキーは手紙を覗き込むようにして急かした。
「アニン元気? みんなに伝えてほしくて手紙を書いた。」
アニンは冒頭から読み始めた。
「そんな前置きはいいから、なんて言ってるんだいあの子。」
早く内容を知りたいシャルキーはなおも急かしてくる。
「仕方ありませんわね。かいつまんで読みますわ。」
珍しく密着するほど体を寄せてくるシャルキーにちょいと嫌気のさしたアニンは呆れながらノイレンの手紙の内容を伝えた。
「カーツォ商会のサフィアと一緒にアデナにいて、ノイレンたらアデナにある2軒の酒場でダンスしてお小遣い稼いだんですって。」
「ほお、やるようになったねあの子。」
シャルキーは満足そうに微笑んで聞いている。
「それとこれは私のことですけど、父はあのあとも、後ろ盾の公爵の伯父様とは上手くやっていて、商会も無事なんですって。父の借金は追手だった子爵が私を殺めた罰として肩代わりさせられて没落してしまったそうよ。ただもう1人のほうはどうなったか分からないって書いてあるわ。」
アニンは心の中に重石となっていたものが全て流れていったように感じた。ノイレンの手紙を見つめる目が安らぎに満ちた色を放っている。
「良かったじゃないか。あんたの家族も無事に暮らしてんだ。何よりだね。アレも草葉の陰で喜んでいるだろうよ。」
アニンの目に潤いが溢れてきた。右手の薬指で雫を一粒拭ってから続きを読んだ。
「あはは、そうかいそうかい。ノイレン頑張ってるんだね。」
「ええ、本当に。」
気づくと寡黙に働くチーフが人知れず聞き耳を立てていた。
「他にはなんて書いてあるんだい?」
「シャルキーに教わったダンスがとても役に立って、サフィアの仕事の手助けになってるって。」
「そ、そうなのかい。へえ、ダンスが商会の仕事の手助けね。」
シャルキーは面はゆい笑顔でニコニコした。
「これから王都に向かいますって。向こうに着いたらまた手紙を書くって締めくくってあるわ。」
「王都に行くのかい。そりゃ大変だね。」
「王都はとてもいい街ですわ。伝統がありながらも新しいものもふんだんにあるの。」
「行ったことあるのかい?」
「ええ、騎士団にいた頃一度だけ団長のお供でいきました。」
「ノイレンが王都にねえ。」
行ったことのないシャルキーは想像しかできないが、とても誇らしい気分だった。
次回予告
身に付けたダンスと剣で自らの人生を切り拓いていくノイレン。アデナを発ち王都へやって来たノイレンはその新鮮さに人目もはばからずはしゃぐ。しかしそれも束の間、カーツォ商会王都支部へ着くときな臭いことになっていた。支部長から事の次第を聞いたノイレンは事件解決のため動き出す。
君は彼女の生き様を見届けられるか。
次回第八十六話「どゆこと?」




