第92章
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テンプルの口から宇宙帝王アジャランの話が出たときから会場のざわめきが一瞬にして消えてしまった……何しろ先程まで宇宙空間では無敵の存在であると呼び声の高かった穏健派の女帝ジェルソミーナでさえも歯が立たない存在であり、恐れていたのであったーーーー
白魔術師テンプル「帝王アジャランが放った惑星衝突により発生させた隕石群の飛来をこのまま見過ごすわけには参りません。しかし私の白魔術レベルでは隕石のこの星への衝突を回避させる事など到底出来やしないのです。何かしらの手段を迅速に取り組む必要が有ります……」
パイソン閣下「頼みの綱の女帝ジェルソミーナにも天敵がおったとはこりゃどうしたものか……しかし何故に帝王アジャランがこの星に隕石群を向けて放ったのだろうか?」
兄シュハスコ「先程ポリスからこの情報を受け取った時に聞いたのですが、アジャランはこのところ急速に星々の一掃と領地拡大を企てており、かつてない支配力を誇示するためだけに、まるでゲームのように興じているのだ、と。年齢もかなり重ねているので自分の体力が弱ると自分の力をいろんな形で試そうとするようですね。その焦りもあって大分ご乱心なのでしょう。」
弟ピリーニャ「でも兄ちゃん、ポリスはこうも言ってたらしいよ。そんなアジャランでもこの世で唯一頭のあがらない存在が居るって。それは
アジャランの奥さん何だってさ!パイソン閣下ぁ〜っ、ちょっと奥さんを口説いてみてよ。」
パイソン閣下「そ、そんな事しおったら火に油を注ぐようなものじゃないかッ!しかも何故ワシがそんな危ない橋を渡らねばならぬ。」
弟ピリーニャ「んとね、さっきAI管制室で調べてもらったんだけどね、どうやらその奥さんってパイソン閣下の同級生だったらしいよ。」
パイソン閣下「なんじゃと?ならば、その奥さんとやらの画像はないかね?」
すると待ってましたとばかりに準備のよいピリーニャが奥さんの学生当時の卒業アルバムのコピー画像をパイソンに見せるのでしたーーー
パイソン閣下「ん?この子って……嗚呼、しかし何故……」
そう言ったきり黙り込んで記憶を辿っているかのようなパイソン閣下。ふと立ち上がるやサミット会場から出ていってしまった。
カエラ女王「ピリーニャ、どれどれ私にも見せて……あ、この娘なら私も見たことがあるような……あら、よく見ると当時の宇宙アイドル三人娘の一人じゃなくって?だけどその三人娘つて、一曲売れただけでその後噂も聞かなくなっちゃったのよね。アジャランと知り合ったからかしら?パイソン閣下も私と年が近いからご存知な筈よね。」
すると会場にホテルのコンシェルジュが駆け寄ると国賓達に向かって話し始めるのでしたーーーー
コンシェルジュ「只今我がジャミラ王国より避難勧告命令が発動されました。それによりますと最初の隕石飛来予定が4日後の14:08、隕石の大きさはおよそ15mと見られています。落下予測地点はルクス王国南西沖120kmとあり、最高位30m級の津波の発生も必至との事です!2発目の隕石はその4時間後、それから僅か数分後から一気に隕石の数が増加します。
そこで今回の当ホテルに於いてのサミットにつきましては此れをもってお開きとさせて頂き、それぞれの自国へと帰還頂く次第となります。
長きに渡り当ホテルをご愛顧頂き感謝してもしきれないほどのお付き合いをさせて頂き、誠に光栄で御座います。こんな形で当ホテルの存在もこの星と時を同じくして消える運命となりましたが、貴方がたとの想い出は何時までも消えることはないと信じております。それでは今後どちらのパラレルワールドで再会することが出来ますように心よりお祈り申し上げます。さようなら……」
そう言い残すや、意を決したかのような横顔でそそくさと足早に退散するコンシェルジュ。きっと最期の想い出づくりの為に家族の元へと帰っていったのでしょう。
コンシェルジュの演説が終わりお開きとなったサミット会場では国賓がそれぞれ別れを惜しみながら語らい、そして淋しい背中を引きずりながら一人、また一人と会場を後にしてゆく。
カエラ女王のもとにホテルマンが近づくや一通のメッセージが手渡されると、彼女は息次ぐ間もなく直ぐに目を通す。
〜〜Dear愛しきカエラ女王へ〜〜〜
「これまで我々ゾンビマスター達の本拠地として長い期間手厚い歓迎を頂き誠に感謝してもしきれないほどの気持ちで御座います。
今回、この星への隕石群衝突が我々の新たなる目標として天から送られました。美しきこの星で大暴れした我々の最期の償いとして宇宙帝王アジャランに対峙するプランが立ち上がりましたので、どうかご期待下さい!それではいつの日か明るい笑顔で再会する時を楽しみに闘って参ります!goodbye!!」
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メッセージを読み終えるカエラ女王の頬には涙が伝う。震える彼女の声に同調したかのように悲しみを分かち合うルクス王国国王ケニッツェルとモモ王女。彼らがが皆にお別れを告げると、隕石飛来地点の不安であえぐ自国民の為にと一足先に帰路に向かうのであったーーー
///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜




