カラスバネ2
今回もシオ視点です。次回からケータに戻ります
後書きに軽くカラスバネキャラの設定を載せています
「あれは途中乱入した魔女も要因だったかな。とにかく魔法支援のせいで勢いが付いてしまって負けそうになったからね。あのままやってたら殺されてたかも・・・」
「私はあの猫の獣人のリアも厄介だと思う、動体視力と反射能力が並じゃなかった。私の炎の羽根を器用に短剣で切っていたし」
「そりゃあすごい」
「でもまだ幼かったですよね、それなのにシオと互角以上の戦いが出来るなんて本当に猫の獣人なんでしょうか」
「ソアの言う通りそこが気になるんだよね。戦ってて思ったのは戦闘に関する技術が浅いなって事かな。確かに私と互角に戦っていたけど対人戦闘の経験が少ないのか所々不自然な動きもあったし」
それでもあの時リアを倒せなかった事を考えると天才のそれなのか偶然なのか、気になる点は残ってしまう。獣人の身体能力を扱いきれていなかったり、戦いの最中に感じた違和感など、謎は多い
「そういえばグライはどうなの?黒コートの男に負けたみたいだけど」
「グライ負けるなんて情けなーい」
「「「ジトーッ・・・」」」
「そんなジト目で俺を見るなって!それに負けてないから!」
そこでリアとの戦いを中断する原因にもなったグライに話を振る。グライは黒コートの二種持ちと戦っていたと報告されているが仮にも隊長でもあるグライが一撃を貰った相手は気になる。アーマーを付けていたからグライは無傷だが獲物の槍が折られていた
「空間魔法も使えて二種の武器を使える珍しい奴だったからな、その上戦闘中に機転を利かせる頭もあるから侮れない男だよ」
「その割には議題で話を詰めないのはどうして?」
「それはさっきシオの言っていた戦闘経験の浅さを俺も感じていたからな。知恵や力があっても経験の厚さを感じない、いくらか修羅場を潜ったようだがそれだけだ。他にいた4人の護衛はどうだったんだ?」
銀狼という冒険者パーティーについて話を変え、グライはその時戦っていたセウに聞く。セウは資料に書かれた情報を基に自身の意見を述べる
「ぶっちゃけこの銀狼はそこそこ戦える冒険者って所だな、リーダーのアレックス以外なら俺達全員怠慢すれば勝てる。だが連携の練度は高いからそれをされると厄介なのは確かだ」
「そういった連中は一部を崩れさせると脆いのが特徴だからやりようはあるな」
「そうだな、スイの言う通りどこか崩せば脆くなる、アレックスも複数で対応すれば倒せる」
銀狼は相手をしても問題ないと結論付けて議題は進む。再び焦点の当てられる人物はケータである
「グライが二種持ちと報告してるけどこれは確かなのか?」
「確証もない完全な予想になるがいいか?」
グライは部隊の隊長で様々な戦いの経験もあってか頭が切れる。予想と言ってはいるがそれはグライの中では確信しているのだろう。それを私達全員が分かっているため予想でも構わないとグライの意見を促す
「正確な数は流石に分からないが二種以上の武器を使えるとは思う」
「はぁ?2種以上も適正持った人間なんて相当レアじゃないか」
「けど可能性はあるわね、過去にそういった人物がいなかった訳では無いから。それにもしも加護持ちなら・・・」
「サエ姉それって、万能の神の加護ってこと?」
グライの予想にセウが流石にそれは無いんじゃないのかと反応するが、サエ姉が万能の神の加護ならそれは可能と言う。万能の神は他の神より後に誕生したためか、それに纏わる神話はほとんどと言っていい程に無い。かくいう私も万能の神について知っていることは他の神々の補佐をし世界のバランスを保っているといった僅かな話だけだ。万能の神が加護を与えたなんて事例は聞いたことも無く能力も分からない
「安心しろシオ、加護についての情報ぐらいは俺が諜報部から貰ってきた」
「そのどや顔でこっち見るのやめてくれない?褒めて欲しいのか知らないけど大の大人がそんなこと子供に向けてやってもキモいだけだよ」
「辛口だなぁ、大人だってたまには褒められたいんだよ。それで加護の能力だが諜報部の情報では全ての武器に対する適性を持つそうだ」
「え、それだけ?もっとこう凄い能力とかないの?」
「今わかるだけの情報ではこれだけだ。ただこれ以外にも何かあるのは確かだろうよ」
それが分からなきゃ意味ないじゃん、と心の中でツッコミを入れるが顔に出さずにスルーする。諜報部からって聞いたのに案外情報を持っていないんだな、と思うのと、諜報部が情報を秘匿している可能性、も考えられるが、とりあえず今は保留でいいだろうか。念のため油断せずに単独で戦わない事に気を付ければ最悪の事態は免れるだろうか
そんなことを考えながらも次々と報告会が進んでいき商人の馬車襲撃に関しての情報共有や議論は終わり私達は本命の次の議題に進む
「では次の議題は、ラタル王国第一王子の暗殺について、内容などの確認をしたいと思います」
私が議題を口にした瞬間場の全員が真面目な顔をし空気が引き締まる感覚がした。構わず私は概要説明を始める
「まず作戦の決行日は一月後に開催される第一王子の誕生祭です。この日付近は王都の検問が比較的緩くなるのでそこを狙いラタル国民に扮して潜入します。その後は諜報部から送られた王城までの潜入ルートを確認し、一般客が泊まるような宿を取ります。その後は誕生祭での第一王子の演説がありますので、その時の人の流れに紛れて配置に着きましょう・・・。あとはーーー」
それから数時間にわたり会議は進み、全員の意見を聞きながら全員が納得するまで作戦が練られていった
王国でカラスバネによる騒動が起きるまでもうすぐであった
・紛い物
危険度の高い生物の臓器、体細胞を人の体に移植しその生物の能力を持った半獣人を指す
・各紛い物能力一覧
サエ:【毒梟】体内に毒を分泌する器官を持った8m程の巨体の鳥の危険生物。毒は自由に分泌できるため様々な毒を使い分けることが可能
シオ:【?】不明、炎の羽から炎に適性を持った鳥類であると推測される
スイ:【オオアルマアジロ】外皮がとても硬い事で知られる2~4m級の体躯をした危険生物。その外皮は魔法も物理での攻撃も通さない強度を誇る
セウ:【?】不明、魔力砲撃が可能な生物と推測される
ソア:【ハリネズミ】体毛をハリにするのが特徴、竜の鱗さえも貫くハリを発生させる3m程の大きさの危険生物。普段は大人しいが外敵と認識した相手には容赦なくハリで攻撃するなど獰猛になる




