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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
王国騒動編
85/91

カラスバネ1

更新お待たせいたしました

ここから新章です



 ラタル王都から少し離れた所、山にある廃屋の一室にて、ケータ達を襲った暗殺者たちが集まっていた。商人の護衛との戦闘についての報告会をするためであった


 今回の戦闘は予想外にこちらの被害が大きくこうして集まるために一週間もの時間を要した。ようやく報告会を開けるのだ、この場に集まっているのは暗殺者を養成する危険な組織として名を広めているカラスバネ、その中でも特務隊と呼ばれているグライ隊である。特務隊と言っても私達の部隊は特殊で他のカラスバネの部隊からの風当たりも強い訳あり部隊なのだ。そのため危険な任務を多く請け負う使い捨て部隊と陰でそう言う輩もいる。使い捨てというのは否定出来ない、と心の中で自虐してしまうが使い捨てられて死ぬつもりは毛頭ない。グライ隊の皆がそう思っている。自虐の時に苦笑してしまった所を見て、その様子に心配したのか向かいに居る桃色の髪を持つ少女、サエがこちらに寄ってくる


「シオ大丈夫?」


「うん大丈夫だよ、サエ姉」


 サエ姉は呼び名の通り、グライ隊の中で皆の姉という立ち位置にいる人物だ。実際はそうではないのだがサエは世話焼きでそれでいて優しい性格をしている。見た目はそれほどお姉ちゃんのような感じはしないが包容力があり私たちにとってはそれはもう立派なお姉ちゃんのように接してくれるのだ。しかし任務の時は性格が真逆、と言っていいほど冷淡になる。サエ姉は非常に仲間想いである、そのためか私達に危害が加わる恐れのある相手に対しては容赦がない。今でもそんな場面を見ると普段のサエ姉とのギャップに戸惑うがその行為の根本が優しさというのが分かるため感謝している。いつだってサエ姉は私達を守ってくれているのだから、今回の戦いだって・・・いや、考えるのはやめよう。これ以上心配させるのは良くない。笑みを浮かべて大丈夫とサエ姉に言うと無理はしないでね?とだけ言われて離れていった。敵わないな・・・


「どうしたんだ?変な顔してるぞシオ」


「シオどうしたの?」


 二人して同時に声を掛けてきたのはスイとソア。二人とも綺麗な白髪と翡翠の眼をした兄妹だ。兄であるスイはたった一人の家族であるソアを大事にしているからか一緒に行動している事が多い。美しき兄妹愛かな


「シオ、まだ体調が優れないのか?」


 続いてやってきたのは綺麗なブロンドの髪を持ったちょっと捻くれた性格のした男セウ。セウがこうして心配してくれるのは珍しいな・・・


「今失礼なこと考えただろ、俺だって仲間の心配ぐらいはする」


「ありゃバレた」


 そんなやり取りに四人で思わず笑いが零れる。少しの間そうして談笑しているといよいよ隊長であるグライが来た


「お前ら随分楽しそうだな、全員傷は癒えたのか?」


 グライは金髪を後ろで一つ結ぶくらいには伸ばし彫りの深い顔をしたおっさんである。こう見えてもかなりの実力者で私達を率いる隊長なだけある人物でもある。そんなグライが私たちの様子を見て話に加わってくるが全員揃ったのなら早く会議しましょう、と言い、早速司会は私ことシオが担当することとして報告会を始める。各自円形のテーブルに座り資料を配り進める


「それでは先日の戦闘についての報告を各自お願いします」


「なら俺達からさせてもらう」


 そう言って報告の先陣を切ったのはスイとソア。この二人が戦っていたのは着物姿の小さい娘だっけ。あのスイが珍しく傷を負っていたので気にはなっているけど特に何も言わずに二人の報告を待つ


「俺たちがやり合った相手は知っていると思うが見た目はまんま俺達と同じような子供だ。だが中身は全くもって外見と一致しない。本人の口から察するに相当な歳を重ねた奴だ」


「そうなると人間ではない、獣人という事ですか」


「もしかしたら亜人かもしれないが分からないな。実力に関してはたぶんあの護衛の中で一番強い」


 皆がその言葉に驚嘆の声を上げる。中でも隊長であるグライが一番驚いていた。皆が手元にある資料に載ってあるその着物少女のデータを見るがそれでも驚きは続いた


「スイが強いって言うと相当よね」


「あぁ、俺の防御も削られた。通しはしなかったけど何度もやられてたらまずかった」


「はぁ!?スイの防御でまずいなら私たちなんて無理じゃんー」


 スイの報告に騒ぐセウをどうどうとサエが宥める。私たちはそれぞれがどんな特性を持っているのかを理解しているために皆がセウが騒ぐのも分かるのだ、スイがこの中で一番防御に優れているのだから


「サエ姉から見てはどうだった?」


「やっぱり攻撃力が凄かったかな。スイのアルマジロを突破しえる不可視の斬撃、ミドルからロングレンジをカバーする飛んでくる牙もあってスタミナが切れるような様子も見えないから隙がどこにも無い。援護力もあって無視するのも面倒臭い。難攻不落の要塞みたいだったよ。シオ、あれを攻略するにはここの全員が必要かもよ?」


「耐性はどうかな、毒が効くならサエ姉の毒で無力化でき・・・、いや出来なかったからその評価なのか」


「無理だね、戦闘中に麻痺毒を撒いていたけど動きに変化が無かったのが彼女の他にも何人かいた。だからあの護衛の連中に毒の効果は期待が薄いと思うの」


「俺はサエ姉さんが獣化しても敵わなかったのも驚いたけどな。一応待機していたとはいえサエ姉さんから支援砲撃と撤退の笛が鳴るとは思ってなかったからな」


 私たちはそれぞれ特徴に沿った獣化という変身が出来るのだがその中でも戦闘に優れたのはサエ姉の梟化だったりする。だからセウが言った事に再度驚いてしまった





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