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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第1章 テラーク脱出編
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肺血病と調合スキル


(肺血病ってなんなんだ?)


〈解 肺の中に血が溜まっていく病です。放置していくと細菌が繁殖し呼吸器官に影響を及ぼし最悪死に至る可能性があります〉


 となるとリアの声が掠れてるのは大分前から肺血病を発症していたということか

 そうだとすると、早くてもラタルに着くまでの間に死亡してしまう事もありえるのか……

 流石に状況を知ってて死なれてしまうと寝覚めが悪い

 何か解決方法はないだろうか


〈解 肺血病には上級ポーションが有効です〉


 やっぱポーションはあるんだな、ここがファンタジーな世界だと実感が沸いてくるな

 それはともかくだが、ポーションなんてものは持ってないしどうすればいいんだ?


〈解 前方4kmに上級ポーションの調合に必要な薬草が生息しています〉


 開けた窓から身を乗り出し進行方向に向けて鷹の目を発動する

ヘルプ先生の言ったとおり、そこには薬草らしきものが生い茂っていた


「ディールさん、ここから4km前方に開けた場所があるのでそこで1度休憩しましょう」


「ほぅ、そこまで見えるとは凄いですね。分かりました、そこで休憩しましょう」


 意見に素直に賛同してくれて助かった、まだ馬車を走らせてから1度も休憩してないからちょうどいいとも思ったんだろう

 窓を閉めて、再度リアの隣に座る


「聞いてのとおりもう少しで休憩を入れる」


「はい、周囲…20km圏内に…魔物…いない…から…良いと思いま……す」


「驚いたな、そんなに広い範囲で分かるもんなのか」


「大ま…かに、わか…る程度…です」


 これには本当に驚いた。俺のミニマップで20km圏内を表示するとしたらMPをだいたい100ぐらい消費してしまう

 それに鑑定や気配察知も組み合わせるとしたら、今のMP総量じゃ下手したら足りないかもしれない

 たとえ大まかにしか分からなくてもとんでもない能力だということは明らかだ


「それは君が獣人であることと関係が?」


コクリ


 小さく頷き肯定する


「獣人は……感知能力……一部の身体能力…優れている種族。私…知覚加速……レアスキルある…普通より…優れています」


 なるほど、獣人の生まれ持った特性とリアの持ってる知覚加速が合わさってのあの範囲か

 それにしてもレアスキルか、何か普通のスキルよりも凄いみたいだな

 そもそもレアスキルってなんだ?


〈解 通常スキルよりも性能の高いスキルのことです。取得している半数以上は生まれながらに持っています。ただし一定の条件で取得することも可能です〉


 ある種の才能みたいなものか

 となると先程リアの言ってた鑑定もレアスキルなのだろう

 これからはあまり公言しないほうが良さそうだな


「一つ君に聞きたい」


 首を横に傾け疑問符を浮かべ、先を促すリア


「君は今までずっとディールの下にいたのか?」


 コクリ


 首を縦に降る

 ヘルプ先生、スキルは使用する度経験値を取得してレベルが上がる

 この認識に違いはないか?


〈解 間違いありません。スキルはLv.10が上限となり、継続が貯まらない状態になるとMAXと表示されます〉


 ヘルプ先生の解答を聞き、一つ考え事をする


「ごめん、もう一つだけ聞かせてくれ。君は何歳だ?」


「女性に……歳…聞くの…失礼……」


 ジトー


 割と真面目に聞いたつもりだったんだが、やはりこの世界でも女性に年齢を聞くのはご法度のようだ


「君が何年奴隷生活をしてるか気になったんだが…すまん、今のは俺に非があったな」


フルフル


 首を横に振るリア


「ケータ…様は、悪く……ない。私…奴隷…だから、こうい…う態度…許されない」


 悪いのは私、そう言いきる前に言葉を重ねる


「君は悪くない。たとえ奴隷だとしても俺は君を許すよ、少なくとも俺は奴隷といって差別はしないさ」


 俺の言葉に驚きまたも固まるリア、少し経って顔を膝に埋め表情が分からなくなってしまった

 ちょうどその時、御者席から目的地に到着したと声が掛かったので馬車を降りる

 降りたところは周りを囲うように草木が生えている原っぱ。数時間ぶりの土の感触を確かめ、周りを見渡す


 ……あった


 降りたところから西側のほうに薬草の群生地を見つけ、そこへ向かう

 片膝を着いて薬草らしきものを手に取り鑑定する


・高純度薬草

 純度がとても高い薬草、上級ポーションの素材。


 ヘルプ先生が言ってた事は間違いないみたいだな、まぁ嘘をつくとは思わないけど

 とりあえず、3分の1程度の50株を採取し、無限収納に入れる

 この無限収納インベントリは、頭の中で収納と念じれば収納できる。取り出したい時は取り出すものを念じるだけ


(便利な能力だなぁ、これからもよろしくお願いしますね無限収納)


 さて、次は調合だったか

 調合スキルなんて持ってないのにどうやるんだろうか、それともまたスキル取得するのか?


〈解 素材に向けて調合を使用すれば作成出来ます。スキルは調合と念じれば取得可能です〉


 流石イージーモード、あまりの優しさに涙が出るね

 言われた通り、薬草を取り出し調合と念じる


〈スキル調合を取得しました〉


 スキルを取得するとともに手に持っていた薬草が微弱な光を放ち姿を変える

 光が収まると、そこには赤い液体の入った瓶が出来ていた

 鑑定をしてみるとこうなっていた


・中級ポーション

[品質 低]



 何故だ……

 いや、ある程度理由の予想は出来るが念のためヘルプ先生に聞いてみよう


〈解 調合のレベル不足のためです〉


 やはりそうか、作成スキルで最初から上級ポーションが作れるわけではないということだな

 スキルレベルを上げるためには、そのスキルを使い続けなければならない

 ラタルに着く前に作れるかな……

 いや、弱気になっては駄目だな

 リアの肺血病を治すために何としてもポーションを作らなければならない

 手持ちの薬草で足りるか分からないため追加で50株を採取した


「ケータ…様、昼食の…準備…出来た…ので、戻って……ください」


「あぁ、分かった」


 ちょうど採取し終えた時に後ろから声を掛けられる

 リアと一緒に馬車の近くまで戻るとディールがこちらに気づく


「あ、ケータ様。こちら昼食になりますのでどうぞお食べください」


 布の包みを渡された

 中を見てみるとカロリーメイトのようなスティック状の食べ物が3本入っていた


「これはなんだ?」


「ご存知じゃないのですか?これはヌートリックという携帯食糧です。遠出をする者にはメジャーなものなんですが」


 そう言われてもこの世界出身というわけでもないから分からない。

 それより、手に持っている見た目はメープル味のカロリーメイトだが果たして美味いのだろうか

 1口口に入れてみる

 うわ、これ水なしだと辛いな。凄いパサパサしてる

 そして更に問題があった


(味がしないな……)


 正直これを3本も食べるのには抵抗がある。

 どうしたものか……


 あ、無限収納使えばいいか

 食べるフリをしてヌートリックを収納する


「あ、食べ終わりましたか。では馬車に乗ってください。私も食べ終えたので出発しましょう」


 了承して馬車に再び乗る

 リアは既に乗ってたようで先程の位置に座っている


「早いな、昼食は食べたのか?」


「はい、いただ…きました」


 その割には随分早かった気がするが気にしないことにする

 リアの隣に座るとタイミング良く馬車も走り出した





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