魔物戦
大変長らくお待たせしまい申し訳ございません。次回からも更新速度は遅れると思いますが引き続き当作品をよろしくお願いしますm(__)m
グライ達が撤退した後、テイマーにより放たれた魔物と対峙する。数はさほど多くなく四体しかいないが一個体の大きさがかなりある。一番小さくても5mはある。とりあえず情報を得るため鑑定を使い魔物の情報を閲覧する
(あの七つの頭のある鳥がセブンクジャク、そのまんまだな、とあのでかい蛇はスパイクスネーク、ただのでかい蛇にしか見えないな。あとはただデカいだけの象バーストエレファン、後方で飛んでこっちを見てるあれは梟かな?こいつだけ鑑定が出来なかった)
鳥、蛇、象、梟と4体の魔物がこちら目掛けて近付いてくる。その進行の仕方はグライ達を追撃しないように配置されており、完全に追撃は不可能になった。アレックス達とも合流しようと思うと既にファニと共に俺らの元へ集まった
「アレックス、この状況はどんな感じだ?」
「最悪の一言に尽きますね」
流石にベテランの銀狼のリーダーでもそう思うのか。俺達は先程の盗賊と暗殺者との戦闘でのダメージがある。それに追い打ちを掛けるように大型の魔物が4体も襲ってきているのだ。魔物大量発生の時みたいに小型の個体が複数体って訳じゃないんだ。大型一体でも手間が掛かるのにそれが4体同時にってだけで状況は考えただけで最悪なのは分かる。しかも俺達には商人を護衛する必要もある。守りながら戦って無傷で勝つのは不可能である
「・・・パーティーを分けましょう。僕とロウが囮をして引き付けます、他の方は商人を連れて逃げてください」
「二人だけで止める気っ!!?」
アレックスの指示にリンがそれは無理だと反対をする。ミミも同じ意見のようでアレックスに抗議の視線を送っている。しかし囮のメンバーに加えられたロウは、これから死ぬと分かる指示をされたのにそれが当然とばかりの表情をしている
そこでアレックスの指示の真意を理解した。アレックスは女子であるリンとミミを生かすための選択をしたんだ。さらに俺達ビジターまで逃がそうとしている。優しい奴、とそう思った
「アレックス、やるなら俺もやる。お前たちを置いて逃げるわけにはいかない」
「しかし商人を連れて逃げるのも必要なことです」
「どうせあの魔物達をどうにかしないと逃げても意味ないよ。ここは確実に魔物を倒す確率を上げるべきだ」
アレックスはそれでも納得しないようでどうしようか考えている。アレックスが考えている事も分かるが、ここで二人を残してもどうにかなるとも思えず犬死にするだけだろう
「まぁアレックスが何と言おうが俺は加勢するぞ。リアとファニはどうする?」
「お供します」
「愚問じゃな」
どうやら俺と一緒に戦ってくれるようだ。俺一人でも良かったのだが共に戦ってくれるというのならそれはそれで有難く心強い。幸い魔物のレベルは高くないためこのメンバーなら何とかなりそうだ
「という訳だから、悪いがビジターは迎撃する姿勢をとる」
「はぁ、分かりました。では僕とロウとビジターで魔物を迎撃しましょう。でもリンとミミは商人と共に後退してください」
「私達も・・・」
「それだけは駄目です。商人を守るのも重要なんです。仮に僕達が全滅する可能性もあるんです。だから、どうか、お願いします」
何度か食い下がったリンとミミだがそれでも考えを変えないアレックスの意志の強さに遂に折れて承諾した。これは何としてでもアレックス達と生き延びないといけないな
商人と共にリン達がこの場を離れていくのを尻目に確認し近付いてくる魔物を見る。俺達の前方には梟と象が、アレックス達の前には蛇と鳥が位置しているため必然的に分かりやすい半分ずつ担当することになった
そして戦闘はすぐに始まった。バーストエレファンが猛スピードで突進してきたのである。皆が飛んで避けるがそこで攻撃は終わらなかった。バーストエレファンの体が徐々に発光していき、頭の中で警鐘が鳴る。これはまずい、と
「リア!ファニ!身を守れっ!」
そう警告した瞬間、バーストエレファンから閃光が発せられると共に膨大な熱とエネルギーが放出された、そう爆発である
事前に察知したおかげで風魔法と氷魔法で爆風と熱を相殺出来た。リアもファニも無事な様でバーストエレファンに向き直る
「ケータ、リアよ。儂がこの象を止めるから攻撃は任せても良いかの?」
「了解です。あの梟の動向も気になるので一瞬で決めましょう」
「あの梟、鑑定が効かなかったから結構危険かもしれない。あいつの動きには気を付けろ」
それぞれが頷き早速行動に出る。後方でこちらを観察している梟の動きを注視しながらリアと共に両サイドから攻めるように動く。バーストエレファンは足を踏み衝撃を出そうと試みるがその前にファニが糸で縛り動きを封じた
「流石にこの巨体相手では長く持たんぞ」
ファニが拘束できる時間を無駄にしないためロングソードに魔力を流し込み風魔法で加速しながら走る。リアは空中に飛びバーストエレファンの背に飛び乗った。そのままカマイタチを背に無造作に叩き込む。そのダメージにバーストエレファンがファニの拘束を破ろうと暴れようと咆哮を挙げる。ここで拘束が解けるのを防ぐためにバーストエレファンの後ろ足の腱を斬り地面に伏せさせる。これで動きは封じた、後は爆発する前に殺せば・・・、そう思った途端にバーストエレファンは体を輝かせ爆発をしようとしている。だが、その前に決める、魔力を込めた一撃で叩き込む
「リア、俺が決めるから削り頼む!」
俺の指示にコクリとだけ頷き、動き出したリアに効果付与、行動速度上昇と追風を掛ける。動く速度が上昇し追風により更に加速したリアは目にも留まらない速さでバーストエレファンの身体の各部を切り裂いていくと光が収まる。手足の筋肉を切られ倒れ伏し動けない所に真上からロングソードを叩き込もうと試みる
そこで梟が遂に動いた。5mもの巨体で無数の羽根を飛ばしながらこちらに突撃してくる。バーストエレファンの攻撃を諦めて空中で態勢を立て直しギリギリのところで防ぎ着地する。梟はそのままバーストエレファンの背に乗り足で突いた。するとバーストエレファンは再度発光を始め、梟は周囲に粉末状の何かをばら撒く。何を、と考える暇無くバーストエレファンは爆発を起こす
結局仕留められなかった事に舌打ちをしながら砂塵が舞い仲間の位置が分からない中小型地図、気配察知、鑑定を使い戦場の状況を見る
「象は死んだのか、捨て身の爆発ということか。リアとファニは無事、アレックス達は・・・ロウとミミ以外が状態異常だと、なんで・・・って、なるほどな」
砂塵がまだ晴れぬ中冷静に戦況を分析する。ロウとミミ以外の人が状態異常、それも麻痺で動けないようで、その原因を思い付く。先程梟が撒いた粉、あれが毒薬だったのだろう。バーストエレファンを爆発させ起きた爆風で毒を全方位に散布し無力化させる。というのが相手の作戦だったのだろう、それに見事にハマった訳か
「してやられたな・・・」
まさか魔物にあそこまでの知能があるとは・・・、いや待て、知能があるだと?そこで迷宮でのファニの話を思い出す。『魔物と魔族の簡単な区別は知能にある』、魔族は魔素を多く消費し生まれ高い知性を持つ。まさかこの梟は・・・
「魔族、なのか?」




