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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第3章 王都前の騒動編
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梟の正体

「ケータ、残念だがそれはハズレじゃよ。こやつは魔物でも魔族でもない」


 梟の正体が魔族では?と推測するが即座にファニによって否定された。ファニは梟の正体に気付いているのか?


「儂にも確証はない、じゃが獣人ではないかと予想しておる」


「獣人が?こんなのが獣人って・・・、あぁなるほど」


 ファニの予想を否定しようとするが図書館で見た獣人の特徴の一つが頭に浮かぶ。基本的にその特徴を持っているものは少ないらしいが、可能性はある。こんな出鱈目な見た目で知性があれば魔族と言われた方がまだ納得できるがもうひとつの可能性、それを答え合わせのようにファニに思い付いた事を話す


「獣化か」


「おそらくの、この梟から魔族特有の淀んだ魔力が感じられない。遠目から見たら周りの魔物のせいで判別が付かなかったのじゃが今なら分かる。こやつは魔族ではないと」


「獣人ってことはさっきの暗殺者グループの仲間か?だとしたら捕縛した方がいいだろうか」


「無駄じゃて、どのみち儂らは動けない商人達も守らねばならん。とてもそこまでする余力は無いと思うぞ」


「ご主人様、私は銀狼の補佐に行ってまいります。あちらは蛇も鳥もまだ健在、流石に二人では厳しいかと思いますので」


 梟の中の獣人を引きずり出せれば尋問出来るかと考えたのだがファニの言う通り、今の俺達にそこまでするほどの余力は無い。ただでさえ商人と銀狼の二人が動けないんだ。この場で欲を出したところで良い結果になるとは思えない。リアの進言を許可してこの梟をファニと二人で倒すしかないか


「了解だ。リアはそのまま銀狼の援護を頼む。出来れば毒にやられた銀狼メンバーを下がらせといてくれ。何でか知らないが毒の効いてない俺達が動けるうちに状況を好転させよう」


「かしこまりました」


 リアに指示を出し動き出したのを確認して剣を両手で構え直し梟と対峙する。自分の身長を優に超える巨体に自然と圧倒されてしまうが堪える。相手の動きを観察し出方を伺う


「ファニ、獣化ってあんなデカくなるもんなのか?鳥の獣人だとしても素体があのサイズな訳ないだろう?」


「正直個体差による、としか言えんの。儂が見てきた中では一番デカいのは確かじゃ、来るぞ」


 獣化についてはファニも分からない所もあるらしい。ファニ自身もここまで大きい個体は見たことが無いみたいだし色々とイレギュラーっぽい。そんな話をしている間に敵も待ってくれるわけもなくすぐさま戦闘になる。羽根が飛ぶ雨の中を斬り落としながら相手に近づいていく。今日に限って言えば何度も見た攻撃なので対処は容易であり、この羽根の射撃は集弾性が無く不規則な拡散をするため、こうして自分に当たる最小限の羽根だけを落とすだけで攻撃は当たらなくなるのだ。自分の間合いに入った瞬間に距離を詰めて剣を横に凪ぐが後ろに跳んで避けられる。更に左右から羽根が襲い掛かる。今回も当たる物だけ、と考えた途端直感が働き俺も跳んで避ける。左右から迫ってきた羽根は互いにぶつかり合い落ちていったが、その光景に先ほどまでの考えを改めた


「集弾性のある羽根も撃てるのかよ・・・、しかも若干追尾してきたし厄介だな。ファニ、これ撃ち落とせないか?」


「ファングと糸でも限度があるのう。流石に量が多いと捌ききれんぞ。それなら主に障壁を張った方が現実的じゃよ」


「そりゃそうだよな」


 我ながら無茶を言ったものだと苦笑する。流石のファニでもこの無数に飛んでくる羽根を何とかするのは難しいようで障壁を張って防いだ方が無難という結論に至った。この梟を倒した後に未だ健在の蛇と鳥も片づけなきゃいけないので余力は残しておきたいが・・・

 視線の先、今は少し距離の離れた位置にいる梟を見てぼやく。梟は両方の翼をブレードのようにしてこちらの出方を計っている。ブレードの原理は硬質化だろう。先ほどから飛ばしてくる羽根も硬くして威力を上げていたのだから不思議ではない。さらに言うと身に纏っている羽毛すらも硬いのではないかと考えると


「削るのしんどそうだなぁ。羽根、ブレード、毒の粉、硬そうな羽毛。正直考えるのも嫌だな」


 おまけにあの巨体である。最初の時みたいに突撃されたら適わない。非常にやりにくい状況である。さてどうするか、毒は俺に効かないみたいだから懐に入れば倒せる可能性はあるか?だとしてもせめてあと一人戦える奴が欲しいな


「マジックコード・フランメアハト」


 攻めあぐねていると突如離れた所から炎が八本、渦巻きながら梟へと襲い掛かった。梟は不意打ちに反応し防御するが炎の勢いが強くそのまま後ろへと押し込まれている

 凄い威力だ、それでいて炎を制御しきっている事に関心する。俺は制御が下手だから素直に賞賛してしまう。この炎を出した方向へ顔を向けると、魔女のような帽子を片手で抑え、箒をもう片手に持ち、紫色の長い髪を揺らしながらこちらに視線を向ける少女がいた。その事に俺とファニが同時に驚いた。この炎が、とかではなく別な理由、それは


(儂の索敵範囲内であるというのに気付けなかったじゃと・・・こやつ普通ではないの)


(俺の気配察知と小型地図にここまで近付いてて反応しなかったのか・・・)


 俺達は互いに索敵に関しては秀でており、今少女がいる位置は普通なら余裕で探知できる距離なのだ。それなのに俺はともかくファニにも気付かれることも無くそこにいるのだ。驚かない訳が無い


「えーっと、何か苦戦してたみたいだから援護してみたけど余計だったかな?」


「いや助かった、ありがとう。一緒に戦ってくれるのか?」


「乗りかかった船だし最後まで付き合うよ。見ての通り魔女だから前は任せるよ?」


「助かる」


 思いもよらない所から来た救援に感謝し、再度梟に向き直る。今は少女について詮索するより現状を打破するのが先だろう。ファニに余力を残しながらの援護を頼み、自分は武器を小型のナイフ二本に切り替えた。あの羽根の攻撃には小回りの利くこっちの方が対処がしやすい


「マジックコード・ドゥーシェフリュー」


 魔女が繰り出したのは魔力の雨、それが三秒ほど物凄いスピードで相手に降り注いだ。流石に防御も出来ないのかそれは梟の身体に直撃する。その間にも俺は距離を詰めてあと一歩で武器の間合いに入るところで羽根を発射される


「この距離は逃さない」


 ナイフで羽根を次々と切り落としながら更に距離を詰めていく。距離が近くなるにつれて羽根の威力が強くなり徐々にナイフが刃こぼれする。そのナイフを梟の目に投擲し視力を奪う。突然視力が無くなったためか梟は翼を交差させ防御の体制を取る。俺は今度は槍を二本取り出しそれを梟に突き刺して棒高跳びのような要領で梟の背後に回り込む。槍は途中で折れてしまったがこれは弾力性が無いため仕方ない事である、元々こんな使い方をするために作ったわけでは無いのだから当然だ


「・・・っ!!」


「もう反応できるのか・・・っよ!」


 着地した瞬間に梟がこちらを向き視力が無い状態でも正確にブレードで攻撃してきたので無理な体制のままロングソードで受け太刀をする



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