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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第3章 王都前の騒動編
74/91

馬車の中で

大変遅れてしまい申し訳ありませんでしたm(_ _)m

「皆さんおはようございます、今回はよろしくお願いします」


「私も同じくよろしくお願いします」


「おう、ビジターの事頼りにしてるぜ」


「わかんない事があったら何でも聞いてね」


「・・・よろしく」


 俺といつの間にか側で控えていたリアで銀狼メンバーに挨拶をする。冒険者活動は銀狼の方が圧倒的に経験が豊富で学ぶ事が多そうだと思うため、ここは後輩らしく先輩方に遠慮なくご教授願うとしよう


「今回の護衛任務、銀狼の皆さんにご教授願えればと思います」


「まぁ固くなるなよ、余程のことではない限りこの依頼が失敗することはないだろうからな。けど慢心もするなよな?」


「慢心するほど自分の力に過信してませんよ」


 実際に今の俺のステータスを見てもこの世界での対人戦を経験をしたことがないため強いのかすらも分からない。それにこの世界ではステータスの差よりも経験や技術の差のほうが勝敗を分かつ要因になると思うのだ

 だからつい最近まで日本で温い生活をしていた一般人の俺が最初から戦いが身近にある世界の人達といざ戦って勝てるかどうかなんて、おそらく負けるだろう。だからこそ過信せずに戦いに投じるべきだと思っている


「おっ、アレックスが話を終えたみたいだよ」


 そこでリンがアレックスが戻ってきたことを告げる。リンの言った通りアレックスが商人たちと話を終えこちらに合流した


「おっすアレックス、話は終わったのか?」


「どうもですケータさん。ロウ達と何かお話してたのですか」


「あぁ、今回の依頼についてご教授お願いしますって話をしてたんだよ」


「なるほどです。ではもう出発するので馬車の組み分けなどの説明をします。見ての通り車両は全部で5つです、先頭と後尾車両に僕達が入るので商人達はその間の3両に入ります。ここで先頭は僕達銀狼が、後尾はビジターを配置します。それと商人の各車両に一人ずつ護衛を配置したいので僕達から2人、ビジターから1人お願いします」


 アレックスから配置の説明をされ、護衛に誰を配置するか考える。商人の護衛にはやはりファニが適任だろうか、魔法砲撃による援護も出来そうなのがファニしかいない、ということでもあるが

 ファニにその旨を話すと普通に承諾してくれた。ファニの性格的に渋られると思ってたので意外であった


「まぁ確かに儂は最近暴れ足りないと思うこともあるが今はまだいいのじゃ、気分ではなくての。だから気にせず依頼に専念するが良い」


「すまん、助かる」


 ファニを護衛に配置する事が出来たのでそのまま俺とリアは後尾の馬車に乗る事となる。配置が決まった事で俺達は予定通り王都に向け出発した


 ーーー


 ガラガラガラガラ・・・


 馬車の走る音をBGMに窓から流れゆく景色を見る。先ほど出発してからもう3時間ぐらいだろうか、日が上にあるため大体昼頃だと思う。これといった事が無いまま暇を持て余し、ふとそこで向かいに座っているリアに目が留まった

 出会った時と違い、今はもう立派な少女になったリアを見て感慨深い気持ちになる。あの時は病により死期が近かった事でかなり痩せこけて顔に生気も感じられなかった。しかし今は、外の景色を興味深く眺めている彼女の顔には昔の影など微塵も無かった


(こうやって1人の女の子を、自己満足だとしても救えた事にも、ちゃんと意味があった。そう思うと嬉しくなるよな)


「どうかしましたか?」


 リアが俺の視線に気付いたのか話し掛けてくる。なんでもない、と答えリアの頭を撫でると、突然の事に少し困惑した表情を浮かべながらも気持ちよさげに目を細めている


「さて、そろそろ昼食時かな。ギルドが食料負担はしてくれたが何が出るかなっと」


「ご主人様の嫌いなヌートリックじゃないといいですね」


 ヌートリックだけは勘弁してほしいとぼやき、すぐに真面目な声音でリアに指示をする


「昼食は後になりそうだな。要警戒だ、俺の気配察知に反応がある」


「私も感知しています。人間と・・・何かの生物と魔物らしいのもいますね。おそらくテイマーでしょう。数は全部で三十程ですね」


 俺より索敵の精度の高さに感心しつつも思案する。まず反応したのは盗賊たちで間違いないだろう。その集団が馬車の速度に合わせるように常に動いているからだ。馬車の窓から盗賊の潜んでいる方向に視線を向けると背の高い草木が生い茂った森が広がっている。絶好の隠れ場所である、潜伏するならここしかないだろうが予想は出来ていた。問題はアレックスが気付いているか、いつ仕掛けてくるかだが、アレックスは既に気付いているだろう。馬車の速度が徐々に減速されているから戦闘体勢にも入ってるかもしれない。仕掛けてくるタイミングは馬車が完全に止まったときと同時かな


「盗賊たちが出てくると同時に出よう。戦闘に関してはアレックスから任されているが銀狼との連携もしっかりしないとな」


「了解です」


 軽い打ち合わせを終え、徐々に減速する馬車が停止するのを待つ


 ガラガラガラガラ・・・・・・ガタンッ!


 馬車が一斉に停止する音を聞くと同時に戦闘車両にいるアレックスから敵襲の合図がされ、俺とリアは馬車から降りて姿を現した盗賊と対峙する

 盗賊のリーダーと思われる人物が全員に聞こえるような大きな声で、ありふれたテンプレートのセリフを吐いた


「全員武器を捨てて投降しろ、そうすれば命は奪わない。まぁ投降しても男は奴隷、女は俺らが楽しむための奴隷にしてやるよ。が、抵抗するなら容赦なく殺すぜ。30秒で決めろ」


 奴隷か死か選べ、盗賊のリーダーはそう言っているがどっちみち死ぬようなもんだよな。そもそもこの依頼を受けた時点で戦うことは決めているのだから投降しろと言われてもする気などはない

 30秒経過し、誰も武器を捨てなかったのを見て盗賊のリーダーは戦闘開始の合図をした


「全員殺せ」


 盗賊達が武器を構え、戦いの火蓋が切られた


12/19 矛盾点の修正


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