試験
「剣を見せて欲しいか・・・、悪いが俺は認めたやつにしか作品を売らない主義でな。軽いテストをしてもらうがいいか?」
どうやらここの武器を譲ってもらうにはガイアスから出されるテストに合格しないといけないらしい。俺はガイアスに向けて不敵な笑みを返す
「上等だ、んで何をすればいい?」
「やる気はあるみたいだな、着いてきてくれ」
ガイアスの案内の下辿り着いた場所は店の裏にある鉄や木など様々な材料が置かれた敷地だった
ガイアスはそこら辺から手頃な丸太を2本取り出しそれを立て掛ける
「なんだそれ?」
「お前にはこの剣で丸太を切って貰う。斬り方は1回目は普通に2回目は魔法を使ってだ」
ガイアスから渡されたのはお世辞にも良い剣に見えない、少し刃こぼれをしたロングソードだった。重さは丁度いいがこの剣で丸太を両断するのは難しいだろうな。そもそも剣自体が木を切るためにある訳ではないため元から難しいのは変わらないのだが
なるほどな、とガイアスのテスト方法に感心する。おそらくだがこのテストは丸太を切ることが重要では無い。それこそ重要なのは斬り方のだと思う。丸太を剣でどの様にして斬り込めるか、力や技術や才能がこれだけで職人には判断出来るのがこのテストなのだろう
更に2回目の魔法を使って斬る。これも技術や才能を測るためにあるのだろう。そのためこの剣が実は魔力伝達に優れている材料が使われているみたいだ。先程から俺の魔力が徐々にだがこの剣に馴染ませるために流れている。これを理解出来るかもテストなんだろうな
「了解だ、早速初めていいか?」
あぁ、とガイアスが頷くのを確認するとともに横一閃に剣を振るった
ストンッ、カランカラン
そんな音と共に二つに両断された丸太は地面に落ちて転がった
「こんなもんか?」
「あ、あぁ・・・今度は魔法でこれを斬ってみてくれ」
何やら呆けた様子で次のテストの指示をするガイアスを横目に、今度は魔力を剣に浸透させて魔法を発動した。使用するのは風魔法のカマイタチ。リアが以前迷宮のマザートレント相手に使用していた魔法と同じ風の刃を発生させる魔法である。しかしリアの時と今とで少し違う点がある
発生させた刃の数が一つだけなのである。ではなぜそのようになったのかというと、ただ単純にリアに比べて魔力制御が上手くないせいである。本来なら複数の刃を飛ばすのが一つになっただけ、只リーチを伸ばしただけの一閃のようなものだ。しかし魔力量に関してはリアを凌駕しているためこうして出鱈目な一撃になる
シュボッ
さぁ問題です。この音は何の音でしょうか?正解は威力が高すぎて丸太が消滅した音でしたー
「うわぁ・・・」
「何自分でやったのに驚いてるんですか」
「いや、だってこんなになるとは思わなかったんだよ」
「ケータは自分の規格外さを自覚するべきじゃと思うぞ」
二人からの容赦の無いツッコミに崩れ落ちる。魔力量などステータスに他の者との差があるのは自覚している。しかしいざやってみるとここまで予想を上回る結果になるとは思わなかったのだ。とりあえずこの問題
は置いといてガイアスに向き直る
「それで、テストとしてこれは合格か?」
「くっ、くく、くははははっっ!こんなの見せられて合格以外出せねぇよ!いや、にしてもこんな光景見るのも2回目だな」
「2回目?他にも同じような事した奴がいるのか?」
「昔の話だがな、テストをやったら的を消し飛ばした男がいたんだよ。懐かしいな・・・」
まさか俺以外にも的を消し飛ばすような芸当が出来る奴がいるとは・・・、昔の話なら有名人とかで名前が知れ渡ってそうだが。しかしそれを聞いてもガイアスは名前は知らないと言うので知る事叶わずになってしまう
「それで武器が欲しいんだっったな、店に置いてるやつじゃなくて俺が作ってやるからどんなのがいい?」
「オーダーメイドでもいいのか?」
「うちは基本オーダーメイドが主だからな。店に並んでいるのは急遽必要になった時用の繋ぎ分だけなんだ」
その割には店の戸棚には良さそうな武器が多く並んでいるのは、ガイアス自身がこれが繋ぎ程度には充分だろうと思っているからか。ちょっと鑑定を使ってみたが今使っている俺の刀よりも性能の良さそうなのが数点見つけられた
この場合の良し悪しを判断するのは武器のレベルと能力である。前にリアのボロ布に使用した際にはこの二つしか見れなかったが鑑定スキルのレベルが上がった今では他にも見える情報がいくつかある。まず簡易的な能力情報から能力の詳細な情報を読み取ることが出来るようになり、その武器の製作者や潜在能力までもが分かるようになった
潜在能力とはその武器を使っていく際に能力が開花する可能性のことを指している。それはA〜Fで表されAが上Fが下となる。Aに近いほど能力が開花しやすいという事だ
それでこの店に並んでいる武器の殆どがCより上なのである。ガイアスの腕の良さが見て取れる
「ならオーダーメイドも頼もうかな。それでやって欲しい事もあるんだ」
俺は当初の予定通り、考えていた武器案についての話を切り出した




