情報確認
「では早速始めましょうか、依頼は先ほど言った通りランバット商会の王都までの護衛です。大体一週間ぐらい掛かりますが盗賊討伐もありますのでプラス三日の上乗せをして合計十日と見積もりましょうか」
王都まで一週間だとテラークからラタルまでの半分ぐらいか。あの時は召喚後というのも含めて色々とあったな。なんて物思いにふけながらも話は続く
「食料に関してはギルドからの支給が、ってことで間違いありませんよね?」
「あぁ、今回は盗賊討伐があるからな。ギルドからの依頼でもあるからそこは負担する」
ほぉ、食料がギルドから負担されるとな、あのヌートリックを食べなくて済みそうなら安心だ。味のしない食べ物は流石にもう食べたくはない。銀狼のメンバーもギルド負担と聞いて嬉しそうにはしゃいでいる。やはり十日もの食料を自分達で負担となると出費が凄いのだろうか?依頼の中でそういった話を聞いてみたいな
「出発は明後日となっていますがランバット商会への連絡とか指名依頼の手続きはギルドにお任せしても?」
「構わないぞ、どうせやるのマリーだし」
「どうせそうだろうと思いましたよ、たまにはギルドマスターご自身でやってみてはどうですか」
「いやぁ、そういう面倒くさい手続きは苦手なんだ。何のために秘書なんて無かった役職作ったと思ってるんだ、大体の理由は俺のしたくない仕事を押し付けるためだぞ」
うわぁ、ダメな大人だ、ダメな大人がここに居る・・・
秘書なんて役職が無かったのに作るなんて意外とギルドマスターって勝手が利く地位なのだろうか、この支部の最高責任者となれば当たり前か?
「その話は何度も聞きましたし、どうせ無駄だろうと思いつつも聞いただけですので気にしないでください」
「マリーさんも大変ですね」
「ホントにね、けどもう慣れたわ」
アレックスの同情のような哀れみのような視線に軽く手を振りため息を吐きながら慣れてしまったと答えるマリーさん。この人も苦労人だなぁ・・・
「ま、後のことはお前たちに任せる。ほら出てった出てった」
デュークに押されるがまま部屋を出ていくことになる。廊下に残された銀狼と俺らはとりあえず今から遠出用の準備をしようと提案し、それに賛成しひとまずは解散となった
しかし俺たちはマリーさんに呼び止められることになった。なんの用だろうか?
「この前話したドラゴイーターの貸出しに許可が出たのでそちらをお渡ししようかと」
「お、もう許可が出たんですね。そのドラゴイーターは何処で受け取れば?」
実際もうと言ってしまうぐらいには許可が出るのが早い。ドラゴイーターは古代武器であるため貴重なものであるはずだが、こうも早い許可が出たという事は俺が借りることで研究が進むのを期待されているのだろうか
「すでに準備はしているので物はこちらにありますよ」
「ありがとうございます」
マリーさんが取り出した白い布に包まれたドラゴイーターを受け取り感謝する。ドラゴイーターは無限収納に入れておく。ただ何の制約も無く貸し出すはずもないと思うのでそこら辺の説明をマリーさんに求める
「この貸出しの条件は何ですか?」
「まずケータさんに貸出しできるのは一か月だけです。これは依頼や王都の件を考慮して引き延ばしも可能ですが出来るだけ早く返してくれると嬉しいですね。先日仰っていたカートリッジも既に装填されていますので」
「了解です。それにしても研究者がこんな条件で頷くと思えないんですがそこはどうなんです?」
「ケータさんの先日の情報が結構効いたんですよ。他にも判明したことがあれば報告してほしい、そんなところでしょうか」
つまり、このドラゴイーターの情報を出来るだけ多く教えてくれ、ということか。まぁ使い道は別だが多少教えることも悪くはないか
マリーさんに了承の意を伝え、俺たちはギルドを後にした
ーーー
ギルドから出た俺たちは売店が多くある商業区に向け歩を進めながら方針を話し合う
「さて、旅支度をしようということなんで俺らは俺らで必要な物を調達しようか」
「そうは言いますがご主人様。現状私たちに必要な物ってあるのでしょうか?」
「確かケータは無限収納に色々と入れているんじゃったか?」
ファニの言う通り、俺は無限収納に大体必要そうなものは入っている。食料についても魔物の肉やらなんやらと揃えてある。なので実を言うと今更買うものなんてないのが事実だ
「リアの言う通り実は買う物なんてないんだけどな。でも売店を見て周ろうかと思ってな」
「儂は帰って寝たいのじゃが・・・」
いつも寝てるくせにまだ寝足りないと申すかこやつは・・・。しかしそれは許可をせずファニを問答無用で腕を掴んで引っ張る。ズルズルと引っ張りながら商業区へ向かっていくうちについにファニが折れた
「むう、分かったのじゃ、儂も行くからこの手を離さんかい」
ビシッ
同行すると言ったファニは俺の手を叩き払った。意外と痛いな、結構力入れて叩きやがったなこいつ・・・、俺が痛みに手を振るとリアが回復魔法を掛けてくれたためすぐに痛みが引いた
「ありがとう、リア」
「礼には及びませんよ」
そんなこんなで、俺たちは数十分ほど他愛ない会話を続けながら商業区へと足を踏み入れたのであった
10/23 誤字修正




