ファニ編2
ファニ編ですが今回は別視点になります
カグラにて、和風の屋敷にて浴衣を着た幼い女の子が縁側で座ってお茶を飲んでいた
その島の主は万能神オルティ、私である。見た目が日本の和風の屋敷に住んでいる。なぜ和風なのか、それは圭太に加護を与えたことに起因する
加護は無闇矢鱈に付与できるものではなく、その人物を知るために1度記憶を覗かなければならない。そこから加護を与えてもいいと判断出来たら加護を付けられるのである
こんな感じに記憶を覗いた時に印象に残った日本の屋敷を再現したのがここである
さすがに内装は私が暮らしやすいようにアレンジしているが所々には和風な面影の見える内装となっている。個人的にお気に入りなのは今現在座っている縁側である。ここは日当たりがよくてそれがとても気持ちのいいものであり、よく昼寝をしてしまうのは仕方のないことだろう
さて、ここで少し私についての説明をしてみようと思う。まず私の名前はオルティという。この世界に存在する神という種族をしている。神とは複数存在し、それぞれがこの世界での様々な事象をバランスを保つために各専門分野の仕事をしている。例えば、霊王であるトムさん(ファントム)はこの世の霊全てを管理し調整している。妖精王のフェイさん(フェイロン)はすべての妖精を統べているなどそれぞれが各々の役割があり、それを全うしているのだ
では、私がその中でどのような立場にいるのか。それは万能からくるもの、簡単に説明すればなんでもである。私は万能神と名の通り万能を司る、万能とは全てを平均的に出来るということ、物によっては様々な解釈をすることができるほどに便利なことなのである。ここから私がどのような役割があるのか、それは厳密には存在しない。名目上は各神の補佐というものがあるが実際は緊急時だけにしかそれは無く、異常事態がない限りは何の仕事もない、圭太の故郷の言葉で言うならニートである。
こんな普段仕事もないような私が他の神から反感を抱かれないのか?と疑問に思うだろうが、答えはNOである。むしろ他の神からは溺愛されているというほどに可愛がられている。それはなぜか、理由は私の誕生から起因する
私以外の神々は同時にこの世界に誕生している。そのため皆が同い年、同年代といった格差のない立場にあった。それは特に問題が起こるものではなくむしろ円滑にコミュニケーションをとれる要因にすらなっていた。そのために今でも世界はこうしてバランスが取れているのだ。では私はいつから誕生したのか?私は他の神々の数千年後、今からだと500年前に誕生している。そのため私はこのように姿が幼い女の子の容姿をしており、後から誕生したということで他の神々、ここからはもう兄様姉様と言う、からは妹扱いされているのだ
とりあえずこれで少しは私という人物についてはわかっていただけただろうか。別に口を動かして話していたわけではないが長い間喋っていたようなためか喉が渇き手元にある、既に冷めてしまったお茶を飲み干す
「ファニ遅いですね・・・、ところでそろそろ出てきたらどうですか?」
ファニ、私の御使いであり親友である者がこの島に来るのが遅いことに心配するとともに後ろにある和室の中へと声をかける。すると障子が開き、中から中肉中背の男が出てきて私の隣に一人分のスペースを空けて座った。私はスペースを空けた意図に気付き苦笑しながらその人物の名を呼んだ
「相変わらずですね、ダジィ兄様」
「元気そうだなルティ」
ダジィ兄様、龍神ダジーハは生物界のトップに位置する龍種を管理している神である。ダジィ兄様自体も神というのを除けば種族的には龍種なので、姿は一部分だけ龍の特徴が見える人型、つまり龍人の姿をしている。
そんな人物がなぜここにいるのか、それは単に暇だからであろう。ダジィ兄様はこうしてしょっちゅう遊びに来ているため扱いにも慣れてきた。事前に茶菓子を用意するぐらいには
「このせんべいとやらはやっぱ美味いな、この香ばしい香りもとても良い」
「ファニの分も残してあげてくださいよ?ダジィ兄様は釘を刺さないと全部食べてしまうんですから・・・」
すでに出していたせんべいを半分も食べているこの光景にも慣れてきてしまった、悲しいことに・・・
追加で他の茶菓子を持ってこようとした時、ようやくファニが到着した
ファニは、頼んでいた魚籠を抱えたまま庭に丁寧に着地して翼を仕舞う
「ただいまなのじゃ」
「おかえり、元気そうで何よりだわ」
「念話をしていたのじゃからそんなこと分かるじゃろうに」
「こうやって姿を見たほうが安心するのよ、こういうのを百聞は一見にしかずと言うのよ」
とりあえずファニも来たので魚を預かり、料理をするため調理場に移動する。圭太の記憶から読み取った魚料理が気になっていたため、今回こうしてファニを呼んだのである。もちろん圭太についての定期報告のためではあるけど
ご機嫌にスキップしながら調理場へ向かっていく私に、微笑ましい視線を向けられているのには気づかない振りをした




