装備調達と護衛の依頼
いつの間にかお気に入り登録数が25も……
ありがとうございます!
「待たせたな、これが金貨5枚だ」
しばらく経ち眠気が来たところでおっさんが戻ってきた
小さな袋に入れた金貨を渡され中身を見ると、金貨と思われる丸いコインが入っていた
それをポケットに入れてカッターをおっさんに渡す
「毎度あり。そういやお前さんこれからどうするんだ?」
「そうだな、とりあえず少し休みたいから宿を探すかな」
「それなら店を出て右に真っ直ぐ進んだ先にあるカモノアシ亭ってとこがオススメだ」
こうやって宿の場所まで教えてくれるのは助かるな、探す手間が省けた
おっさんのオススメだし悪い所ではないだろう
「そうだ、おっさん。出来れば俺の装備を見繕ってくれないか?ご覧の通り防具も何もつけてないし、カッターも売ってしまって何も無いんだ」
「よくあの武器を売ろうとしたなぁ。分かった、付いてきな」
おっさんに付いていき事務所を出て廊下を少し歩いたところにあるのれんを潜ると、様々な武器や防具といったものが陳列されている売り場に出た
ここで待っていてくれと言われ待つこと数分
おっさんは、いくつかの武器や防具を持ってきて近くのテーブルに置く
「とりあえずお前さんに合いそうなやつはこれぐらいか、そういや武器は何を使ってるんだ?」
「武器は特に決めてはないな、強いて言うなら剣だろうか」
「見たところあまり力は無さそうだし大剣や両手剣よりかは双剣みたいに軽くて手数で攻める武器が良さそうだな、これはどうだ?」
テーブルに並べた武器から取り出されたのは刃が細長く黒塗りの双剣
それを渡され手に持つ。武器の使い方はあまりわからないが少し試し振りをしてみる
ヒュンッヒュンッ
心地の良い風切音が聞こえ、双剣の軽さに驚く。これは軽いだけじゃなく切れ味も良さそうだな
双剣の性能に満足し、これに決めたことを言う
「それにするのか、なら防具はやはり軽いやつが良いな。これとこれとこれで……よし」
そのまま俺に合う防具を受け取る、渡されたのは鉄の胸当てと篭手、黒のグローブだった
サイズもちょうどよく制服の下に胸当てを着てもピッタリだった
黒のグローブを付けて篭手を装備する
腰に鞘を付けて双剣を納め一通りの装備が終わった
「見繕ってもらってすまないな、それで金額はいくらだ?」
「なぁに、これも仕事みたいなもんだ。お代はいらない、さっきのカッターのサービスとでも思ってくれ」
「それはありがたい。それじゃあもう宿に向かおうと思う、世話になったな」
「おうよ、武器が欲しくなったらまた来いよ!」
おそらく再び訪れることはないだろう、そう思いつつも片手を上げて店内から出た
店の外は先ほど座っていたベンチのあった道で未だに人がひしめき合っている
「確かここから右に真っ直ぐ行ったところにあるんだったか」
念のためミニマップを発動して迷子にならないように備えて歩くこと数分、目的地のカモノアシ亭に到着した
本当に真っ直ぐ進んだところにあり迷う要素が一切無く、ミニマップも杞憂に終わったようだ
カモノアシ亭の見た目はごく普通の木造建築、旅館みたいなものだった。入口の上には木の看板で店の名前が刻まれている
木製のドアを開け中に入るとベルの音とともに喧騒に紛れ声が聞こえた
「いらっしゃいませー!宿のご利用でしたらそのまま真っ直ぐ進んだ先にあるカウンターへ、お食事でしたら空いてる席にお座りくださーい!」
従業員の女の子がほかの客の対応をしながらも案内される
案内通り宿の利用のためカウンターに進む、カウンターには三つ編みを一つ下げた20代のお姉さんがいた
「いらっしゃいませ、宿のご利用ですね。何日間ご利用になりますか?」
「1泊で頼む」
「かしこまりました、では代金銅貨20枚になります。それとこちらの紙にお名前を記入してください」
「分かった、代金は金貨を出しても大丈夫か?」
「問題ないですよ」
渡された紙に自分の名前、そのまま書くとめんどくさいのでケータとぼかした名前を書く。うん、これからはケータ・カガミと名乗るとしよう
金貨を1枚渡してお釣りと部屋の鍵を受け取る。指定されたのは二階の奥の部屋だった
早速部屋に入り内装を確認する。部屋はごく普通の宿泊部屋でクローゼットとベッド、机椅子しかない簡素なものだった
机に装備を起き、早速ベッドに倒れ込み目を瞑る
(異世界召喚に巻き込まれ、始末されるのを回避して人を殺し、明日のために武器防具を新調したり、1日の数時間の内容にしては濃すぎる体験だったな)
今日起きた出来事を思い出したことで疲労感が増す、更に殺しの感触も思い出し気分も悪くなった
とりあえず今は休もう、流石に疲れた
襲って来る眠気に抗わずに身を委ね意識を手放した
ーーーー
朝日が窓から差し込み小鳥のさえずりが響き目を覚ます
今何時ごろだろうか、日の位置からして6時といったところかな。日本と同じならだが
ベッドから起き上がり軽く体を伸ばす、少し腕を回したりして体調にも問題ないことを確認する
机に置いてた武器防具を装備し、ステータスを確認する
加賀美 圭太
Lv.6
HP 420/420
MP 190/190
攻撃力 220+
防御力 190+
素早さ 130
器用 100
スキル 万能適正Lv.1 言語自動翻訳Lv.1
Aスキル 鷹の目Lv.1 気配遮断Lv.1 忍び足Lv.2 不意打ちLv.2 気配察知Lv.2 小型地図Lv.2 無限収納Lv.2 成長促進Lv.1 成長率増加Lv.1 双剣技Lv.1
称号 巻き込まれし者 万能神の加護
いつの間にかスキルが増えているな、しかもレベルもちらほら上がっててステータスも変化している
だがこれでも瀬戸には並ばないか……
ステータスを閉じて何とも言えない複雑な気持ちに溜息を吐く
とりあえず今は切り替えてこの国から離れないとな、そうと決まれば早く宿を出よう
片付けるほどの荷物もなく手ぶらのまま一階のカウンターまで行くと昨夜賑やかだった食事スペースには数人が朝食を取っているのが目に留まり、受付をしていたお姉さんに話し掛けられる
「あ、ケータさん。おはようございます、お早いお目覚めですね、朝食は無料で提供してますが食べていかれますか?」
「あぁなら貰おうかな」
「では空いてる席にお座りしてお待ちください、後ほど持っていきます。あ、朝食を頂かれましたらそのまま出てもらっていいですよ、チェックアウトはこちらでしときますので」
受付の言葉に頷き、適当に空いてる席へ座る
数分後食事が運ばれて来た
「うおっ、これは……」
出された食事は焼き魚、味噌汁、白米といった和食であった
日本の食事が異世界でも食べれることに感動しながらいただきますをして朝食を口に運ぶ
味はそのまんまでかなり美味しく、黙々と食べていたら直ぐに平らげてしまった
名残惜しく思いつつもごちそうさまをし、席を立ち外へ出る
まだ早い時間のせいか街にいる人は少ない
早速街から出るためにミニマップを使用して王城とは反対側にある街門を目指すこと数十分、目的の門へたどり着くと行列が出来ていた
最後尾と思われる場所まで行って自分も列に加わる
何もすることなくボーッとしてると1つ前に並んでる男に話し掛けられた
「暇そうですね。良かったら話し相手になってくれませんか?私も暇でして……見たところあなたは冒険者のようですが街の外で狩りでもするつもりですか?」
「いや俺は冒険者ではないよ、ただの旅人だ」
俺も暇だったので男の質問に素直に答えた
「ほぅ、旅人でしたか。見た所良い装備をしていたので勘違いしてしまいました。あ、申し遅れました。私はディール・ノスティンと言います。様々な国を行き来する行商人をしています」
「俺はケータ・カガミだ、さっき言ったとおり旅をしている」
遅れた自己紹介を互いにする
「ところで、ケータ様は身分を証明出来るのはお持ちなのですか?冒険者でなければ街の外へ出るのは難しいと思われますが」
「……いや、持ってないな。身分証明書が必要だったのか、参ったな。早いとここの国から離れたいんだが……」
ディールから街から出るには身分証明書が必要と聞き、持ってないため空を仰ぐ
どうしたものか
「冒険者になれば出れるのか?」
「はい、冒険者登録をしてギルドカードを発行すれば出れますよ」
「今から登録するしかないか……」
せっかくここまで来たのに戻らなければいけないことに憂鬱になる
また列に並び直しか
「よろしければケータ様を私の護衛として話を通しましょうか?商人の付き人であれば街を出ることも可能ですよ」
「それはありがたいが、タダではないのだろう?」
魅力的な提案をされるがタダで転ぶほど世の中は甘くないだろう
「そうですね、通常ならば代金を頂くところですがこちらの条件に答えてくれるならば請求はしません」
「条件って?」
「私の荷物の護衛をして欲しいのです、何分急にラタルに構えている本店に帰ることになりまして護衛を雇えなかったのですよ」
ふむ、悪くないな。俺自身どの程度戦えるかは分からないが受けて損は無いだろう
ラタルが目的地というのも好都合だ、他国に行きたかったからな。とにかくこの国から離れたいんだ
「分かった、ラタルまでの護衛引き受けよう」
「ありがとうございます、では護衛の仕事を軽く説明させてもらいますね」
条件を了承し、護衛を引き受けた俺はディールから仕事内容を聞く
「まずこちらの馬車と荷台を魔物や盗賊から護衛をしていただくのが主です。ここからラタルまではおよそ一週間ほど掛かりまして、途中野宿もします。その際には夜の見張りをお願いします。私の他にもう一人使えるやつもいるのでそいつと交代で見張りをしてください」
「そいつはどこにいるんだ?」
護衛が雇えなかったと言ってたが最低限1人はいたようだった。その人物がどこにいるかと聞いてみるとディールは目線で馬車を指した
「そいつは馬車にいます。おいリア出て来い!」
ガチャ
扉を開ける音とともに1人の少女が降りてきた
肩まで伸ばした透き通る青髪、底の見えない吸い込まれるような青の瞳、華奢な身体付きをしていてそれは今にも折れそうだと感じ印象に残った
ただそれ以上に目を惹くものが少女にはあった
猫耳と尻尾が付いているのだ。更に首輪をしており、服もボロボロ、この姿から導かれる答えは……
「獣人の奴隷か……」
「その通りです、おいケータ様に御挨拶をしろ」
少し足元がふらつきながらもこちらを向き、リアと呼ばれた奴隷が挨拶をする
「リア……と申します、よろしくお願いし……ます」
ぺこりとお辞儀をし、直ぐに馬車のなかに戻ってしまった
「なんで馬車に戻ったんだ?」
「一応彼女は商品でしてね、ラタルに着いたら売ろうと思っているので余計な傷はつけたくないのですよ」
なるほど、商品として扱ってるから馬車に常にいるように指示してるのか。そして今回の護衛の見張りの時だけ馬車から出るということか
異世界だから奴隷はいるだろうとは思ってたがそこらへんの常識も武器屋のおっさんに教えてもらえば良かったなぁ
成長促進Lv.1
獲得経験値が1.5倍になる
成長率増加Lv.1
ステータス上昇値が増加する
双剣技Lv.1
双剣で与えるダメージ1.2倍




