ケータ編1
ラミアの依頼を終えてその翌朝。俺達はそれぞれ休暇の日を3日設けることにした。理由としては俺がまだこの街を散策出来ていないことややりたい事があるためだ
てっきりリアは俺に付いてくると予想したのだが「私もやりたい事があるので」と言って朝から姿は見えなかった。ファニはまだ寝ている、どんだけ寝るのが好きなんだあいつは……
そんな中俺は朝食を食べ終えて宿屋から出た所だ
「さてと、とりあえず街をブラブラ歩きますかね」
特に宛も無くふらふらと街を彷徨うため歩き出す。しばらく歩くと大通りらしき道に出た。そこには店が多くあったので折角なので物色することにした
1時間後、物色を終えて途中で買った串カツを頬張りながら今度は大通りから外れた道に進んだ
アニメとかではこういった路地に入るとチンピラに絡まれるのが定番だが実際にはどうなのだろうか、と少し期待を膨らませつつ進んでいく
「結構奥の方に来たかな?」
串カツ(2本目)を平らげてから周りを見渡すと先程の大通りの喧騒が届かないほど奥の方に来たことに気づいた
ここらへんに出歩く人の姿はほとんど無く自分一人だけがこの世界の住人のような錯覚に陥るほど静かな場所だ
そろそろ引き返そうか、そう思った時前方から何やら騒ぎ声が聞こえた。野次馬精神が出て興味を持った俺は気配遮断と忍び足を発動しつつ建物の影から例の現場を覗き見する
そこにはボロボロの服を着た小汚い子供とそれに暴行している髭を生やしいかにも悪人ですという面をした、悪人Aがいた
何故Aにしたかというと悪人面したやつなんて沢山いると思うのでこれから増えても呼びやすいようにと名付けたのである
「おら!さっさとてめぇの持ってるもんを寄越せ!」
「うっ、うぅ……」
蹲って悪人Aからの蹴りを受ける子供は吹き飛ばされ建物の壁に激突する。その口から苦悶の声が洩れ、さらに口を切ったのか血が流れている
(これはマズイな)
このまま放置してしまえばあの子供が死ぬかもしれない。事情とか関係無しにここは助けた方がいいだろう、流石に俺の手の届く所で子供に死なれては寝覚めが悪過ぎる。建物の影からこっそり出て後ろから近付いていく
「ったく、餓鬼の癖に強情だな。さっさとそれを渡せば痛い目に合わずに済んだのによ」
「いや……だっ、これは……母さん……の」
「知らないね、それは俺が貰っ………て」
ドサッ
男が言い終わる前にエンチャントで睡眠効果を付与したハンカチを口に押し当て眠らせた。漫画とかで1度やってみたいランキング5位に入る薬品を染み込ませたハンカチで、というアレである
完全に意識を失ったのを確認した後子供のほうを向き声を掛ける
「大丈夫か?」
「は……はい」
こちらに向けられたその視線、表情からは怯えが見られる。例え悪人Aからの暴行を助けたからといってその人物が信用出来るとは限らない、そう思っているのだろう
確信した、この子は絶対長生きする
「警戒するのは構わないが一応これ飲んどけ、吹っ飛ばされて体痛いだろ」
ありがとう、とオドオドした様子で差し出した上級ポーションを受け取りそれを飲む。効果が出るのも早いようで蒼白になっていた顔色も徐々に回復してるのが分かる
「それじゃあ俺はもう行くから、お前ももう絡まれないように気を付けろよ」
子供を助けるという目的も果たしたので踵を返し元来た道を引き返す
その後ろ姿を眺めながら、ある決心をした子供がその場に残っていた
ーーー
「さて、これからどうしようか」
再度大通りに戻ってきたがまだ日は高く、これからどこに行こうかを考える。
悩んだ結果、この世界の知識を深めたいため図書館を探すことにした
数十分後
「だめだ、見つからん」
何度かそれらしき物を見かけたが雑貨屋だとか不動産屋だとかハズレだった
さてここで問題となるのはこれからどう探すかだ。ただ闇雲に探していてはいつ見つかるかも分からない
誰かに聞くのが一番だが誰に聞こうか、通りすがりの人に聞くのは何だか怖いな
ここで変に人見知りする自分に内心苦笑する
「あっ、ギルドに行けばいっか」
ギルドに行けばマリーさんやアルフレッドなど知人もいるので気軽に聞けるだろう
不在だった場合は仕方ないので諦めて他の人に聞くとしよう
方針を決め俺はギルドに足を運んだ




