依頼達成
爆睡していたファニを起こし、俺達は少し早めの朝ごはんを食べた。その後少しの休憩をする事でラミアも完全復帰したようで、ヘルプ先生からも魔力欠乏症は完治しているというお墨付きを貰えたので問題はないだろう
「それでは皆さんお待たせいたしました。帰るとしましょう」
ラミアが右手に転移石を持ち俺達に準備は良いかと最終確認してくる。荷物と言うものは無限収納のお陰で何もなく、後は帰るだけなのでいつでも帰る準備は完了している
「では行きましょうか、ブレイク」
転移石の発動キーワードを唱えると転移石が割れ、目の前の景色がグニャリと歪む。やがて元に戻ると一面の草原の景色は宿屋の部屋へと変わった
「無事に転移成功ですね、ラタルに着きましたよ」
「転移石ってのも便利なもんだな。さすが高級品なだけある」
一瞬で目的地へと移動出来たことに、それを実現してみせたアイテムの便利さに感心する。転移石自体が小さいため荷物もかさばらないので、どこぞの青色狸のドアよりも利便性が高いのではないだろうか
いや、しかし転移石は目的地を1度登録しなければいけないらしいので一概に転移石の方が利便性に秀でているとは言えないようにも思える
元ネタを知ってる者が居ないので議論出来ない事が残念に思うのであった
「そういえばここはラタルの何処なんですか?見た所宿屋に思えますが」
「ここはフツフツ亭、お兄さん達の利用している宿屋ですよ」
むっ、確かにそう言われると部屋が俺達の利用している部屋と似ているように見える。宿屋なんてどこも同じものだろうと考えていたのでフツフツ亭だとは思ってはいなかったのである
そこで外側から勢いよくドアが開いた
バァン!
「ご無事ですかラミア様!」
「ええ、この通り無事に仕事を終えてきました。留守番ありがとうございますレガートさん」
ラミアと似た煌びやかな服を来たレガートと呼ばれた男。少し赤みのかかった茶髪を伸ばし眼鏡を掛けた中性的な顔立ちをしている見た感じ文官漂うその男は扉を開け放ちラミアの姿を視認するなりラミアを抱きしめた
どうやら俺達は眼中に無いようで、というより俺達に気づいてないようでこの状況に置いてけぼりを食らっている
「ちょ、ちょっと離れてもらってもいいですかレガートさん。流石に他の方々の視線が痛いです」
「ハッ!?これは失礼しました。」
ラミアも流石にこの状況を見られるのが恥ずかしかったのかレガートに離れるようお願いした。そこでレガートは他に人が居ることに気付き、それに素直に従いラミアの横に控えこちらに顔を向ける
「お見苦しい所をお見せして申し訳ございません。私は封巫女であるラミア様の副官であるレガートと申します」
「ご丁寧にどうも、俺はケータだ」
互いに自己紹介を済ませ手を出されたのでそれを取り握手する。予想に反して律儀な人だと心の中で思った
「お話は伺っております。ラミア様の護衛ありがとうございます。ギルドの指名依頼についてはこちらでやるべき手続きを済ませておきましたので、後はギルドの受付に行っていただければ報酬を受け取れますよ」
「ありがとうございます。それじゃあ早速報酬取りに行こうかな。ラミアとはここでお別れか」
既に依頼は完了したのでラミアとはここでお別れである。お別れ、と聞いた時に一瞬だけラミアの表情が変化したのを見逃さなかったが俺はここで慰めの言葉をあえて掛けないようにした
ここでまた会えるなどと言ってもその保証はどこにもない。この異世界は日本とは違い平和ではない、いつどこで何が起きるか分からないしそれによって命を落とすかもしれない。俺のレベルはアルフレッドよりも高いが慢心はしない、迷宮で出会った色覚の魔族なんて俺よりもっと強いはずだ。その事もラミアも分かっているはずである
「じゃあなラミア」
「バイバイ、ラミアちゃん」
「達者での」
「はい、お疲れ様でした。それとありがとうございました。さようなら皆さん」
ラミアとレガートが見送るのを後にし俺達は部屋から退出した。その後はギルドに向かい報酬を貰って依頼を完了した
「さて、依頼達成だな。今日は打ち上げだ!」
「「おぉっー!」」
仕事を終え、今日は打ち上げということで全員がテンションを上げながら帰路に着いた
第2章はここで終わりです。次から新章ですがその前に各キャラ毎の番外編を投稿したいと思います




