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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第2章 ラタル入国・冒険者活動編
51/91

回る歯車

なんで0:00付近だと接続障害が起きるのだろう?




 先程の場所から少し離れた場所に野営するのに適した場所があったためそこに向かい火を焚いて傍にラミアを寝かせた。日はもう落ちかけており空気も冷えてきたので毛布を被せるのも忘れない


「迷宮があんな風に崩壊してたから外はどうかと思ったが、そこに迷宮があったかなんて分からないほど元の光景に戻ってるんだな」


「そうですね、誰もあそこに迷宮があったなんて気づかないでしょうね。迷宮内で感じた魔力なども感知できません」


「魔力感知でも覚えたのか?」


 今までのリアなら魔力や気配は五感で察知していたのに対し今回は五感の何かを使ってる素振りは見えなかった。考えられるとしたら迷宮で覚えたのだろうか


「迷宮でいつの間にか覚えていました」


「それならレベルも上がったんじゃないか?」


「レベルアップはたぶんしていないと思います。そんな感覚が無かったので」


 結構な数の魔物と相手していたのにレベルアップはしていない……か、今思えば俺には成長率増加があるのであれだけで普通はレベルアップしないのかもしれない


「ケータの成長速度が早すぎるんじゃよ」


「あ、やっぱり?」


 ファニの指摘が自分の予想と一致した。別段レベルが上がることに不満がある訳ではない、この世界を冒険するのに困ることはないだろう。しかしレベルが上がることでどんどん人外になってしまうのではないかと不安にも思う


「ちょっと散策してくる」


 少し風に当たりたくなり、お供しますというリアの申し出を断り1人でしばらくぶらぶら歩く

 既に日は落ち空には夜が広がっている。金色に輝く月と黒い海に浮かび僅かな光を発している星がとても綺麗に自分の目に映る


「さて、と」


 シュッ


 一呼吸を置いて手元に短剣を忍ばせ、斜め後方にある木に向けて投げ放つ

 短剣の刺さった箇所の空間がグニャリと歪みそこから炎を象徴したような小人のようなものが姿を表した


「魔物ではないな、お前はなんだ?」


「・・・」


 喋らない……か、そもそも会話が通じてるのかも分からなければ相手が話せるかも分からない

 さて、どうしたものか


 プルプルプル


「・・・?」


 対応に困りどうしたものかと頭を悩ませていると突然炎の小人の体が小刻みに震え始めた。嫌な予感がする

 更に周囲の魔素がその小人に集まり始めているので俺の予想が当たってるようだ

 魔素を体に溜め込んでいった炎の小人は徐々にその体を風船のように膨らませていく

 要するに自爆である


 ドゴォォォォォォォォンンン!!!


 爆音がなり更に爆発で発生した衝撃、爆炎や爆風がこちらに向かって襲いかかる

 まともに受ければ全身やけどなどその他もろもろで1発KOだろう


「フリーズ、ハイウェントス」


 俺はただ一言そう呟き氷魔法を発動させる。体から冷気が広範囲に発生し、アルフレッドとの模擬戦の時のように爆炎を凍らせる。しかし炎を凍らせても衝撃や爆風はまだ残っている

 その衝撃全てをそれに衝突させる形で暴風を発生させ爆風もろとも相殺した


「ふぅ、こんなもんかな」


 爆発による被害は全くのゼロ、周りの木々に延焼する前に発生した全ての炎を凍らせたので火事になることも無かった

 それにしてもあの小人は何だったのだろう。迷宮から出てからずっと視線を感じていたのでおそらく誰かが監視してたと思うのだが一体何の目的があって監視しているのか見当もつかない


「考えても仕方ないか、リア達の所に戻ろう」


 そうして俺はその場から踵を返した


 ーーー


 ラタルの王城のある一室にて1人の少女が瞼を開けた

 その少女の傍にいた仲間の青年が少女の目覚めに気付き声をかける


「何か異常でもあったのか?」


「あっ、イヌイさん。実は監視に回していた精霊が一体やられました」


 イヌイと呼ばれた青年は少女の言葉に驚きの表情をする


「まさかヒメの精霊術に気付いたのか」


「いえ精霊を察知されただけなので、こちらの目的までは悟られていないはずです。とはいえ監視していた事は気付かれたかと思います」


 ヒメと呼ばれた少女はイヌイに起こった出来事を簡潔に説明した。イヌイは報告を聞き、少し思案するとヒメにある提案をした


「とりあえずこの事は皆を集めよう。ヒメの精霊術を察知するだけでも異常事態だ、この事は皆に相談して意見を聞きたい」


「確かにそうですね、では監視はどうしましょうか?」


「他の精霊を回すことは?」


「可能です」


「ならそうしてくれ、皆には俺から声を掛けておくよ。今日の夜いつもの部屋で集合で」


「分かりました。では私はもうしばらく精霊術で監視しておきますね」


 皆を集めるにはまだ少一時間程掛かる筈なのでイヌイの、頼んだ、という返事に頷き監視を再開する


(イフリートがあの場で自爆するなんて意外でした、ケータって子案外侮れない相手かもしれないですね)


 監視に回していたのは炎を司る大精霊イフリート、熱の力でステルスを発動出来るので隠密に向いた精霊なのだが、大精霊は基本戦闘力も魔法も優れており自分より格下、同等ぐらいなら記憶に干渉することが出来る。しかし今回存在を気付かれたケータには記憶干渉という手段を選ぶことなく自爆することで出来る限りの情報流出を防いでいた

 つまり少なくとも大精霊よりもケータの方が上の存在である可能性が高いのだ


(正直敵に回したくないですね……)


 そんなヒメの思いに関わらずケータ達と対面し今後の運命を決めることになるのをまだ誰も知らない


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