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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第2章 ラタル入国・冒険者活動編
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魔力欠乏症

2話連続投稿ですm(_ _)m




 ーーー


 一足先に迷宮を後にしていたトーコは崩壊している迷宮を離れた場所から眺めていた

 入口のあった樹は周りの樹とともに粉のように風に吹かれて消えていった

 しばらくすると青い光が2つ現れ、その中から先程出会った冒険者達が出てきた

 その中の1人を見ながら私は楽しそうな笑みを浮かべる


「ふふっ、ケータ、ケータね。生きていれば面白いこともあるものよね」


「何か良いことでもあったの、トーコ」


「あっ、サラちゃん」


 後ろから話し掛けてきたサラと呼ばれた人物が横に並び、私の見ていた所に視線を向けている

 見た目は私よりも頭一つ分程背の小さく桃色の長い髪と魔人の特徴でもある角が目立つ女の子だが、この人物は私の仕える魔王様である。サラとは奇妙な出会いをし紆余曲折を経てこういった2人だけの時などはちゃん付けで呼ばせてくれる程二人の間には信頼関係が築かれている


「そっちの仕事は終わった?」


「なんとかな。例の如くギルバルドの邪魔があったが」


「ありゃ、それはお疲れ様」


 今の会話に出てきたギルバルドとは、これもまた魔王の1人なのである。魔王は現在サラ・S・ウィスペリアの他にもギルバルド・S・アルケリー、ポーラ・S・シュランゲンの計3人居るのである。この中のギルバルドとはサラと意見が合わずよく衝突しているためサラが何かしようとする度に邪魔をしてくるのだ


「ギルバルドはその内戦争でも仕掛けてきそうだよね。対策は大丈夫?」


「問題無いわ。それに準備が着実に進んでいる今ならむしろ仕掛けられた方が好都合かもしれない。ここでギルバルドの過激派を潰せれば、私達の目的の大きな問題が一つ無くなることになるもの」


「そっか……確かに私達にとってあいつらは邪魔だもんね」


 私とサラには一つの目的がある。今はその目的達成のために様々な根回しなどをしているのだが、ここで挙げていた通りギルバルドという1人の魔王の存在が邪魔なのである。もう1人の魔王であるポーラは特に何も無く、私達の目的を知っていても事態を静観する中立という立場を貫いている。そのため問題であるギルバルドがこちらに喧嘩を売るならむしろ好都合なのである。ポーラからの援護が期待出来ない代わりにポーラが敵に回る事も無いため

 ギルバルドと正面切って対峙出来る


「そう言えば何を見ていたの、崩壊する迷宮を見てた訳でも無いのでしょう?」


「ちょっと面白い人間に出会ってね」


「へぇ、トーコが興味を持つ人間ってのは私も気になるわね」


 私の言葉に心底驚いたような反応を返され思わず笑みが溢れる。私はこれでも魔族の中ではトップクラスの実力を持っている自信がある。現にサラと言う魔王の親衛隊隊長をやっているなら尚更だ。そんな私が興味を持つ人間がいると言ったら、サラが気にならないという事はないのだろう


「戦ってはいないけど、あのケータって人間。もしかしたら人間の中で最強格にあたるかも」


「それ程の人間が今まで無名なのが気になるな、ケータという名前は聞いたこともない」


「たぶんラタルの第二王子お抱えのあの子達やタイランのあの男並に強いんじゃないかな」


「あいつらと同等か、少しマークしといた方がいいかもしれないな」


 ケータが無名である理由に推測は出来るけど確信がない。もしこの推測が当たっているならもしかしたらケータは私の……、いや、ここで考えても仕方ないことである。理由なんて後から分かるのだ、ならその答えを聞いてから考えてもいいだろう


「そろそろ帰ろうか。サラ、ゲートお願い」


「そうだな、ゲートオープン」


 余計な考えを頭から一旦消し去りサラに帰るためのゲートを用意してもらう。サラはゲートという移動魔法を使用できるためこうして楽に帰ることが出来るのだ

 サラの出したゲートを潜り、私達はその場を後にした


 ーーー


 一方その頃迷宮から外に転送されたケータ達は全員無事な事に安堵の息を吐く


「ふぅ、どうやら皆無事に転送されたみたいだな」


「そのようですね、ラミアさんもファニも皆いますね」


 リアとファニは俺のすぐ近くにいたがラミアは触れ合ってなかったためか少し距離の離れたところに転送されていた

 ラミアの下に向かおうとするとラミアが姿勢を崩し倒れそうになる。それに気づき咄嗟に俺はラミアに駆け寄り倒れそうな体を腕で抱える


「大丈夫か!?」


「は……はい………、ちょっと……魔力を……使いすぎ……たみたいです」


 腕の中でラミアは息切れを起こし荒く呼吸を繰り返している。顔色もあまり良くないため状態は悪いのではないかと心配になる

 こういう時はヘルプ先生に聞いて的確な処置をするべきだ、と思い立ったが吉日ヘルプ先生に早速質問することにする


(ラミアの顔色が悪い原因はなんなんだ?)


 〈解 魔力不足による一時的な魔力欠乏症と見られます〉


 詳しく話を聞くと先程の迷宮封印に魔力を使いすぎたため、突然魔力を多く失ったことに身体が対応しきれずにこうして体調不良を起こしたようである。これがヘルプ先生の言う魔力欠乏症だそうだ

 これを治すには魔力を回復する必要があり、マナポーションを飲ませればいいのだが、魔力欠乏症の時にマナポーションを摂取しても徐々に回復する、その速度が上がるだけで魔力は即時に回復しないらしい。

 しかしマナポーションを飲ませ休ませておけば回復するらしいので俺達は近場で野営をすることを提案し反対意見が無かったので早速ラミアにマナポーションを飲ませ、野営の準備に取り掛かるのであった

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