色覚
スマホ直るのが遅くなりそうなので別端末で急いで書きました
次回更新も遅くなることがあるかもしれませんのでご了承ください
そして俺たちは20階層についた
道中にあった墓標にすら見えた魔物の死骸を見て嫌な予感はしていたが俺たちは進んだ
そして俺たちは見てしまった、この迷宮の先客を
「へぇ、まさか人間でこの迷宮の最深部まで来れるのがいるなんてね」
ボスであったであろう魔物の死体の上で刀をクルクルと弄っている黒いコートを着込み仮面を付けた謎の人物
おそらく途中にあった魔物の死骸もこの人物がやったのだろう。それを証明するかのように踏み台にしているボスがどんな魔物であったかなど死体の状態があまりにも酷すぎるため判別がつかない。前述と共通している
「お前がこれをやったのか?」
「うんそうだよ。迷宮のボスって不憫な存在よね、力量差が掛け離れてる相手に否が応でも襲わなきゃいけないんだから」
いつでも戦闘に移れるよう構える。相手の力量が不明、いや少なくとも今の自分よりも格上であろう相手に対して油断を抱いてはいつ死ぬかも分からない
「なんだか物騒ね。……そう思わない?」
「……っ!?」
瞬きなんてしていなかったほどに警戒していたのに俺は相手を見失ってしまった
そして見失ったのを認識すると同時に相手は既に間合いを詰めていたのだ
目の前の相手に向けて抜刀し斬り掛かるがその刀身を摘み止められてしまう
「反射的にここまでの反応が出来るのは良いけどまだ足りないわね」
「くっ…!」
力任せに摘み取られ手から刀を奪い返し距離を取る
こんな状況なのに何故か殺せ…!って単語が思い付いたのは内緒だ
さて、冷静に状況を分析しよう
謎の敵現る、一瞬で間合いを詰められる、攻撃防がれる
うんやばいな、正直無傷で倒せると思えない
そんな事を考えている間にも状況は動いており、リアとファニが相手の背後から奇襲を仕掛ける。相手はこちらを向いておりリアとファニは死角を取っている
決まったか?と思うが、案の定防がれている。こちらを向いたまま片腕以外動かさずにだ
「「……!?」」
「私には奇襲は通じないよ。私に死角なんてものはない」
ファニの至近距離からの魔法を刀で斬り消し、リアの双剣を返しの刀で受け止める。ファニの魔法が消されたのが気になるがあの刀に何か魔法に対抗する能力があると推測する
そして相手が言った死角がない、その言葉の意味を考える。仮面を付けているから前が見えないというわけでもなく、背後からの奇襲や死角からの攻撃にも対応出来る。最初に思い浮かべるのは気配察知だがそれだけではない気がする
試してみるか、そう思い無限収納からゴーレムから取れた余った鉱石を3個投げる
一つは真っ直ぐに、一つは孤を描くように上に、一つはカーブを掛け横に
そのどれもが刀で斬り落とされる結果になった
(やはり気配察知以外の何かを見ているな)
仮面には目の部分に穴がないため投げた鉱石は見えてないはずである。無機物では気配がないため気配察知だけならば鉱石は当たってたはずだ
それがいとも簡単に防がれたのを見るに何か別な方法で見ていると考えるのが妥当だろう
「そんな仮面付けてて見えるのか?」
ここは直球に聞いてみよう、答えてくれるかは分からないが何かしら情報があるに越した事はない
「うーん、見えるとは言えないけど認識は出来るよ。それにあなた達はこの仮面を外す程の相手では無いだろうし」
認識は出来るというのはどういうことだろうか、気配ではないなら温度とか、サーモグラフィーというやつだろうか
ともかく一連の流れを見たら相当な実力者だというのは確定している
では何故そのような人物がここにいるか、目的が分かれば戦わなくても済むかもしれない
俺たちは迷宮を封印出来ればそれでいい。無用な戦闘は避けたいのが本音である
「お前の目的はなんだ、何故ここにいる?」
「そんな事より私の質問に答えてよ。あなた達どうやってここまで来たの?ここを攻略出来るような人間で私が知らない人物なんて気になってしょうがないわ」
「どうやってもなにも普通に魔物を倒しながら来た」
「ここに来れるって事は近くのラタルの人間って考えるのが普通よね。あそこのSS冒険者でもないし、第二王子のお抱えのあの子達でもない。あなたは一体何者なの?」
仮面の奥、見えないはずの所からこちらを覗かれる感覚がする。スキルを使われたとかでは無く、単なる錯覚だろう。しかし下手な返事をしたらどうなるか分からないといった不気味さや恐ろしさを感じるこれは本物だろう
「俺は……ただの冒険者、ケータだ」
「ケータ、ふーんケータか。でもやっぱりそんな名前知らないや。まぁ、名乗られたからには私も名乗っとこうかな」
そこで仮面の人物は俺達にコートの端を摘み一礼をして自己紹介をする
「私は三大魔王の1人、サラ・S・ウィスペリアの親衛隊隊長、『色覚のトーコ』。以後お見知りおきを」




