リアとの対話
お待たせしました!更新再開です
ゴーレムを全て消し飛ばし撃退した俺達は13階層まで進んでいき途中で湧き水のある開けた空洞に行きついた
「お兄さん、そろそろ休みませんか?ちょうどいい場所に来たので…」
「そうだな、どれくらい時間が経ったかは分からないがそろそろ休むか」
皆が疲労の溜まってきたような状態になっているので休みの案に賛成する。
ラミアと話し合い見張りの順番を決め睡眠の備えをする。寝れる時に寝なければ次いつその機会が訪れるかも分からないのが迷宮探索だそうだ
寝ている間の見張りは2人にしローテーションさせる。時間に関してはラミアの持っている砂時計を使うことになった。この砂時計の時間は不明だが砂が落ちる穴の大きさや砂の量を見るに2時間はありそうである
次にヘルプ先生に無限収納に無造作に入れた大量発生時の魔物の肉などを食べられる物だけを選別して貰いそれをトレントの枝に刺して焚き火の火で焼き、肉の焼けた匂いに魔物が釣られないように風魔法を利用する。やはり魔法とは便利なものだと実感した
パチパチッ
木が焼ける音が洞窟に響く。食事を終えたため俺は武器の手入れなどを、ファニは瞑想、ラミアはアイテムの整理をしており、そんな俺達にリアはお茶を用意している
お茶を入れる道具なんていつ用意してたのかと疑問に思い、聞いてみるとファニと出掛けていた時に購入していたようだった
渡されたお茶を受け取りお礼を言う
「ありがとう、リアの双剣とかは大丈夫か?」
「そうですね、トレントやゴーレムの戦闘で少し刃こぼれが出来ました」
「ならついでに整備しておくよ」
お願いしますと双剣をメイド服の袖部分にある無限収納から取り出し渡される
双剣を焚き火の光に当てて状態を確認すると確かに刃こぼれが出来ていた
「武器屋のおっさんの武器も大分ガタが出てきたな、修理するついでに新しい武器でも作ろうか?」
「お手を煩わせるのは…」
「そこまで遠慮しなくていいよ、リアに死なれるほうが俺には困る。それにスキルのレベル上げにもちょうどいいからさ。何か希望はある?」
リアに作って欲しい武器を聞いてみる。希望を聞くのはいいが性能の良い物が作れるかはまた別であるが無いよりはマシだろうという考えである
「ならナイフを10本程で」
「ナイフか。今ある材料なら10本作っても余裕があるな」
ここの迷宮でゴーレムが鉱石関係のアイテムをいくつも落としていったのでナイフ程度ならそれだけでも結構な数が作れてしまうのだ
早速作るため鍛冶スキルを使用。使用者にしか見えない半透明のウィンドウが出現する。そこには武器作成、武器修理と二つの項目があり今回は武器作成を選択し次に作る武器と素材を選択し作成をする
目の前に10本のナイフが出来上がりこれで作成終了だ
後は双剣の修理だな。鍛冶スキルから今度は武器修理を選択する。修理する双剣とまだ残っている鉱石で修理する。先程のナイフの置かれた場所に綺麗に修復された双剣が出来上がった
「ほい出来たぞ、使い勝手とか確かめてみてくれ」
完成したナイフ1本をリアに渡す。リアは受けとった後軽く素振りを行い使い勝手を確かめたが問題無いとのことだ
ついでに自分用にいくつかの武器を作成する。片手剣のロングソード、両手剣のバスターソード、双剣、槍のランス、斧のハルバード、投擲用のナイフをそれぞれ作り使い心地を確かめる
〈スキル 剣技 槍技 斧技 投技を獲得しました〉
武器を軽く素振りしただけでスキルを獲得してしまった。双剣技が双剣装備時の攻撃力が上昇する能力だったのでこれらも攻撃力上昇系と予想し効果を確認する
剣技Lv.1
片手剣 両手剣装備時、攻撃力が上昇
槍技Lv.1
槍装備時、攻撃力が上昇
斧技Lv.1
斧装備時、攻撃力が上昇
投技Lv.1
投擲武器の使用時にその攻撃力が上昇
予想通りだな。Lv.1でどれくらいの補正が掛かるのかは不明だが高くないことは分かるため合間合間にレベル上げをした方が良さそうだ
全員やる事を終えたため睡眠に入る。最初に寝るのはファニとラミアであるため見張りは俺とリアだ。気配察知を常時発動し周囲の警戒をする
俺は焚き火を挟む形でリアの対面に座っている。リアの姿を暫く眺め口を開く
「そういえば肺血病は完治したんだな」
「そうですね。もう呼吸も苦しくありませんし体調も優れています」
「まぁ魔物とあれだけ戦えるなら元気だよな」
「ふふっ、そうですね」
リアが笑うのを見て俺も笑顔になる。初めて出会った時のリアは生きることを諦めていた。誰かに支配されることを受け入れ近付いてくる死を認識していたあの時ではこんな顔は出来なかっただろう
だから今、リアが笑ってくれる。そんな普通な事が今では嬉しく思う
(まるで子供の成長を見る親だなこれは……)
リアは姿もあの時と変わっている。不健康な痩せ細っていた体も今では肉も付き健康的な体になりつつある。しかし体の一部が育ってないことは気にしないことにしよう
「私はあの時ご主人様に救われました。このご恩は一生忘れません。このご恩を返すため私はこれからもご主人様に付いていくと決めました。ご主人様は迷惑では無かったですか?」
「迷惑なはずない。リアみたいな可愛い子が俺なんかに付いてきてくれるなんて素直に嬉しいよ」
「ふふっ、お世辞でもありがとうございます」
お世辞では無くリアは可愛いと思う。青に透き通った肩まで伸ばした髪、髪色と同じ色のくりんとした目や整った顔、それに更にメイド服なんて着ていたら文句の付けようがない
そんな素晴らしい外見を崩す物が無ければ完璧だろう、とリアの首に付いた首輪を見る
「やっぱりこの首輪が気になりますか?」
「俺はリアを奴隷と思ってないからな、どうしても奴隷の象徴になるその首輪を付けている事に違和感を感じるんだ」
いくら成行きとはいえ主従の関係となってしまったリアに引け目を感じてない筈がない。リアが望んでいなければすぐにでも外したいぐらいだ
それでもリアが付け続けるのを望んだのは命の恩人への恩返しをするため。奴隷じゃなくても恩返しが出来るのにそれでも奴隷でいたのはリアの決意からなのだろうか、俺にはわからない
だがいつか、きっといつか、首輪を外せる時が来ることを願わずにはいられなかった
「リアが付けるのを望むなら俺は無理やり外すようなことはしない。だけど外したい時が来たら絶対に俺に言ってくれ」
「はい」
リアの返事に満足し焚き火に視線を移す。リアも同じく焚き火に視線を移しておりしばらくメラメラと燃える火をボンヤリと眺めていた
「ご主人様………ありがとうございます」
「あぁ」
その感謝の言葉が何に対してのものかは分からなかったがリアなりに感じるものがあったのだろう。特に気にすることも無く俺たちは交代の時間まで見張りを続けた




