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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第2章 ラタル入国・冒険者活動編
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怒りのケータさん

 ケータ達がブレードマンティスと戦闘を始めた頃、その更に下層で仮面を付けた1人の人物が天井、ケータ達のいる方を見ていた


「誰か…いる?」


 ポツリと篭った声が零れる、それを聞いている者は誰1人としていない。ここにいるのは私だけで襲ってきた魔物は全て殺してしまった

 魔物の死骸がまるで私の辿った道のように散らばり血の臭いなど死臭が充満している


「この迷宮に来るとしたら人間だよね、確かラタルに国家直属の迷宮の調査隊がいたっけか、たぶんその人達かな。気配と魔素の乱れからしておそらく10階層のボスと戦ってるのかな?もう復活したんだ……。でもこの迷宮を並の人間が攻略出来るのかな、そんな人物がラタルの調査隊なんかにいると思えないけど」


 察知した人物について考察していると後ろから奇襲する魔物5匹を察知した

 それらを振り向くことなく両手に握った2本の刀でバラバラにする

 ボトボトと肉塊が地面に落ちていくそれはもはやどんな魔物か判別することすら困難な死骸と化していた

 刀に付いた血を振り払い鞘に納める。またケータ達のいる方を向き顔に付けていた仮面を外す

 仮面には幻術が掛けられておりそれが解けて長い流れるような黒髪が顕になる。そしてもう一度天井に視線を移す

 その黒色の瞳が何を見ているのか、そしてその人物が何を思っているかを知るものはいない


 ーーー


 グォォォォォォォ!


 10階層のボス部屋にブレードマンティスの声が響き渡る。普通ならば威嚇などの咆哮に聞こえるだろう

 しかし今は違った、この声は悲鳴のそれだった


「なんだよ期待はずれだな、何かあると思ったら雑魚が湧いてくるだけとか舐めてるのか?」


 少し怒気を孕んだ声を出すケータの持つ刀にはブレードマンティスの血が付着しており、その側にはブレードマンティスの腕が2本転がっていた

 あの後ブレードマンティスと数分間戦闘していて、突如全方位からカマキリの子供のような魔物が何十匹も現れた

 子供カマキリに応戦するがここでケータが氷魔法を軽く発動したのだ。しかしケータの軽くは常人からしたら実際に軽くなく一瞬で子供カマキリを全て凍らせてしまった

 あまりの呆気なさに積もりに積もった怒りが爆発しケータはブレードマンティスに一瞬で詰め寄り腕を斬り飛ばしたのだ

 そして現在に至る訳だ


「ご主人様かなりご立腹のようですね」


「ケータの迷宮に対する思いは病的なまでに異常のように思えるのう……」


「お兄さん怖いです……」


 リア達がケータに対し様々な事を感じる中、当の本人はブレードマンティスの首を切り落とし絶命させていた


「このブレードは何かに使えるかな、一応取っとくか」


 切り落としたブレードの腕がそのまま残っていたので無限収納に入れ一行は次の階層へと歩を進める

 階段を降り11階層に辿り着く


「ここが11階層か」


「今までの階層と雰囲気が違いますね」


 リアの言う通り今まで草や枝が壁などに蔓延っているのから一転今度は石の敷き詰められた人口的に作られたものとも思える所だった


「石の通路か、迷宮らしいって言えばそれらしいな」


「やはり出現する魔物も変わってくるのでしょうか」


「おそらく変わると思います。今までは植物に関係する魔物が多く見られました。ですのでここからの階層で出る魔物も何か共通点があるかと」


 ラミアの話だとどのみち1度遭遇しないと分からないようだ。今はブレードマンティスより強い敵が出ることを願うばかりだ、今までの魔物じゃ歯ごたえが無さすぎるのだ


「ふむ、早速敵襲じゃの。数は5じゃ」


 ファニが立ち止まり警告するのを合図に戦闘態勢で待機する。目線の先にある暗闇から徐々に輪郭が見えその姿を現していく


「ゴーレム?」


 姿を現したのは全身が石と岩で出来た2m程の人型の魔物。俺のよく知るゲームに出てくるゴーレムそのものだった

 試しに氷の剣を投擲するが弾かれる、やはり体は硬いようで防御に関しては中々に高いと分かる

 物理が駄目なら魔法があるじゃない、という事で風魔法のウインドランスを放つ。魔法はゴーレムに直撃しゴーレムの体は粉々に砕け散った


「やったかの?」


「おいバカ。そういうのフラグって言うんだぞ」


「お兄さん、ゴーレムには核があるのでそれを破壊しない限り再生し続けます」


 そういう事はもっと早く教えて欲しかったなと心の中でツッコミをしてゴーレムの様子を観察する

 ラミアの言った通り10秒程経ってからゴーレムの砕け散った石や岩が一箇所に集まりゴーレムの姿に形作っていく


「これがゴーレムの再生か、核はどこにあるんだ?」


「その個体により様々です。多くの場合は頭か胸のどちらかですね」


 脳と心臓か……。しかし明確な場所が分からないため万が一外した場合また復活してしまう

 更に物理攻撃などに関しては中の上ぐらいの耐性を持っているため魔法を使うしかない

 魔法の制御は慣れてきたがまだ完全とも言えないので俺の場合外す可能性が高い、どうしたものかと策を思案する


「あっ、別に狙い撃つ必要も無いのか。跡形も無く消し飛ばせばみんな一緒だよな」


 そして敵対するゴーレムはその身を消し飛ばすことになった



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