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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第2章 ラタル入国・冒険者活動編
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いざ迷宮へ

「ここが入口になります」


 ラミアに案内され俺達は無事迷宮の入口についた。迷宮の入口は1本の大木に不自然にくり抜かれたような穴のようで、ここの木だけ周りより高くて太い特徴がありそれが迷宮の入口だと一目で理解できた


「これは中に入ったらどうなるんだ?迷宮の入口に見えてもどうやって迷宮に入るか分からないんだが」


「迷宮は入口に入れば自動的に転送されるんですよ。それでは皆さん早速入りましょうか」


 ラミアの言葉に全員が頷き入口に足を踏み入れる。何度か体験した風景が変わる感覚がし視界が定まったそこは迷宮らしく蔦の蔓延る洞窟のようだった


「迷宮に入るのは久しいのう」


「これが迷宮ですか、思ったより明るいんですね」


 リア達が迷宮に対する感想を呟いている間に小型地図を発動させ迷宮の情報を得られないか試みる。そこから分かったのは迷宮には階層があり、俺達のいるここは1階層であること。そしてここはそこまで広くないことであった

 気配察知と鑑定も使い敵の位置を割り出すとこの階層には17体の魔物がいることが判明した

 トレント×9、ゾンビウルフ×7、マザートレント

 トレントとゾンビウルフはレベル20代なので問題ないがマザートレントという魔物が危険かもしれない、レベルが42と高くリアと同じくらいだ


「ラミア、迷宮の1階層目って平均的にどれくらいのレベルの魔物が出るんだ?」


「迷宮にもよりますが、基本的に迷宮は1階層から強い魔物は出ませんよ。精々高くても15ぐらいです」


 これはかなりやばいのではないだろうか、ラミアの言ったことが本当であればこの迷宮は相当レベルが高い高難度のものということだ

 この情報は伝えるべきだろうが、しかし妙な勘繰りをされるも面倒だな……

 いやそんなことを言ってる場合ではない、これによって怪我人や死人が出たら目も当てられない


「ラミア、落ち着いて聞いてくれ。この迷宮は普通とは違うようだ、1層からレベル20代の魔物がいる」


「20!?そんな迷宮聞いたことありませんよ、レベル20なんてほとんどの迷宮では10層辺りでようやく出るレベルですよ!」


「だから落ち着け、とりあえずこの迷宮は思ったより危険な所らしい。そしてこのまま封印するために調査を続けるか続けないかはラミアが決めてくれ」


 俺はこのまま調査しても構わない、俺もリアもレベルに関してはマザートレントと同等ぐらいだ。ファニはまだ分からないが神の御使いを名乗ってるんだからある程度高いだろう、たぶん

 この中で問題なのはラミアだけなので本人の意思であれば撤退するのもいい

 依頼主を危険に晒すことは極力避けたい


「いえ、進みましょう。予知の導いたお兄さん達がいれば、いえここまで導いたのには何か意味があるはずです。無茶を承知で頼みますが一緒に来てくれませんか?」


「問題ない。ラミアだけが心配だったが君がそう言うなら大丈夫だ。早速やるとしますか」


 答えを出した時背後に潜んでいたゾンビウルフが仕掛けてきた。迫り来る爪を振り向かずに刀で受け止め流すことで体勢を崩し無防備になった背中目掛けて一閃。体を真っ二つにされたゾンビウルフは絶命する


「さて行こうか。俺が前で魔物と戦う、リアは俺の援護、ファニは後ろでラミアを守ってくれ、俺とリアが崩れそうなら魔法で援護してくれ」


「かしこまりました」


「承ったのじゃ」


 ゾンビウルフを倒しても気を抜かずすぐさま指示を出し陣形を作る。今回優先すべきは迷宮の最深部までラミアを連れていくことだ、そのためラミアを守れるようこの配置にした


「あの、私は何をすれば……」


「ラミアは戦えるのか?」


「魔法による援護と護身程度は出来ます」


 ラミアは服の袖から短剣を取り出しそれを見せる。護身が出来るのは良いが時間魔法で援護とはどういうものなのか気になるな

 援護に関しては全魔法を使えるファニがいるのだし心配事も無いんだけどね、更にファニは俺よりも強い可能性が高い

 だからラミアが何も出来なかったとしてもある程度は安心出来たのだ


「なら護身に集中してくれ、護衛が居るとはいえ万が一の可能性も捨てきれない」


「分かりました」


 しかしファニがいても絶対というのは決して無い、ラミアには自分の身を守るのに専念してもらう

 とりあえず次の層に行ける場所を探すため歩を進める


「次はトレントか」


 キシャァァァァァ


 とこちらを威嚇している木の魔物トレントが3体が道を塞いだ

 氷魔法でナイフを作り一番近いトレントの頭目掛けて投擲する。ナイフは避けられることなく当たり、それを引き金に威嚇から戦闘態勢に入ったトレントは体から無数の枝を伸ばして攻撃してくる。リアは当たりそうな枝を全て切り落とし回避する、俺は紙一重で避けつつファニとラミアに向かった枝だけ切り落とした

 いとも簡単に攻撃を躱されたトレントは一瞬だけ怯んだため、その隙を見逃すことなくトレントを斬り付ける。1体を撃破し次のトレントを倒そうとするが既にリアが終わらせていた


「流石だな、怪我はないか?」


「問題ありません」


 リアに怪我がないことも分かり、ファニとラミアにも状態確認をする

 そこでカランッと音が聞こえ音のした方を向くと先ほど倒したトレントの死体が消え、新たに枝のようなものが落ちていた

 鑑定で確認をするとトレントの枝という名前の素材アイテムであった。ラミアに聞くと弓などに使われる材料らしい。使うかは分からないが無限収納に仕舞う。今まで倒した魔物の所をもう1度見ると必ず1つはアイテムが落ちていた

 探索を再開し歩きながら薬草から作成した回復ポーションを無限収納から取り出し全員に3本ずつ渡す。

 その後ゾンビウルフとトレントと遭遇するが全部撃破し残りの敵もマザートレントだけとなった

 ここまでに獲得したアイテムは

 トレントの枝×12

 トレントの樹皮×3

 折れた牙×8

 となっている。一体の魔物から複数のアイテムが落ちることもあると新たな発見もあった

 探索している内に狭い通路のような所から大きな部屋に出てきた。ここだけ迷宮の中では明るく周りが良く見える、ほかの所は少し暗く気配察知などが無かったら周りの状況を把握出来なかっただろう。スキルさまさまである


「あれがこの層の親玉か」


「トレントでしょうか、ですが先程まで戦っていたトレントより二回り程デカイですね」


「あれはマザートレントかの?」


 ファニが思い出すように口にした魔物名が正解であり、リアの言う通りマザートレントはトレントより大きい。マザートレントはトレントの上位種でA級配置の魔物だ


「ま、マザートレントって……A級配置の魔物がなんでこんな浅い所にいるんですか。この迷宮はやはり何かおかしいです」


「とりあえず今はあいつを倒すことに集中するぞ、考え事は後にしろ。来るぞ!」


 グボァァァァァァァァ!!


 こちらの姿、敵対行動を確認しマザートレントは咆哮をあげる。ビリビリと壁が揺れ土埃が落ち伸ばした枝が迫り来る。それを躱し俺とリアは左右に別れて展開しファニは敵の攻撃の範囲外にラミアを抱えて後退した


「さて実戦経験を積むにはもってこいの敵だな、しばらく付き合ってもらうぞ」


 マザートレントとの戦いが始まる



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