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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第2章 ラタル入国・冒険者活動編
36/91

語られる歴史の一端

遅れてしまって申し訳ありません!





「ケータ、その指輪はなんじゃ?」


「あぁこれか。これは今日ここに来る前に寄った出店で買ったんだ」


 リアが部屋に戻り自分もそうしようとした所ファニが俺の指に嵌った指輪を見て疑問を口にした


「ふむ、その指輪からは特殊な魔力を感じるのう、鑑定はしてみたのか?」


「まだしてなかったな」


 そういえばと、鑑定することを忘れていたのを思い出し指輪に鑑定を使用した


 ラピッドベリーの指輪

 Lv.MAX

 能力 身につけている間全ての状態異常に耐性が出来、無効化する


 状態異常の無効か、かなり便利な能力だ。それにしても店主は何にもないと言っていたのが気になるな、まさか店主が嘘を?いやそんな嘘をつくメリットがないか。単純に気づいてなかったのだろう


「どうやら状態異常に耐性が出来る指輪のようだぞ」


「なんの状態異常じゃ?」


「全部みたいだ」


「全部じゃと!?」


 指輪の能力について説明すると驚かれた、何か驚く点があっただろうか

 思い当たるとしたらこんな指輪を出店で売ってる点だろうか

 しかしその後ファニの口にした返答から驚いた理由に納得した


「状態異常全てに耐性を得る指輪なぞ滅多にないぞ、それこそ王国とかの国宝ぐらいじゃな。つまりそれは国宝級の道具、宝具じゃよ」


 宝具とはまたファンタジーらしい単語を聞いてしまったな。しかしこの指輪が国宝級というのも納得出来る。そもそも状態異常、それも一つでは無く全てに耐性が出来るなんて便利どころかチートと言われても良いレベルだ


「ふむ宝具か……お主よ、その指輪に製作者の名前とか書かれておらんか?」


「名前というと内側かな、指輪に名前付けるならそこに掘られてるはずだよな、えっと、なっ、これは……っ!!」


 指輪を一度外し内側を見てみると、非常に薄くだが彫刻がされておりその彫刻に驚愕した

 それを読んでみるとHiyori Kataseと掘られてるのが分かったのだが、これは俺のいた地球でのローマ字だと即座に理解した

 これを翻訳すると


「片瀬ひより……」


 片瀬ひよりという日本人の名前が完成した。そしてこの名前を聞いてファニは口角を釣り上げる


「これはまた面白いのう、まさかあやつの名が出るとは思わなかったぞ。」


「ファニはこの人物を知ってるのか?」


 俺の中で片瀬ひよりという人物の情報は非常に重要だ。なによりこの世界に俺と勇者4人以外の日本人がいるというのを考えても無かった

 召喚についてもそれに関与してる人物も調べた方が良さそうだ


「片瀬ひよりは200年前程前に名を馳せた勇者の1人じゃよ」


「勇者?」


 召喚された異世界人ってのは1人だけとは限らないのだろうか、しかしこの世界の人も勇者の可能性もあるか


「うむ、少し歴史のような話になるがの。200年前にこの世界では魔王を討伐するための魔王軍対人間での大戦があった。人間側は多大な犠牲を出したが、異世界から召喚された4人の勇者の活躍により無事終戦することが出来た。その時の勇者4人の内1人が片瀬ひよりじゃよ」


「なるほど、つまり英雄か」


 200年も前の話となると片瀬ひより本人は既にこの世にはいないか……

 この様子だと他3人の勇者も故人の可能性が高い、というかおそらくそうだろう

 しかしファニの今の話から疑問点が生まれた


「ファニ、その話では終戦と言っていたが人間側が勝ったんだよな?」


「そうじゃな」


「それは魔王を倒しての勝利か?」


 ファニは質問に言葉にせず首を振ることで否定の意を表した

 先程勇者4人の活躍で終戦したと言っていたが魔王を討伐したとは言っていない、つまり討伐以外で終戦にしたという可能性も出てきたという訳だ

 魔王を討伐しないで人間側が勝利、終戦という結果にする条件とは……


「封印……か?」


 封印ならばファニの言葉にも納得がいく、ファンタジー小説でもこういうのはよくあることだ。それでお決まりの展開としては魔王の封印が解けかけているかなんかしてその解決をするといったところか

 嫌だなぁ、そんなのめんどくさすぎる


「正解じゃ、お主は意外と頭も回るようじゃな。お主が言う通り200年前の大戦は勇者達が魔王を封印したことで終わらせることが出来たんじゃ。封印は今も変わりなくされておるから安心せい」


「その言葉だけで安心は出来ないんだがまあ、いいか。そうだ、明日の昼ここにお客さん来るからファニ達は自由行動でいいよ。リアにも伝えといてくれ」


「あいわかった」


 ファニがリアの部屋へ入るのを見送り、俺も自室に戻り眠りについた

 翌日、リアとファニは一緒に街へ出掛けたため俺は1人宿屋の食堂でマリーさんを待っている

 こんな時リアなら私も残るとか言いそうだったため対策を考えたのに拍子抜けだ


「確か2の鐘がなる時に来るって言ってたか、時計が無いとこういう時落ち着かないな」


 手元にある冷めた紅茶を飲む。運ばれた時はもちろん温かかったためだいぶ時間が経ってることが分かる


 カランカラン

 ゴーン……ゴーン……ゴーン……


 そこでフツフツ亭の扉が開く音と朝に聞いた時と同じ鐘の音が聞こえた

 そこに視線を向けると目的の人物がいた

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