ゴブリン討伐
前半はリア視点 後半はケータ視点です
爆音がする数分前、ケータと分かれたリアは指示通りに動いているとゴブリンの巣を見つけることが出来た。巣は森の中心部にある洞窟のようで出入口には2匹のゴブリンが見張りをしている。そこにご主人様によって所々負傷したゴブリンが入っていく、おそらく傷を治療するため巣に戻ってきたのだろう
さて、巣を見つけることが出来たのはいいのだが
「どうやってご主人様に知らせましょうか……」
主人であるケータからの見つけた際の指示をされていない。おそらくケータ様には何か考えがあるのだろうし勝手な行動は出来ない
ケータが指示するのを忘れていたとは露ほど思わないリアであった
「数は1…2…3……ざっと20匹でしょうか、依頼の最低討伐数は満たせる数ですね。30匹いると聞きましたが残りの10匹はどこでしょう」
考えられる可能性は巣の中に隠れているか、それかここにはいないのか
討伐した数だけの上乗せがあるから出来るだけ多く討伐したい所である
巣をしばらく監視しているとゴブリン達の様子が変わった。ゴブリン達が突然武装し始めたのだ。鑑定スキルが無いため詳しくは分からないが、ほとんどが革の鎧に身を包み、それぞれがナイフや槍、弓や剣、盾などといった武器を持っている
盾を持ったゴブリンは巣の出入口を塞ぎ、槍や剣を持ったゴブリンは出入口から少し離れた所に位置し、何かを警戒しているのかキョロキョロしている
見つかったら厄介なので隠密を発動し気配を消す。隠密はケータ様が持つ忍び足と違い、自分の気配を消して行動全てが相手に察知されにくくなるスキルである
私の場合詳しくは分からないが隠密のスキルレベルと自分のレベルは高い方だと教えられているのでゴブリン相手なら気付かれることはまずないだろう
(さてこれからどうしようかな、ご主人様を探して合流するのもいいですが……)
普通ならここで合流する手を選ぶのが最善だろう、しかし武装したゴブリンを見てから何だか胸の高鳴りがしてそれが止まらないのだ
(狩猟本能?それとも闘争本能?まぁどちらでもいいですが戦いたいな〜)
獣人なだけあって戦うことは意外にも好きだったリアであった
「何か合図をすればご主人様も気づくかな、そうと決まればそぉれ!」
結局本能に逆らえなかった私はゴブリン達が比較的1箇所に集まってる所を狙い、跳躍して落下の勢いを乗せた拳で地面に叩きつけた
ドゴォォォォォォォン!!!
地面が割れ、そこから吹き飛んだ土片や石が衝撃波と共に飛び散り、それに当たり何体かのゴブリンが戦闘不能になる
突然の襲撃に驚き体勢を立て直す前に双剣を取り出して近くにいた3匹のゴブリンの首を落とす
そこでゴブリンも態勢を立て直しそれぞれが武器をこちらに向けている
「今度は魔物だから手加減しませんからね」
ーーー
先程の轟音のした地点に縮地と瞬動を交互に使いながら向かう。この2つのスキルはどちらも移動系のものであり同じような効果に思うだろうが実際は違う。縮地は自分が今いる地点と視界上の移動先の地点とを結んで1歩で移動するスキル、簡単に言えばワープみたいなものだ。瞬動は自分のいる地点から目的の地点までに移動する速度を一瞬加速するものである
俺は縮地で使用後の硬直を瞬動で幾分か誤魔化しながら結果的に高速移動を成功させている
轟音のした地点に近づく事に血の匂いが強くなっていき顔を顰める。リアにもしものことがあるかは心配していない、すでに小型地図と鑑定、気配察知でリアがいることは確認している
そして目的地に着いた時、20体ものゴブリンの死体の山とともに笑顔でゴブリンの耳を切り落としているリアがいた。返り血塗れで笑顔でゴブリンの耳を切り落としている女の子って中々に怖い光景だな
「仕事が早いな、ゴブリンはこれで全部か?」
「はい、私が確認した巣のゴブリンは全て掃討しました」
「数は20体か、報酬の上乗せに期待だな。耳を取り終えたら帰ろうか」
俺も耳の刈り取りを手伝う、ついでにヘルプ先生に聞いたゴブリンの素材も取っておく
リアが先にやっていたこともあり作業は2分も掛からず終わった
今回のゴブリン討伐で手に入れたのは、確認部位の耳×20 ゴブリンの肝×8 爪×46 牙×22 魔玉×2という結果だった
爪と牙はギルドに売れるもので、肝はポーションの能力を上げるのに使えるらしくいずれ使えそうなので取っておいた
一番の収穫はこの魔玉である。ヘルプ先生いわく魔玉には様々な使い道があるらしく、魔玉は魔力を込めることが出来るものだそうだ。そのため魔力を貯めておき、いざという時に回復手段としても使えるみたいだ。他にも魔法を込められるため、魔玉を使えば込めた魔法を魔力の消費なしで1度だけ使用することも出来るみたいだ、これは攻撃手段としてとても有用だと思った。売却すればそこそこの金額になるらしいが勿論そんなことはせずに取っておく
「ドラゴン種の噂があったが結局出なかったな、出ても困るけど」
「そんなこと言うと何だか出てきそうですね」
「それ俺の世界ではフラグって言うやつだぞ、そんな事言ったら出てくるだろう」
グォォォォォォ!!!!
遠くから空気を震わせる咆哮が聞こえた
ほらやっぱりフラグだったじゃないか




