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万能使いの巻き込まれ異世界冒険記  作者: シャミュナ
第2章 ラタル入国・冒険者活動編
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巣の捜索

 ギルドから出た俺達は早速ゴブリン退治のため目的地である森へ向かった

 魔物大量発生のあった森と違ってここの森は空気が少し違う。その原因は森全体に漂う魔素が濃いためであった。そのためここは通称魔素の森と言われている。魔素とはいわばMPのようなものであり、それがあるかないか、濃いか薄いかでの環境では魔法を発動した際の効果に差が大きくあるらしい

 例えば魔素が濃いところでアイスミストを発動した場合、同じMPの消費量で効果範囲が通常時よりも500m程拡大出来るのだ。つまりMPの消費量にすら魔素というのは関係するということだ

 俺は気配察知と小型地図を魔素の恩恵でいつもより少ないMP消費で発動しゴブリンの巣を探す。思いのほか森が広いためゴブリンの巣の発見に手間取っている、その他にも理由があるのだが


「さっきから雑魚が多いな」


「ご主人様の手を煩わせる必要もありません、私だけで充分です」


 そう、先程から森を進む度にレベルの低い魔物に襲われ続けているのである。最初は俺が全て始末しようかと思っていたが、後ろにいるリアが近づいてくる魔物全てを双剣で真っ二つにしていた

 そのため俺達の通った道には魔物の死体が道しるべのように転がっていた。しかしその中で何かに使えそうな魔物の死体は無限収納に収納している


「転がっている死体とかも討伐確認部位さえ持っていけばお金貰えるのかな?」


「何かの討伐依頼が無いと難しいですね」


「ならいらない死体はそのままでもいいか」


 しかし、死体を放置しても大丈夫なのかと心配になってきた。もしも死体の腐敗が進んでそこから病気とかが広まったらと考えるとゾッとしてしまう

 

「ここはアンデッドのいる場所ではないので大丈夫でしょう。魔物の死体は他の魔物が食べるので後処理とかも問題ありません」


 リアの話によるとアンデッドという死霊系の魔物がいる所では死体がゾンビとなって再び襲って来るということがあるらしい

 更に死霊系の魔物には特殊なスキルの付いた武器を使わないと倒せないらしく、お金の無駄遣いがあまり出来ない今は相手したくない類の魔物だ

 ゴブリンの巣を探している内に、気配察知の範囲に1匹のゴブリンの反応があった


「リア、この先にゴブリンを補足した。巣を割り出すための考えがあるから手を出さないでくれ」


「承知しました」


 リアをその場に待機させ、俺は先行しゴブリンに近づいていく。ゴブリンの姿を確認しスキルの縮地を使い背後を取る

 ゴブリンがこちらの気配に気づく前に浅い斬撃を食らわせる


「ギャギッ!」


「目標は達成したし戻るか」


 ゴブリンの振り向きざまの反撃を後方に飛ぶことで避け、ゴブリンを殺すことなくリアのもとに戻る


「リアは確か獣人だから五感が優れているよな、この先にいたゴブリンの血の匂いから尾行することは出来るか?」


「問題ないですよ、それでご主人様はどうするのですか?」


「俺はまた適当にゴブリンを探す。そこでリアに頼みたいんだが、ゴブリンの血の匂いが濃くなった所に向かってくれないか?ゴブリンを見つけ次第死なない程度の傷を負わせる、そうすることで巣に逃げるやつが何匹かいるはずだ。それで巣を割り出したい」


 俺の作戦を聞き、なるほどと納得したリアはすぐさま行動に移り先程傷付けたゴブリンの方向に向かって行った。その姿を見送り終わった時に重大な事に気づいてしまった


「あ、見つけた時の合図かなにか決めればよかったな」


 これではリアが巣を割り出せても俺が分からないままになってしまう、ある程度ゴブリンに傷付けをやったら俺も尾行するか。今はそれぐらいしか良い案が浮かばない

 密かにリアが機転を効かせてくれると願い、俺もその場を後にした



 気配察知に引っかかったゴブリンに峰打ちすること数十分後、ちょうど10匹目に差し掛かったところで作業を中断した

 依頼の最低討伐数は15匹のため、確認した数はまだ少ないが巣を見つけられればノルマはなんとかクリア出来そうだ


「さてと、リアはそろそろ巣を見つけられたかな」


 負傷しているゴブリンが巣に戻ってくれていれば、戻っていくその数だけ血の匂いは強まる。それを特定出来ればいいのだが、一応この作戦には穴がある

 一つ、負傷させたゴブリンが巣に所属していない。流石に10匹全部が巣という集団に所属していないただの野良の魔物ということはないだろう、しかし万が一のこともある

 二つ、巣が一つではなく複数ある可能性。この場合その巣それぞれにどれくらいのゴブリンがいるのか、どれがどこにいるのかが分からない。更に片方を匂いで見つけても、もう片方は匂いで辿ることが出来ず地道に探すしかない

 三つ、負傷させたゴブリンが巣に戻る途中で死ぬ。魔素の森にはゴブリンだけが生息しているわけではない、他の魔物も勿論いる訳でそれらが必ずしもゴブリンと共存してるという可能性も低い。そのため他の魔物が負傷しているゴブリンを襲わないという保証はないのだ。もし襲われてそのまま死んだ場合、俺は巣を見つけることが難しくなり、ゴブリンの討伐確認部位も回収出来ないため損ばかりするのだ


「思い通りにことが進めばいいんだけどな。ドラゴン種が目撃されてるって話もあったし油断は出来ないな」


 ドゴォォォォォォォン!!!


 気を引き締め直した所、遠くから爆音がした。爆音がした方位から砂煙とともに突風が駆け抜けた


「なんだ?」


 気配察知の範囲を爆音の中心地まで広げ、そこに何があるのかを探る

 するとそこにはリアの反応があった

 どうやらこの爆音はリアの仕業だったようだ


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