33 欲望エゴイスティック
ルデルト王子は変わった。そう、城中のメイドや執事達の間ではもっぱらの噂だ。
自ら率先して様々な事を学ぼうとし始め、其れは一つの分野に限った事では無く、城内に有る図書室に膨大に保管されて居る本を読み漁る事から始めたルデルト王子。
本は何百年も前の物から、現在のに至るまで、種類は豊肥に存在して居る。
その大量に有る本を読み漁り、気になった事や疑問に思った事は全て書き出し、後から調べるという事を行って居た。
そんなルデルト王子の頑張る姿に、エリッタは其れは其れはとても嬉しそうに、何時も休憩と称してお菓子と共にコーヒーを淹れて居る。
そして勉強をし始めてからも、やはりルデルト王子は相変わらずエリッタを傍に置いて居た。しかし、集中して居る為、自らがエリッタを呼び付ける事はしなくなり、巻き込まれて居たメイドや執事達の疲労は幾分か改善され、本人達は内心ほっとして居るが、其れはルデルト王子には内緒だ。
だが、ルデルト王子が頑張って居る影響か、ルデルト王子が呼び付け無く共エリッタはちょくちょく傍に居る様になって居た。
「おいエリッタ、此れはどういう意味だよ。さっきから調べてんのに何処にも書いて無いんだけど」
「此れでしたら、此方の上の本では無く、下の本の五百四ページの二十九行目に載っておりますよっ」
「はあ? マジかよ。つか下の方は今俺が調べてるのとは種類が違う筈じゃ無いのか?」
エリッタの言葉にルデルト王子は机に広げて居た、辞典何個分なのか分からない程分厚い本を勢い良く閉じ、机の側に置いて居るキャスター付きの棚の上から、此方も同じく分厚い先程閉じた本と同じ本を掛け声と共に持ち上げ、机の上が揺れる程の勢いで反動を付け机の上に乗せた。
バンッと激しく音を立てて本を置き、エリッタの言葉通りのページ数を広げ、行に目を通し始める。
「確かに、現在ルデルト様がお調べになっていらっしゃる物とは種類が違うのですが、此方の方と関連して居ますし、此方での方が重要性が強いので此方の本に載って居るのです」
「ふーん…。たく、此れだけ重い本を広げる身にもなれっていうんだよ。迷惑な」
ぐちぐちブツブツと文句を垂れながらも、ルデルト王子はエリッタの言う通り己が知りたかった事が書いて有る本を眺め、其れをメモして居た。
そんなルデルト王子に、エリッタは微笑ましそうに眺めて居たのだった。
そしてまた違う日は、分からないと首を傾げるルデルト王子に、傍で見て居たらしいエリッタが、ヒントとなる事を敢えて独り言の様にポロリと溢したり、そんな感じでちょいちょい手助けをして居たりもして居た。
其れで、ずっと集中して居たルデルト王子は、傍にエリッタが居た事に初めて気付き、自分が呼び付け無くても傍に居る事に無性に嬉しく思う。
更に極め付けに、ルデルト王子を喜ばせる物が有る。
「流石ルデルト様です! 此の短期間の内に此処までお勉強が進んでしまうだなんてっ。素晴らしいです! 偉いです! とても頭が良い証拠で御座いますよ!」
「餓鬼に言うみたいに言うなよ! 何だ偉いって、つか頭の良い証拠ってこんなの馬鹿でも出来るだろ!?」
ルデルト王子のまとめたノートを手にはしゃぐエリッタに、ルデルト王子は文句を言いつつも内心ではかなり喜んで居た。
しかし其れを表に出す事等恥ずかしくて出来ず、喜んで居るのに迷惑そうにしか振る舞え無い。
「その様な気等有りません! ですが、本当に素晴らしいです。此れでルデルト様が王位を継ぐ日も、随分近くなられましたね! いいえっ、もう十分継げるレベルで御座いますよ」
「……そうかよ」
意気揚々と一人目を輝かせ語るエリッタに、ルデルト王子はそんなエリッタの顔から目を逸らす。
エリッタはルデルト王子が、少しでも王位を継ぐ気になったんだと思って居る為、嬉しそうにして居た。
しかしルデルト王子は、自分は王位を継ぐ気も、だからと言って国民の為にと知識を増やして居る訳では無い。
只エリッタに褒めて欲しくて、もっとエリッタの喜ぶ顔が見たいだけの為に頑張って居るのだ。
「どうかしたのですか? ルデルト様。顔色が優れませんが…。まさか何処かお加減でも!」
「別に何処も悪く無い! 良いからその俺の額に伸ばそうとしてる手を戻せ!」
熱が有るんじゃ無いかとエリッタがルデルト王子に伸ばして居た手を払い除け、ルデルト王子はフンッと鼻を鳴らす。しかしエリッタは其れでも未だ心配そうな表情を浮かべて居た。
そんな、他人の心配ばかりのエリッタを横目に、俺は本当に自分事しか考えて居ないんだよと、ルデルト王子はエリッタに、少し罪悪感を抱くので在った。
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今回は会話文ばかりで申し訳ないです><
そして最近のルデルト王子は壊れ気味で暴走気味ですね(汗)
皆さんに引かれないか心配です(+_+)




