第9話:合体技の閃き
「すごいです、蓮さん……! 魔法を使わずに、あんなに素早く……!」
ギルドの外に出た僕たちは、街の訓練場で言葉を交わしていた。
シルフは僕の動きと、背中の和弓に興味津々の様子だった。
「僕の国では、身体の使い方と道具の理を学ぶんだ。ところでシルフ、君の魔法を見せてもらってもいいか?」
「あ、はい……!」
シルフが杖を構え、集中する。
数秒後、彼女の前方に鋭く研ぎ澄まされた『絶対零度の氷槍』が形成された。
(すごい密度だ……。純度が高すぎて、硬度も相当なものだぞ)
「……でも、完成するまでに時間がかかりすぎて、モンスターに逃げられたり距離を詰められたりしちゃうんです」
シルフは悲しそうにうつむく。
確かに、単体で撃つには隙が大きすぎる。
だが、僕の目にはそれが「最高の素材」に見えた。
「シルフ。その氷の槍、もっと小さく……そうだな、矢の先端(鏃)の形に固定することはできるか?」
「え? 矢の形ですか……? それなら小さくなる分、一瞬で作れますけど……」
「よし、試してみよう」
僕は矢筒から鏃の外れた練習用の矢柄を取り出し、シルフに差し出した。
「僕の和弓と、君の超高硬度の氷。そして僕の炎魔法の推進力。……これを組み合わせたら、どんな硬い鎧も穿てる」
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
※個人的な反省ですが第8話、投稿するタイミングをミスりました(汗)
第9話はいかがだったでしょうか?
魔法の威力が全てとされる世界で、現代の知識と和弓の理屈(物理)が異世界を侵食していく感覚を楽しんでいただけていたら嬉しいです!
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