第31話:三位一体の限界突破
「じゃあ、シルフの『極冷』と、ウィネットの『気流制御』、僕の『熱推進×和弓』を合わせたらどうなる?」
二人の騒がしいやり取りを宥めつつ、僕は提案した。
シルフが急冷却で空気密度を極限まで高めて圧力を生み出し、ウィネットがその気流を前方へ集中させて無抵抗のトンネルを作る。
そこへ、僕の和弓と『ボム・プチ』による熱爆発を打ち込む。
「シルフ、頼めるか?」
「……はい! 私だって、蓮さんの役に立ちたいです! ウィネットさんには負けません……!」
シルフは対立心を静かに燃やしながら、短杖を強く握りしめた。
「ふふ、対抗意識燃やしてるシルフちゃんもイイね! 一緒に蓮くんを最高に輝かせよっ!」
ウィネットもニッコリと笑い、風の魔力を練り上げる。
『足踏み』『胴造り』『弓構え』『引き分け』——『会』。
「シルフ、ウィネット——いくぞ!」
「『極冷・圧縮』!」
「『流体・追風』!」
ふたりの魔力が完璧なタイミングで重なり合う。
冷気で極限まで高められた空気圧が、ウィネットの風によって一直線のハイウェイのように束ねられた。
「——離れ!」
――――――――轟ッ!!!!!
音すら置き去りにする、光の線。
衝撃波すら遅れてやってくるほどの次元違いの撃破力が、遥か彼方の空を切り裂いていった。
「すごいです……蓮さん! 私たちの魔法が、こんな力になるなんて……!」
「ヤバいよこれ! あたしたち、最強の三人組じゃない!?」
興奮して歓声をあげる二人に挟まれ、僕は和弓を握り直した。
「二人とも、ありがとう。君たちの力があってこその射撃だ」
僕が静かに微笑むと、ウィネットはパッと顔を輝かせて「蓮くん大好き!」と再び腕に抱きつき、シルフは真っ赤になりながら「もうっ! 私だって蓮さんのことが……っ!」と叫んでウィネットを引き剥がそうとする。
物理の理と、新たな仲間の風を得て。
僕たちの異世界無双劇は、ここからさらに加速していくのだった。




