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第21話:絶対の理、崩壊す
『音速の射手』としてその名を馳せる僕の元に、隣国との国境地帯で「謎の異形」が現れたという緊急依頼が舞い込んだ。
「蓮さん、気をつけてください。今回の相手は、これまでの魔獣とは毛色が違います……」
シルフとともに辿り着いた荒野。
そこにいたのは、黒い泥のように揺らめく不気味な流体生命体——『虚無の粘獣』だった。
「キシャアアアアッ!」
「シルフ、いつものを行こう」
僕たちは慣れた手つきで『音速の火矢』を番える。
シルフの極冷の氷、僕の初級魔法『ボム・プチ』、そして和弓の高速ドリル回転。
音速を超える一矢が、一直線に粘獣の核へと飛んでいく。
——勝った。
誰もがそう確信した、その瞬間だった。
ポスッ……
不気味な無音。
粘獣が展開した「絶対真空の空間」に入った瞬間、矢を加速させていた炎が酸素を失って消滅。
さらに、粘獣のドロドロとした体組織が矢の運動エネルギーを完璧に吸収・拡散し、矢は虚しく地面へ落ちた。
「な……ッ!?」
「あ、炎が消えて……矢の回転が止められた……!?」
シルフが息をのむ。
僕の最大の武器である『音速の火矢』が、何一つ効果を発揮せずに完封されたのだ。




