第20話:不敗の射手
衝撃波と炎が炸裂し、絶対防御を誇っていた帝国騎士団が一瞬で崩壊する。
「グアアアッ!?」
ガルドスを含む全騎士が吹っ飛ばされ、地面に転がった。
盾は無傷。
しかし、内側の陣形だけが完全に壊滅していた。
「な……なんだ……今の……!? 盾を……通り抜けた……だと!?」
吐血しながら這いつくばるガルドスが、恐怖に満ちた目で僕を見上げる。
「物理の盾がどんなに分厚くても、人が動く以上、そこには必ず隙間が生じる。和弓の回転運動は、その隙間へと矢を誘導することができるんだ」
僕は次の矢を筒に戻し、冷ややかに見下ろした。
「帝国へ帰って皇帝に伝えろ。これ以上この街や僕たちに関わるなら、次は城の玉座に座る皇帝の喉元へ、この矢を届けるとな」
「ひっ……ひいいぃっ……!」
ガルドスたちは命からがら逃げ出していった。
静まり返る広場。
直後、街の人々と冒険者たちから割れんばかりの歓声が巻き起こった。
「すげえええっ! 帝国騎士団を一発で撃退したぞ!」
「やっぱり橘蓮こそが本当の英雄だ!」
歓声の中、シルフが感極まったように僕の手に自分の手を重ねてきた。
「蓮さん……本当に凄いです。どこまでもついていきます!」
「ああ。これからもよろしくな、シルフ」
王宮の権力にも、帝国の武力にも屈しない。
和弓の理と知恵を武器に、僕たちの伝説はさらなる高みへと続いていくのだった。




