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第19話:極微の隙間を穿つ一矢
僕が矢先に灯したのは、やはり指先ほどの『ボム・プチ』のみ。
周囲から「あんな小さな炎で、帝国の重鉄盾が防げるわけないだろ……!」と不安の声が漏れる。
ガルドスが嘲笑う。
「ハッ! 愚か者が! 押し潰せッ!」
足踏み。
胴造り。
弓構え。
打起こし。
引分け。
会。
僕の全意識が収束する。
帝国の陣形——ミリ単位で蠢く盾の重なり、金属と金属が擦れ合うコンマ数ミリの気流の隙間。
(見えた)
矢のドリル回転に種火を乗せ、気流を完全にコントロールする。
「——離れ!」
―――ズガアアンッ!!!!
音速の壁を打ち破る爆音。
放たれた一矢は、一直線に重装兵の真っ正面へと飛んでいく。
「無駄だと言ったろうが!!」
ガルドスが叫ぶ。
だが——誰もが予想しない事態が起きた。
放たれた火矢は、極細の螺旋を描きながら、重装兵が構える二枚の巨大な盾の「0.5ミリの隙間」をすり抜けたのだ。
「な……なにぃっ!?」
盾を破壊されたわけではない。
矢は音速の回転によって自らの軌道を極限まで細く絞り込み、障壁の縫い目を滑り込むように通り抜けたのだ。
そして、陣形の中心部——ガルドスの眼前で、矢先の種火が破裂した。
——ドガアアンッ!!!




