第15話:英雄の誕生と敗者たち
ドォン、と遅れて腹に響く重低音が響き渡り、魔神の巨躯が内側から白光に包まれた。
「グオオオオオオオオオオッ……!?」
絶叫とともに、体長数十メートルの魔神が、内側の核を粉砕されて急速に冷却・結晶化していく。
数秒後、世界を滅ぼしかけた魔神は、巨大な黒いガラスの残骸となって崩れ去った。
静寂。
王都を包んだのは、誰も息をすることすら忘れた完璧な静寂だった。
「一発……? たった一矢で……あの魔神を……?」
「氷と火の初級魔法だぞ……? なんであんな……神の奇跡みたいな威力が……!?」
騎士たちが、魔法使いたちが、次々とその場にひざまずいていく。
僕の手元には、静かに佇む和弓が一本。
「う……嘘だ……嘘だろ蓮……! 俺が……俺の最強魔法が届かなかったのに……なんでお前が……!」
地面に這いつくばり、ガタガタと震える佐藤。
ダディス団長は顔を蒼白にし、「非無礼を……お許しください……!」と頭を地面に擦り付けていた。
「言ったはずだ。魔法に頼り切り、理を学ばなかったお前らの負けだと」
僕は一瞥もくれず、背を向けた。
「行こう、シルフ。僕たちの帰る場所へ」
「はいっ! 蓮さん!」
シルフが嬉しそうに僕の隣へ駆け寄り、ぎゅっと腕を絡めてくる。
かつて「無能」として国を追われた少年は、いまや王国全土にその名を轟かせる『音速の英雄』として、新たな物語のページを開くのだった。
第15話までお読みいただき、本当にありがとうございました!
王都を揺るがす大危機を、和弓の理と初級魔法だけで撃ち破る一戦、いかがでしたでしょうか?
かつて蓮を「種火しか使えないゴミ」と見下し、追放した者たちの手のひら返しや狼狽ぶりを楽しんでいただけていたら幸いです!
次回からは新たな展開へ突入いたしますので、どうぞお楽しみに!
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引き続き『異世界転移したけど、低スキルでもやっていけますか?(弓道経験は有ります。)』をよろしくお願いいたします!




