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間章Ⅷ:社会学部四年 倉木凌悟の場合

 香坂の奴、一体何のつもりなんだ。俺は気分が悪かった。さっきのことを思い出すだけで胃がむかむかとする。

 さっきは成瀬に上手いこと言いくるめられて引き下がってしまったが、やはり納得がいかない。

 香坂があんな行動に出たのは、このゲームから生きて帰るためだと成瀬は説明した。しかし、それにしては香坂の行動はあまりにも中途半端だった。彼女からは申し訳なさとでも言えるある種の消極的な空気が感じられた。

(もしかして、大雅の奴が香坂を使って、このゲームを引っ掻き回そうとしているのか……?)

 香坂は大雅のカノジョだ。大雅が香坂にそういったことをするように指示するのは容易なことだ。香坂は基本的に大雅のいうことに逆らうことはない。

 しかし、あれが香坂の本意でなかったというのなら、あの生温いやりかたについても理解はできる。だから、彼女は他の参加者たちを殺すのではなく、アイテムを奪って回る程度の妨害行為に留めたのだろう。

 だからといって、香坂のしたことを許す気にはなれない。あの女のせいで俺の足は今もずきずきと痛みを訴えている。

 俺は手の中のバールを見下ろした。次にあの女に遭遇することが、あれば徹底的にやり返してやる。いっそ、こんな事態を引き起こした大雅への意趣返しも兼ねて、あの女をぶっ殺してしまうのもいいかもしれない。

 我ながらいい考えだ、と俺の口元は自然と釣り上がった。

(――待ってろよ、香坂。絶対にやり返してやるからな)

 俺は香坂によって傷つけられた足を庇いながら、彼女への復讐を果たすべく歩き始めた。

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