03、運命の出会いと獣人の女の子
「さてと、薬草のお浸しはこんな感じかな?」
俺、中山太郎は、異世界に女神のミスによって勇者としてこの異世界に召喚された。
しかし、召喚された場所は、城でも街の中でも無い、草原のど真ん中だった。
周囲の安全や誰も居ない事を確認してから、女神からの贈り物の料理人セットというアイテム?を使用して、持っていた薬草を調理していた。
「次は、この干し肉を使った料理をしよう」
彼の背後から忍び寄る謎の影に、気付いていない。
中山太郎の後ろから、何者かが近付いて来る。
「ここで、何をしている?」
「え?――」
背後から話し掛けられて、びっくりして転びそうになるが、何とか踏み止まる。
振り向くタイミングに合わせて、中山太郎の首元に、刃物らしき武器を構えた何者かが現れる。
ローブの様な服を着ていて、顔はフードを被っていて、よく見えない。
「何って?――見ての通り、料理を作っているところです」
料理を作っているので、そのままを相手に伝える。
首元に刃物を向けられて、困惑しているが――彼は冷静だった。
以前にも、元の世界での仕事がら、人間関係のトラブルでも経験しているからである。(主に酔っ払い等の絡み等)
――こういう時は、冷静に相手を怒らせない様にして、ん?――また、頭の中にメッセージが――スキルを使いなさい?――何を使えばいいんだろう?
彼は、迷っている暇は無かった、頭の中に出て来たメッセージに従って、適当にスキルをいくつかを使用した。
《ナイトメア》
(自分以外の対象に悪夢を見せる)
《フラッシュアイ》
(自分以外の対象の目を眩ませて数分間使用不能にする)
《スピニングパニックヘッド》
(自分以外の対象の目を回して、数分間混乱させる)
《アルコールパニック》
(自分以外の対象を酔っ払った状態にして、立って居られないに数分間させる)
《スキルフィールド》
(自分が使用したスキルの効果を2倍にして、広範囲の対象全てに同様の効果を与える)
「ぐわあぁぁぁ、何だこれは?――」
どうやら効いたみたいだ。
ローブを着た、謎の相手が武器を捨て転んで、苦しんでいる。
落とした武器らしき物は、さりげなく回収して、アイテムボックス∞に入れて置く。
「うわぁぁぁ、来るな!――眩しい!――目が回る!――気持ち悪い!――」
――凄まじい効果だな。
効果はよく分からないが、助かって良かった。
スキルの使用を解除する。
その後、周囲の動物や人間達全てに謎の、悪夢、眩しい光、目が回る、二日酔いは、神様からの天罰や悪魔達からのいたずらとして――後世に語り継がれる事になる。
頭に被ったフードが脱げて、フサフサの髪と大きな耳に尻尾があらわになる。
山吹色の瞳、黄昏の夕日の様な髪と大きな耳と尻尾。
「獣耳の女の子?」
「はあ、はあ、酷い目にあった」
この出会いをきっかけに、中山太郎の運命を変える事になる。




